「見てはいけない!」とドイツ人の上司が日本語で言った。
その場にいた人たち皆、最後まで日本語を聞かなくても、それがどういう意味かはわかった。
今日は、外国人の人達が話す日本語の事をお話します。
突然現れた外国人
それは2月のはじめのある日の事。
私が働く施設の事務の女性数名で、ある企みをしていた。
そして、誰も使っていないであろう部屋でこっそりと準備をしていたのだ。
私達は話をしながら楽しく準備をしていた、笑い声が外まで響いてしまっていたようだ。
そこに突然、私の上司であるドイツ人がドアを開けた。
「あ!」と彼は言った。そして日本語で
「見てはいけない!」とだけ言って、慌ててドアを閉めたのだ。
私達は彼が去ったあと、とてもおかしくなって笑った。そして、ある一人の女性がドアを開けて
「誰にも言わないでね!」と日本語で言った。
「わかった」とドイツ人の上司は日本語で返事をした。
一言でその先を察する日本人
よく外国人が驚いて私達に言われる事は、
「日本人は魔法使いみたい、人の心がわかる」という事。
今回も、ドイツ人上司の日本語の一言で、私達事務員の女性は、彼の言いたい事すべてを理解した。
今回の企みは、施設内の男性に向けてバレンタインに送るチョコレートの梱包作業をしていた。
私達女子事務員の笑い声が、使われていない部屋から聞こえてきて、その前を通ったドイツ人上司は不振に思いドアを開けたようだ。
彼は日本人女性の奥さんを持ち、日本に長く住んでいる、日本語はよくわかるけど話すのは得意ではない様子。
この時も本当はこう言いたかったようだ。
「あ、皆さん。見てはいけない場面に表れてすいません。私は見なかったことにして立ち去ります。誰にも言いません。」
私達事務員の女性陣は、「見てはいなけない」の一言を聞いて、この全容を把握した。
この施設で出会う外国人の大半は、日本語を聞くのも話すのも苦手。
一部の人で日本在住期間が少しでもある人達は、生活に必要な日本語を理解できる。でも話すことは少し苦手。
そして「日本語を日本人のように話せる」、または日本語検定1級を持っている人たちが稀にいる。私が知っている施設関係の外国人で、2人ぐらい。
この中の「日本在住期間が少しでもある外国人」だと、私達日本人と日本語でコミュニケーションを取ることができる。
一言でも「日本語」を話してくれれば、私達は英語だけよりもずいぶん彼らの言いたい事が理解できる。
単語でも大丈夫
これは外国人に対しても、同じではないかと思う。
外国人に英単語を数個つなげて話すと、大体理解してもらえる事は多い。
「外国人とコミュニケーションを取る」という事に、日本人はあまりにもストイックになりすぎではないか?と感じる。
完璧を求めすぎて「外国人」を目の前にすると何も話さない、という状況になっているように感じる。
英単語だけでも、つなげながら話す事はできる。それで、全く話さないよりも外国人と仲良くなれるかもしれない。そんなチャンスを逃すのは惜しいと思う。
京都が大好きで光華女子学園へ進学、卒業後、大阪の企業で経理課勤務。仕事が肌に合わず、夢だったイラストレーターを目指して大阪芸術専門学校へ。賃貸住宅ニュース雑誌社へ派遣社員として就職。その後地元へ帰り、地元のフリーペーパーやパチンコ店などのポスター制作するグラフィックデザイナー、ベジタリアン・ヴィーガンのお料理の先生、バンドのドラマー(ジャズ・ロック・軽めのフュージョンなどジャンルを問わず、地元ではセミプロとして活躍する。プロドラマー海野俊介氏に師事)、お琴奏者(趣味で名取まで取得)、演劇が好きで劇団にも少しだけ所属・・・など様々な経験を経て、英検3級しかありませんが、縁あって現在は、某施設で外国人担当のお仕事をしています。