はるか遠い昔の話。
私がまだ5歳くらいの子どもだったころ,
近所のお友だちとブランコに乗りながらこんなことを言いました。
「ぼくは大きくなったらアメリカに行くんだ!」
なぜか,世界には日本とアメリカしかないと思いこんでいたのです。
もちろん,成長するにつれ色々な国があることを学びましたが,その頃は
「外国=アメリカ」
と思い込んでいたんですよね。
でも,これってもしかすると大人になったあなたにも当てはまるかも?しれませんよ。
というのも…
―外国人=英語?=
以前,サンディエゴで路線バスに乗っていた時,
同じ車内から中国語が聞こえてきました。
ふと目をやると,中国人らしきカップルがMのマークのハンバーガーを食べていました。
車内には飲食厳禁のマークが貼られているにも関わらずです。
その匂いが他の乗客を不快にさせたのでしょう。
一人のおばさまがバスを降りる際,そのカップルを睨みつけて
“Disgusting Japanese…”(不快な日本人)
と言ったのです。
・・・
(ひょぇぇええ!彼らは日本人じゃないよぉぉぉぉ!)
と心の中で叫びつつ,そのカップルを見ると,
「え?何?何?」
というような顔。
(あ〜,そのおばさまの中ではアジア人はみんな〔日本人〕なのね。)
と思ったのでした。
そんな感じで,アメリカ人の多くは中国人,韓国人,日本人を区別することができません。
それは日本人も同じかもしれません。
日本人はとかく欧米人を見ると「英語で話そうとする」そう。
それがイタリア人であれ,フランス人,ドイツ人…であれです。
実際に私の上司(カナダ人)もそんな経験をしたと憤慨していたことがあります。
カナダ人なので英語で問題はないのですが,他人からみれば何人かはわかりません。
その上司がとあるファストフード店で注文した際,流暢な日本語で注文したそう。
でも,それにも関わらず店員さんからの返答は英語。
彼は,「え? 日本語で注文しているのに!?」
とびっくりしたそう。
その話を聞いた時,彼は「ちょっと失礼だよね。」と怒っておりました。
そのような話は,何度か他でも聞いたことがあります。
ですので,私は日本にいる外国人(らしき)人と話す場合,基本的に相手が日本語で話してくれば,会話も日本語でするようにしています。
だって,英語を話さない国の人かもしれませんし。
何より,相手が話してきた言語を尊重するのが礼儀だと思っておりますので。
―日本には四季がある―
東京都の木はイチョウ。
街路樹や公園など,たくさんのイチョウの木が植えられています。
それらの木々も少しずつ黄色くなってきました。
今年は秋になっても暑い日が多かったので,「春→夏→冬」という体感。
あなたのお住いの地域でも,同じような感じだったのでしょうか。
さて,季節と言えば四季。
春は桜が咲き,夏はセミの合唱に盆踊り。
秋には紅葉,そして冬は雪にこたつでみかん(笑)と,
それぞれの季節に様々なイメージがあります。
日本人を対象に「日本の特徴は?」と質問すると,
「四季がある」
という返答をよく耳にします。
もちろん間違いではありません。
でも,
「日本以外の国には四季がない」
と思っている人も多くいるのです。
これに対して,
「他の国だって四季はある」
と異議を唱える外国人も多くいるのです。
アメリカにも,イギリスにも,韓国,フランス,イタリアにも四季はあります。
もちろんその国々の地域によっての差はありますが,四季のある国はたくさんあります。
英語でも,
“spring, summer, autumn (fall), winter”
とあるように,四季はあるのです。
では,なぜ「日本には四季がある」と,まるで他の国とは違うというような印象を持つのでしょうか。
「四季がはっきりしているから」という意見もありますが,
それでいうと他にも四季がはっきりしている国はあります。
なぜ日本には四季がある,と言われるのか。
それは,日本人の持つ情緒的な思考ゆえかもしれないと思うのです。
というのも,俳句には必ず「季語」があります。
また,食べ物に関してもそう。
春は菜の花のお浸し,たけのこの煮物,春キャベツや新玉ねぎのサラダ…
夏は流しそうめん,キュウリやスイカ,冷やし中華,かき氷…
秋は栗ご飯やさつまいもご飯,松茸の土瓶蒸し,かぼちゃのサラダ,秋刀魚の塩焼き…
冬はおでん,鍋料理,クリームシチューにビーフシチュー,カキフライ,グラタン…
などのように,季節毎に旬の食材を使った料理や,代表的な料理があります。
今はどの季節でも食べられる食材も多くありますが,
でもやはり「旬の食材」というものを日本人は大切にしていると思います。
また,季節の行事や風習もいろいろあります。
初詣,節分,雛祭り,お花見,端午の節句,お彼岸,七夕,お中元,お盆,お月見,紅葉狩り,冬至,お歳暮,餅つき,除夜の鐘…
これらを見ているだけでも,その季節を感じませんか?
このように,日本人は「季節」というものを昔からとても大切にしてきたのだと思います。
もちろん,他の国にも季節ごとの行事はあると思います。
しかし,このように文化,食べ物,行事,自然を感じる等,とても繊細に季節を感じとり文化風習にしてきたのは,すごいことだと思うのです。
それ故に,「日本には四季がある」と無意識に回答してしまうのかもしれません。
でも,外国の人に言う場合には
「日本の四季は,季節ごとに自然の変化を感じ,食べ物,風習,習慣など数多くの季節を感じることのできる文化があるんですよ。」
と言ってあげると良いかもしれませんね。
―思い込みはゲンキンよ―
最近,よく思うことがあります。
年齢を重ねるにつれ,
「思い込みが激しくなってるなぁ。」と。
自分ではちゃんと聞いていたり,理解していたつもりでも
勝手に脳内で自分流に解釈してしまうことがあるんですよね。
歳をとると「人生経験も豊富になってくる」じゃないですか。
なので,自分の経験した範囲内で勝手に解釈してしまうんですって。
いやぁ,いけません。
もっと視野を広げて,思い込みはしないようにしないと。
なので欧米人だからって英語を話すとも限りませんし,
四季だったら,他の国にもあるんですよ。
そして,お話の中に出てきた東京都の木,イチョウ。
東京都のシンボルマークってご存知ですか?
イチョウの葉っぱのような形をしているんですが,
ずっとこれ,東京都の木がイチョウだからそのマークなんだって思っていました。
それが,それがですよ!
“Tokyo”の頭文字の “T”をデザイン化したものなんですって。
知りませんでした。
これ,もうずっと「思い込み」しておりました(^_^;)
それではまた来週〜!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。