突然ですが、あなたは「運」と「幸運」の違いを知っていますか?
先日、”Good Luck(幸運)”(アレックス・ロビラ、フェルナンド・トリアス・デ・ベス著)という英語の本を読みました。
世界19言語、50カ国で出版された大ベストセラー作品です。もちろん、日本語版も出ていて話題になりました。
タイトルは「Good Luck(幸運)」ですが、「こうすれば幸せになりますよ~」的な本ではなく、人生やビジネスにおいて必要な事が書いてあるビジネス本。
英語の方には副題で、”Create the Conditions for success in Life & Business” (人生とビジネスで成功するための条件を作る)とあります。
そして、その方法は人生やビジネスだけでなく、「幸運」を「英語」に置き換えると、英語習得にもピッタリくる事もいっぱいあったのです!
それにはまず「運」と「幸運」の違いを知る事から。一見同じように見える運と幸運。その違いは何なのでしょう?
<Good Luckは作るもの?!>
日本語版「Good Luck」は、ずいぶん前に読んでいたのですが、最近になってふと「英語の原書ではどんな表現になっているんだろう?」と思い、英語の物を購入し読んでみました。
英語の原書が分かりやすい表現だったり、日本語版には載っていない部分もあって更に面白かったです。
今回、英文には日本語版「Good Luck」の訳を付けていますが、ニュアンスが異なると私が思った所は、私なりの日本語訳もつけました。
「Good Luck」の話は、二人の初老の男性が54年ぶりに偶然再会するところから始まります。
長年会わない間に、マックスはビジネスを成功させ幸せ。片や、ジムはビジネスが失敗、仕事も財産も全てを失い変り果てた姿に。
そんな友人に、マックスは祖父から聞かされていた「魅惑の森」の物語を語り始める…という内容。
ビジネス書なのですが、内容は物語調なんです。だから、読みやすいし、子供にも読んであげられる物。
「魅惑の森」の物語を話すきっかけになったのが、マックスがジムに聞いた
“Do you know the difference between luck and Good Luck?”
(君は運と幸運の違いが分かるかい?)。
運と幸運の違いって何でしょう?
同じような気もしますが…。
本の中では
“Luck doesn’t last long, because it does not depend on you.Good Luck is created by each of us:that’s why it lasts forever.”
(運は、呼び込むことも引き留めることもできない。幸運は、自らの手で作り出せば永遠に尽きる事はない)
英語の方をそのまま訳すと、
<運は長く続かない。なぜなら、それはあなたによるものではないから。幸運は私たちそれぞれが生み出せる。だから、永遠に続く。>
となります。
つまり運は、たまたま宝くじに当たったとか、急に遠い親戚の遺産が入ったとか、自分が頑張ってどうこうできる物ではない。
一方、幸運は自らが頑張れば手に入れる事が出来る物。そして、自分で作り出せるから幸運は永遠に続く、という事でしょう。
幸運を作り出せるとしたら、「どうやって?」と思うでしょう。それが、「魅惑の森」の物語の中で語られています。
<幸運の作り方>
2人の騎士が、魅惑の森に行き、全ての幸せが手に入るという「四つ葉の魔法のクローバー」を見つけだすという物語。
四つ葉の魔法のクローバーは、「幸運」の象徴。魔法のクローバーを見つけるという事は、「幸運」を見つけに行くというのと同じです。
物語が進む中で、幸運を作り出す方法、条件が全部で10個書かれています。
その中から今回は、英語習得にも関係のありそうなものをピックアップしてみました。幸運を英語に置き換えて読んでみてください。
“Many are those who want Good Luck, but few are those willing to pursue it.”
(誰もが幸運を手にしたがるが、自ら追い求めるのはほんのひとにぎり)
「英語を話したい」という人は山ほどいます。でも、実際に一生懸命勉強したり、英語を話す努力をしている人はどれだけいるでしょうか。きっと、ほんのひとにぎり。
「英語を話したい」「英語ができるようになりたい」と言う前にまず行動という事でしょう。
“If you have no Good Luck now, it might be because you’re under the usual conditions. To have Good Luck, you must create new conditions”
(幸運が訪れないからには、訪れないだけの理由がある。幸運をつかむためには、自ら下ごしらえをする必要がある。)
英語の方をそのまま訳すと、
<もし、あなたが今幸運でないなら、それはもしかしたらあなたが普通の状態でいるからかもしれない。幸運を手にするには、新しい状態を作らなければいけない>
もし、英語の勉強をずっとしているのに、話せるようにならないというのなら、それはその方法が、あなたに合っていないとか、従来の英語学習にとらわれているからかもしれません。新しい方法を探したり、実践してみた方がいいという事ですね。
“If you postpone the creation of new conditions,Good Luck never arrives. Creating new conditions is sometimes hard work, but…do it today!”
(下ごしらえを先延ばしにしてしまえば、幸運は絶対に訪れてくれない。どんなに大変でも、今日できる事は今日してしまう事)
英語の勉強も「また明日やればいいか。」と先延ばししてたら、英語はいつまでたってもできるようにはなりません。疲れていて大変でも、「今日できることは、今日やりましょう!」という事ですね。
どうでしょうか?思い当たるふしはありませんか?
この本を読んでいて思い出したことがあります。
私が留学をしていたというと、よく言われるのが「あ~、留学してたから英語が話せるんですね。」と。
まるで、「たまたま留学できて英語が話せるようになって、運が良かったね。」という感じ。この本でいうと「運」の方だ。
それを聞くと私は心の中で憤りを覚える。なぜなら、留学したからって英語は話せるようにはならないから。何年も海外に住んでいるのに、英語を話せない人を私はたくさん見てきた。
「海外に行けば英語を話せるようになる。」は幻想。
私は留学中めちゃくちゃ努力したし、恥ずかしい思いや悔しい思いをしながらも、一生懸命英語を学んできたという自負がある。だから、英語が話せるようになったのは、その努力のおかげだと思っているし、当然の結果であるとも思っている。
この本でいう所の「幸運」を作り出したのだ。
それを、「留学したら当然、英語は話せるようになるよね。」と軽く言われると(どれだけ苦労したかも知らずに…)とムッとしてしまうのだ。
そういう人には、どれだけ努力したのか、どうやって英語を身につけてきたのかを話す気にもなれない。
なぜなら、「海外にさえ行けば簡単に英語が話せるようになる」と思っている人は、どういう勉強をしたかや、どんな苦労をしたかを話しても興味は持たないだろうし、しないと思うから。
本で言う所の「運」を待っている人で、「幸運」を作り出す人ではないのだと思う。
あなたは、「運」を待つ方? それとも 自ら「幸運」を作り出す方?
日本語版には載ってないのですが、英語の原書の最後の言葉は…
“How much longer are you going to wait?”
(まだあとどれくらい長く待つつもりですか?)
もし、自ら「幸運」を作り出す、または作り出したい方なら、これ以上待たずに行動しましょう!
英語の勉強だけでなく、人生やビジネスにおいても大事なことが書いてあるこの「Good Luck」。この本に興味の湧いた方は、ぜひ日本語版ででも読んでみてください。
英語の原書も物語なので理解しやすく、130ページほどと短いので中級レベル以上の人であればすぐに読めると思います。日本語版との違いを見つけるのも面白いと思いますよ。
もし、しようと思いながらしてない事があったら…
Do it today!
Good Luck!
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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