今思い返せば当たり前の事なのに、こんなに違うんだ!私は驚愕した。
それは4年前の夏のことです。施設にはたくさんの外国人研究者と学生が集まっていました。
外国人と日本人は、同じように考えていてはいけないんだ!
私は改めて実感する驚くことがありました。
今回は、そんな外国人と日本人の違いを、まざまざと実感したことをお話します。
研究施設のリニューアル
私の施設は4年前、10年に1度のとても大きな行事を抱えていました。
その大きな行事とは、研究所の中を大幅にリニューアルするという内容でした。普段、常勤の研究者でも入ることができない場所へ入り、今後10年は見ることができない貴重な研究施設の内部を見ることができるのです。
そのため、貴重な施設や機材を見て自分の研究材料にしたい外国人研究者や学生が、その年の夏はとてもたくさん、いろいろな国から来ました。
通常とは違う年
通常は短期間で海外から来る研究者と親睦を深める機会は、ほとんどありません。
その年の夏は異例の数の学生と研究者が来て、彼らのお困りごとをお手伝いしていたので、私はたくさんの外国人研究者と学生と仲良くなる機会がありました。
そして、その中の留学生たちのバーベキューへ招待されました。
夏の終わりのバーベキュー
バーベキューといえばアメリカ!私の中で勝手な妄想があります。
バーベキューに参加した外国人の学生の中には、アメリカのカリフォルニア大学から来ていた男の子がいました。
アメリカにいてもバスケットボールの選手と間違われるぐらい背が高くがっちりした体格、ブルーな瞳にブロンドの髪、日本のベッドからは足がはみ出してしまい、学生なのにゴルフが上手で、打ちっぱなしに行ってネットを超えてしまうんじゃないか?というぐらい遠くまで飛ばしてしまう力の持ち主、豪快で自由なアメリカ人そのものという印象のアメリカ人大学生。
同じカリフォルニア大学の技術者で出張に来ている、おじさんのアメリカ人。
イギリス人留学生の女の子と私、の4人というメンバーでした。
場所は当時、イギリス人留学生の女の子が住んでいた家の車庫。
私の地方ではよく見かける光景なのですが、気候が良くなってくると自宅の駐車場や自宅ベランダなどでバーベキューをします。
花火大会を見ながらバーベキューをしている光景も、よく見かけます。皆さんとても楽しそうです。
バーベキューと言っても、焼き肉パーティーのような感覚で私は気楽に考えていました。
カリフォルニア大学の技術者のおじさんが、イギリス人留学生の女の子に1万円を渡し、「これでお肉を買ってきて」と言ってくれたので、イギリス人留学生は
「このお金でお肉を買っていいんだって♪」とウキウキしながら、私と一緒にお買い物に行きました。
もちろん私達もお金を出したので、お菓子や飲み物もたくさん買いたいね!と2人で話しながら、楽しくお買い物をしたのです。
イギリス人留学生の女の子の家の近くのお肉屋さんへ行き、7000円から8000円ぐらいで4人で焼き肉をするためのお肉をみつくろってほしいと頼み、上カルビ、カルビ、牛肉の味付けモツと豚肉の味付けモツ、豚バラ肉、ソーセージ、厚切りハムステーキやベーコン、牛タン・・・etc。お肉を全部でだいたい3kgほど、他にも玉ねぎや茄、キノコなどの野菜や、スナック菓子、アイスクリーム、飲み物を買いました。
アメリカが本場のバーベキュー、炭や鉄板なんかももってきてくれるのかな?どんな風にするのかしら?と思っていたら
カリフォルニアから来た技術者のおじさんと学生は、直径40センチぐらいの日本で買った、自宅用の電気で使える焼き肉用の鉄板を持ってきました。
少し気がぬけたけど簡単で片付けも楽、さすが合理的なアメリカ人と思って、私達はワクワクしながらバーベキューを始めたのでした。
まるで勘違いな量
お肉を焼き始めて、私はやっとわかったのです。
彼らの体の大きさと食べる量というものを。
目の前に並べたお肉、彼らアメリカ人の前に並んでいると全く少ない、全然足りません。
食べる量も早く、あっという間に無くなり、少々物足りない空気間。
私は焦りました、日本人でお買い物事情に一番詳しい私が、買い物の量を間違えてしまったのです。
こんなに違うんだ!私は驚愕しました。
こんなに食べる量が違うなんて、想像もしていませんでした。
これは失敗した!!!明らかな失敗だ!と、少し落ち込んでいました。
ところが、ここからが外国人の良いところで、そういう時に文句を言ったりしません。
空気を読めない外国人と言われますが、彼らはとても優しいのです。
むしろ準備をしてくれた私に感謝の気持ちを持ってくれていて、元気づけようとしてくれ、携帯で音楽を流したり、踊ったりおどけてみせたり、冗談を言って笑わせてくれたり、イギリス人留学生も写真を撮ってくれたりして、私はすっかり楽しい気持ちになっていました。
私達はポテトチップやチョコレート、クッキーなどのお菓子やアイスクリームをいただきながら、アメリカでのバーベキューの事を面白おかしく話して聞かせてくれました。
お肉は、マンモスの足のような骨つきの大きなお肉をじっくりと焼くそうです。
場所も時間もたっぷり使い、大量のお肉を時間をかけてゆっくりいただくそうです。
写真を見て更に驚きましたが、確かにそんなお肉を日本で用意するのは難しい。
そんな事よりも、私達が集まってこの時間を楽しむ事ができる、それを心から喜んで、感謝してくれます。
こうして集まることができる仲間と時間と場所、彼らにとってそれが限りなく幸せな事なのです。そして、その瞬間を最大限に楽しむ、そんな時間を共有しました。
お肉が少なかったことも、きっとアメリカへ帰って笑い話として、家族や仲間に楽しく話すことでしょう。
彼らには、それも楽しかった日本の思い出の一つです。
何でも楽しむ気持ち
外国人といるといつも楽しいのは、間違えた時に失敗したと反省するより、すべてを楽しい事に変えてしまうところ。
この生きる姿勢には本当に勇気づけられ、励まされ、助けられました。
彼らも「失敗した!」と思うことはあるでしょう。しかし、むしろそれを笑い話に変えて楽しんでしまうという精神。
外国人と日本人とでは、人生を楽しんだり、感謝したりする感覚が時に違うことがあります。
私たちは相手に申し訳ないとか、楽しんでほしいとか、相手を思いやるがために、完成することやクオリティに神経質になってしまう場合がありますが、その感覚の幅は外国人と日本人で違う場合があります。
そんな時には悩むより、外国人の「人生を楽しむ感覚」を一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?
私達の世界も2倍に広がります、そして、外国人とのコミュニケーションが2倍楽しいものになると思います。
京都が大好きで光華女子学園へ進学、卒業後、大阪の企業で経理課勤務。仕事が肌に合わず、夢だったイラストレーターを目指して大阪芸術専門学校へ。賃貸住宅ニュース雑誌社へ派遣社員として就職。その後地元へ帰り、地元のフリーペーパーやパチンコ店などのポスター制作するグラフィックデザイナー、ベジタリアン・ヴィーガンのお料理の先生、バンドのドラマー(ジャズ・ロック・軽めのフュージョンなどジャンルを問わず、地元ではセミプロとして活躍する。プロドラマー海野俊介氏に師事)、お琴奏者(趣味で名取まで取得)、演劇が好きで劇団にも少しだけ所属・・・など様々な経験を経て、英検3級しかありませんが、縁あって現在は、某施設で外国人担当のお仕事をしています。