前回に続いてニューヨークの地下鉄について、今回は乗り方や、注意が必要なことなんかについてお話します。
その前に、ニューヨークの地下鉄は、「サブウェイ」と呼びますが、サンドイッチ屋さんとは違うので、お間違いのないように。
というのが、私自身、東京の街角で、サブウェイの場所を聞かれた時に、地下鉄の乗り場を教えたことがあるんです。全く大ボケだったことに、その後友人に言われて初めて気が付きました(笑)
ちたみに、なぜサンドイッチ屋に、地下鉄と言う名前がついたのか、とっても不思議だったので、調べてみました。下記、ウィキペディアによると、
「SUBWAYという名称は、潜水艦型のサブマリンサンドイッチ(SUBMARINE SANDWICH)を客の好み(YOUR WAY)に作ることに由来する。」なーるほど!
運賃はメトロカードで
さて、お話を地下鉄に戻しまして、
まず、ニューヨークの地下鉄サブウェイに乗るためには、メトロカードと言うプリペイドカードを買って、地下鉄に乗るときに、改札でスワイプします。1回の乗車運賃は$2.75で、自分の好きな金額だけメトロカード販売機でチャージしておいて、使います。
また、アンリミテッド(乗り放題)と言うシステムもあり、1週間用で$33、1ヵ月用で$127です。このカードさえあれば、バスも同じ仕組みで行けます。
そこで、もう一つ知っておくと便利なのが、ニューヨークのマンハッタンのエリアは南北に長細い島だと言うことです。
専用入り口に注意!
ノース・バウンド(北に向かうこと)をアップタウン、逆にサウス・バウンド(南に向かうこと)をダウンタウンといいます。地下鉄の駅によっては、地下へ降りる階段にどちらか専用、と書いてあることがあります。
大きめの駅だと、駅の中でプラットホームを渡れるトンネルがある場合も多いのですが、小さな駅だとそうもいかないので、これは気をつけましょう。うっかり、ここから地下鉄に乗れると安心してメトロカードをスワイプしてしまう(メトロカードを使って料金を前払いし、プラットホームに入ってしまう)と、そこで、そのプラットホームの行き先が逆だったことに気がつくと、悲しいです・・・。
地下鉄料金の払い戻しは無いので、いちど改札を出て、ぐるっと回って反対側のプラットホームの入り口へ行き、そして再度改札口でスワイプすることになり、乗車料金を2回払うことになってしまいます。
このメトロカード(地下鉄用プリペイドカード)には乗り放題のものもありますが、1度スワイプしてしまうと、(何人かで使われてしまうことを防ぐため)、その次に使うためには18分間待たなくてはいけないので、これもちょいと腹が立ちます。(笑)
位置関係を覚えておくのがおすすめ
やはり、最初にニューヨークに来られる際には、ある程度、マンハッタン島、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、スタテン島の位置関係だけは覚えておくと良いでしょう。ニューヨークの地下鉄は、終点をまずアナウンスするからです。
中心をマンハッタン島、その右(東側)にクイーンズ、その下(南側)にブルックリン。マンハッタンの上(北側)にブロンクス、下(南側)にスタテン島。そしてマンハッタンの左(西側)が州が変わってこちらはニュージャージー州です。全て川を挟んでいるので、地図で見るととてもわかりやすいです。
時間通りに来ない地下鉄
ニューヨークの地下鉄は、東京とは違って、随分と時刻表とはずれて運転されています。創設された時期が古く、100年以上前からあるので、あちこちで工事中のことも多く、地下鉄マップの路線通りでなく、違うラインに急に入って行ってしまうこともあります。
自分はローカルに乗ってきたはずなのに、「後からローカルがすぐ来ているので、この列車は次の駅からエクスプレスになります」とかしょっちゅうで、この車内放送がよく聞こえなかったりすれば自分の降りたい駅を逃してしまったり、ため息が出たり、信じられなかったり、笑っちゃうようなことが多々ありますが、それがNew York。フレキシブルに、行こうぜ!
どこまで乗っても一律.75
ニューヨークの地下鉄の凄いところは、24時間営業で休みがないこと。そしてなんと、このMTA経営の地下鉄のマップ内なら、どこから乗ってどこで降りても一律$2.75、という太っ腹。
マンハッタン島の、例えばセントラルパークの辺から、1時間ちょっと乗ってブルックリンのコニーアイランドの遊園地やビーチまで行っても、片道$2.75。
そしてもし、そこでも駅を降りずに、ホームから海だけ眺めて、そのまま元の駅まで戻ったら、料金は$2.75のままです。
アッハッハ!タフなニューヨークってイメージ? まあ、だから地下鉄に住んじゃう人 、ホームレスさんと言う方達が、いるわけですよね。これは法律違反ではないと言う…
ただ、地下鉄内で寝る事は禁じられています。普通の人でも、地下鉄車両内で真剣に寝ていると、駅員さんが来れば、起こされます(笑)軽く寝ている分には、大丈夫ですが、安全の為にも、寝ない方がいいですけどね♪
コロナ以降のニューヨーク
近頃コロナ以降のニューヨークでは、アジア人に対するヘイトや、弱者への暴力、銃の撃ち合い、地下鉄ホームでの突き飛ばしなどの犯罪もよくニュースになっています。
いろいろな社会への不満が、このような実態となって現れているのかもしれません。実際に私は夜間の外出は仕事のみとし、その場合でも、地下鉄利用は、現在は止めています。こんな感じでパンデミックの影響がまだ残っているのは残念ですが、これは将来きっと良い方向に進んでいくはず、と祈ります。
もうちょっとコロナが収まったら、ぜひまた皆さん、どうぞニューヨークにも遊びにいらしてくださいね。とってもワクワクする、エネルギーをグワッともらえる街ですよ!
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。