アメリカのドラマや映画によく出てくる、Diner(ダイナー)でのブレックファスト。
このブレックファスト「朝ごはん」の意味は、break (破る)とfast (断食)の2つの言葉からできているのだそうで、昨晩からずっと食べていなかったけれど、その断食を夜が明け、この食事で破る、の意味だそうです。
そして、ダイナーの由来は、なんとなくレトロな響きがするのですが、それもそのはず、もともと食堂車(ダイニング・カー)と言う意味があったり、アメリカ大陸の開拓も終わりごろ、馬車で温かい食べ物を提供する移動式屋台だったり、レストランの原型、簡易食堂の意味合いのようです。
ですからアメリカ人にとっては、お手軽な、近所の食堂といった感じで、ちょいと朝ごはんに出かけたりするのでしょう。
さて、気になるメニューですが。まずアメリカでの朝ごはん定番は、卵2つの目玉焼きに何かミート類 (ハム・ソーセージ・ベーコンなど)を選べて、それにホームフライと名付けられた、ポテトとオニオンやペッパー(日本ではパプリカというのかな、)等を炒めたものと、ライ麦、ホール・ウィート等のトーストが付きます。
それが2000円ちょっと位かな。そうそう、卵は、フライド・エッグ(目玉焼き)、 Sunny Side Up(目玉焼きの両面焼き)、スクランブル、など、色々と自分の注文をお願いすることができます。
私が好きなのは、エックスベネディクトです。ビスケットと呼ばれるパンの上にポーチドエックが乗っかっていて、その上にホランダイズ・ソースがかかっています。カナディアン・ベーコンが挟んであったり、はたまたスモークサーモンもあり。これはなかなかの絶品です。
甘いものが好きな方には、フレンチ・トーストやパン・ケーキ (日本で言うホットケーキみたいなののちょっと薄い感じのもの)、お店によっては、ブルーベリーやバナナ入り、またはミックスナッツがかかったパンケーキなどもあります。
あと、ベルギー・ワッフルもあります。焼きたてにバターをしっかり塗って、それにメープルシロップをかけて、甘いもの好きの方にとってはニコニコしちゃう朝ご飯ですよねぇ。アメリカでは、シロップが定番ですけれど、私は、蜂蜜が好きです。本物のメイプルも好きです。
ベジタブル大好きさんには。アメリカでは、朝からサラダはまず食べません。なので、野菜を食べようと思うと、どうしてもオムレツになります。ベジタブル・オムレツです。オプションでハムを足すのもあり。チーズを足すのもあり。
チーズは、こちらではいろんな種類があり、アメリカン、スイス、チェダー、ブルー、などいろいろな種類のチーズの中から選べます。アメリカでは、オムレツは通常、卵を3個使いますので、大きなオムレツとなります。
食べきれない時は、ドギーバッグで家に持って帰る、と言っても後ほど自分で食べます。(笑)
スープと組み合わせると、いいコンビネーションかも。
そうそう、朝ごはん、必需品はコーヒーですね。アメリカのコーヒーは、世界でも、薄くておいしくないアメリカンコーヒー、などと言われますが、そのかわりダイナーでは何杯でも、おかわり自由です(笑)
日本のファミレスでも、そういうレストランが最近はあるそうですね。日本へ行った時、喫茶店で、小さなコーヒーカップだったのでそのコーヒーをすぐ飲み干してしまい、2杯目をお願いしたら、料金を倍とられたのを思い出します(笑) でも、その代わり、日本のコーヒーはハイ・クオリティで、とってもおいしいですものね。
はてさて、アメリカでは大人気のブレックファスト。空いてるダイナーって、ほとんど見たことがありません。大概どこのダイナーでも、人々が列をなして自分の番が来るのを待っています。
自分の定番の朝食に、フルーツボウル(大)やカップ(小)を足したり、オレンジ・ジュースを足したり、いかようにもアレンジ可能。私などは、家で作ったら、めっちゃ安く(そしてもっと美味しく?!)できるのに、なんて思ってしまうけれど、料理をしないアメリカ人にとっては、とっても大切。
そしてそこで働く人々との毎日の会話、地域のコミニケーションというか、日本では、お父さんが通う近所の焼鳥屋のような、極力、コミニケーション力を磨く場なのかもしれません。
さて、来週は、ニューヨークのクリスマスシーズン、雰囲気を写真でお届けしたいと思います!どうぞお楽しみに。
ではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。