海外のニュースを見ていると、日本ではなかなか出会わない話題を目にすることがあります。
今回は、私たちにも身近な、インターネット広告に関するニュースをご紹介します。
FacebookやInstagram、YouTubeなどを見ていると、さまざまな広告が表示されますよね。
中には、有名人が商品をすすめていたり、テレビのニュース番組のような画面で投資を紹介していたりするものもあります。
でも、もしその広告が偽物だと分かって削除されたら、どうなるのでしょうか。
少なくとも、その広告については問題が解決したと思いますよね。
ところがイギリスでは、広告が削除された後の動きを調べたところ、驚くような実態が明らかになりました。
削除された翌日に、また広告が
イギリスの消費者団体「Which?(ウィッチ)」が、10月15日に興味深い調査結果を発表しました。
Which?は、商品やサービスを調査し、消費者に役立つ情報を提供している団体です。
今回の調査では、問題のある広告を運営会社に通報し、削除された後の状況も確認しました。
その一つが、投資をすすめる広告です。
FacebookやInstagramに掲載されていた広告には、イギリスのテレビ司会者や、BBC、銀行の名前などが使われていました。
広告をクリックすると、BBCのニュース記事に見せかけた偽のページに誘導されます。
そこには、銀行が一般の人には知らせていない技術を利用した投資の話が書かれていました。
さらに、投資を始めるためとして、名前などの個人情報を登録するよう求められたのです。
Which?がこの広告を通報すると、翌日には削除されました。
ところが、話はそこで終わりませんでした。
通報した翌日には、同じ広告主が、BBCを装った別の疑わしい広告を掲載していたのです。
新しい広告もその後削除されましたが、Which?が記事を公開した時点では、広告主のアカウントは残っていました。
問題のある広告が削除されても、それを出していた広告主は活動を続けていたのです。
別の名前でも、同じ広告が
同じようなことは、投資広告だけではありませんでした。
別の事例では、AIで作られた偽の動画を使って、女性向けのクリームを宣伝していました。
その広告が規約違反で停止された後、今度はよく似た名前の別アカウントが登場しました。
しかも、同じロゴを使い、同じ販売サイトに誘導する広告を出していたそうです。
また、YouTubeでも、医学的な効果をうたうダイエット用パッチの広告が削除された後、同じ広告主が疑わしい広告を出し続けていた事例がありました。
一つの広告が削除されても、同じ広告主や関連が疑われる別のアカウントから、似たような広告が再び出てくる。
今回の調査では、そんな実態が確認されたのです。
広告を消しても、広告主は残る?
では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
実は、問題のある広告を削除することと、広告を出している人物や組織の活動を止めることは、別の対応だからです。
広告が削除されても、広告主のアカウントが残っていれば、新しい広告を掲載できる場合があります。
さらに、アカウントが停止されても、別のアカウントから似た広告が出されるケースもあります。
今回の調査が明らかにしたのは、こうした問題が単なる可能性ではなく、実際に起きていたということです。
イギリスでは、詐欺広告への対策を強化するため、新しい規則の準備が進められています。
規則案では、詐欺広告を出す広告主のアカウントを停止し、新しいアカウントを作って戻ってくることも防ぐよう、広告を掲載する企業に求める方針です。
ただし、この規則はまだ正式に施行されておらず、導入は2027年後半になる見込みです。
今回の調査について、FacebookやInstagramを運営するMetaは、指摘された内容を調査していると回答しました。
一方、YouTubeを運営するGoogleは、該当する広告主のアカウントを停止したと説明しています。
広告を掲載する企業側も対策を進めていますが、問題が完全になくなったわけではないようです。
私たちも気をつけたいこと
このニュースは、決してイギリスだけの話ではありません。
日本でも、有名人の名前や写真を勝手に使った偽の投資広告が問題になっています。
では、私たちは何に気をつければよいのでしょうか。
Which?は、詐欺広告を見分けるポイントとして、次のようなものを挙げています。
- あまりにも条件が良すぎる話
- すぐに申し込むよう急がせる広告
- 有名人が商品や投資をすすめているように見せる広告
- 健康への効果を強くうたう広告
- 個人情報や金融情報の入力を求めるサイト
もちろん、こうした特徴がある広告すべてが詐欺というわけではありません。
ただ、広告に有名人の写真が使われていたり、有名なニュース番組の名前が表示されていたりしても、それだけで信用するのは危険です。
気になる商品やサービスがあったら、広告のリンクからすぐに申し込むのではなく、公式サイトなどを別に調べて確認することも大切です。
広告だから安心、とは限らない
今回のニュースで驚かされるのは、詐欺広告が存在することだけではありません。
問題が見つかって広告が削除されても、同じ広告主が新しい疑わしい広告を掲載していたという点です。
私たちは、普段使っている有名なサービスに表示される広告を、つい信用してしまいがちです。
でも、広告が掲載されていることと、その内容が正しいことは別なのですね。
海外のニュースを知ることで、いつものスマートフォンの画面も、少し違った目で見られるようになるかもしれません。
今回の英語ニュースはこちら
Which?(2026年10月15日)
Dodgy advertisers continue to operate, despite being found guilty of fraud
日本語のニュースだけを見ていると、なかなか出会わない世界の出来事。
そんな「英語がわかると、世界が広がる」ニュースもお届けしていきたいと思います。

