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米海兵隊流ビジネスメールってクール!?

World Lifeな生活
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沖縄の米海兵隊司令部での4年間の勤務は、もちろん英語で仕事をしていました。
米軍内でのメールは、作戦上から、秘密が保たれ、スピードが早い。

迷惑メールが混じることもなく、しっかりと情報伝達できるように管理されています。

ある時、至急の区分が付いたメールが届きました。
All concerns,
Sorry for the short notice but……….

最後に、一行、次のように書かれていました。
“R.S.V.P. NLT COB JUL 1”

内容を読むと、7月に実施される大事なイベントがあるのだけど、それについて
R.V.S.P NLT COB JUL 1
らしい。

いったい、どういうこと?
となりました。

<R.V.S.P.て何?>

調べることもなく、発信者の中佐に連絡すると、“Check!LOL” と返信が来た。

階段を駆け上り、中佐のオフィスに顔を出す。
英語のメールになれていない私に、中佐は丁寧に説明をしてくれた。

Check!は、「了解」という感じ。海兵隊では、上官の指示に対して、言われる都度、“Check!”“Check!”と繰り返して確認します。

Get there at ten hundred!(10時に集合しろ!)」

check!(了解!)」

という感じ。

“LOL”は、絵文字ではありません。“LOL”は、“Laugh out loud”(大声で笑う)なのです。
“LOL”のように、各単語の頭文字を並べた略語を、頭文字語と言います。
(略語の詳しい説明は、回を改めて記事にします。)

LOLは、メールに書いた場合には、
LOL=((笑)という感じなのである。

現代では、英語を勉強している人であれば、すぐにピンとくることでも、インターネットがまだまだ普及していない四半世紀前の状況はそんな感じだった。

中佐は、メールの書き始めに、海兵隊員にしては超珍しくLOL:(笑)でユーモアを入れて返信してくれたということか。

書き出しは、
All concerns,
Sorry fot the short notice but……….

翻訳すれば、

「関係各位 直前(the short notice)のメールご容赦ください。」
すっきりして、リズムが良く、相手の急いでいる感じが伝わってくる。

その当時のSwatchには、なかなか書けないビジネス英語でした。
英文に感動している暇もなく、対応を考えなくてはならない。

内容は、7月の軍事イベントのことなので、行事に参加することについて、R.S.V.P.すれば良いということは分かった。大学でフランス語を学んだことが役に立った。

R.S.V.P.は、フランス語で“Repondez s’il vous plait.”(ご返答おねがいいたします)ということ。
Repondez(ルポンデ)は、英語ではrespondに近いです。

S’il vous plaitは、(シルヴープレ)と発音します。
直訳すれば、「もしそれがあなたをよろこばせるならば」という感じです。

plaitは、英語のplease(動詞)で、「喜ばせる、気に入る」です。
Vousは、「あなた」で英語のyouにあたりますが、フランス語では、目上の人や少しかしこまった関係の相手にvous,友達は、tuを使います。
S’il vous plaitの使い方は、
丁寧な表現にしたいときに文末に付け加える
お店で注文などをするとき品名の後につける

café s’il vous plait
(コーヒーを下さい)

お願いする (~してください。お願いします)Pleaseと同じ使い方
な感じで使ってください。

R.S.V.P.に話を戻しますと、イベントなどの招待に返答が必要な場合は、世界的にR.S.V.P.が使われています。「要返信」、「ご返答ください」といった感じの表現です。これも公式なメールでみたのは、初めてだったので、「なるほど」と納得していた。

文章の最後に、書かれていることが多いです。招待状の場合には、その部分を読み落とさないように注意が必要ですね。

<NLT COB JUL 1って何?>

R.S.V.P.で、イベントの招待に対して、返答をすることが必要であることが分かりました。
ところが、それに続くNLT COB JUL 1が良くわかりません。

JUL1は、アメリカ式の日付の表記なのですぐに分かります。
NLTCOBは、どういう意味なのか。
中佐に聞きます。

まず、NLTは、“No later than~”

を略語にしたものだとわかりました。
意味は、「~より後にならないように、~に遅れないように」ということです。

そうすると、NLT JUL 1は、「7月1日より前に、ご返答ください」という意味になります。

残るは、COBです。これも略語なのでしょう。
中佐は、“Close of Business”と答えました。

「ビジネスが閉じる」ということ。ピンときませんが、ビジネスは、一般に業務をさしますので、
(業務終了前)にです。当時としては、「午後5時以前」を意味します。

業務の終了時間は、それぞれの組織や会社で違うこともありますので、始業時間、終了時間を確認する必要がありますね。

同じような表現に、EODがあります。EODは、“End Of the Day”(営業日の終了時間)です。日本語でも分かるように、COBEODはほとんど同じ意味で使われています。

営業日は、月曜日から金曜日の午前9時から午後5時が一般的です。
それ以外の営業時間が設定されている場合でも、締め切り日の場合は、終了営業時間のギリギリではなく、余裕をもって返信しましょう。

ぎりぎりに返答することを避けるのは、世界的なスタンダードです。
相手にメールが届いて、作業する時間を見積もって早めに出すのが良いですね。

NLT(~より前に)は、こちら側のことを気遣ってくれた表現です。
発信者が急いでいる場合には、NLTとは書かず、ASAPと書きます。

ASAPは、“As Soon As Possible”(できるだけ早く)の略です。
急ぎでない場合は、“by JUL 7”(7月7日までに)と表記できます。

<略語を使ってメールをクールに!>

ビジネスレターの書き方は、その人の個性もあり、十人十色です。

海兵隊は、「時短、省略」といった効率を追求する団体です。
そういった文化の中で、もう一つ大事なことを心がけています。

Checkするということです。冒頭の文にもCheck!のエピソードを紹介しましたが、行動を確認することを、いつも意識しています。

Mailの中で、それをさりげなく実施するところが、海兵隊のこだわりになっています。

一括メールを送る際の冒頭は、一般的な“To whom it may concern”と書くところを、
“All concerns”「関係各位」とスパっと切ってしまう。

“I’m sorry for sending e-mail on a short notice”を、“Sorry for the short notice!”で済ます。

日付だけで締め切りを示すのだけでなく、no later thanで「これ以上待てませんよ」という状況を相手に伝える。なかなかクールです。

海兵隊員が全世界に展開し、情報と時間を非常に大切にして作戦を遂行しているということなのです。個々の情報のやり取りも、効率と確実性が求められています。

そういった感覚をあなたのビジネスメールに、さりげなく入れてみてはどうでしょうか。
クールなメールが送信できます。

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