こんにちは
NYのKayoです。
毎年10月も終わりが近づいてくると、ニューヨークの街もすっかり秋深まり、あちこちの軒先にオレンジ色のカボチャが並び始めます。
今ではすっかり賑やかなお祭りとして定着しているハロウィン。
ケルト人によって広まったこの風習と歴史については以前書きましたが、今日は、その歴史の裏に隠れている、ちょっと不気味でありながら笑えてしまう(!)ような、知るとハロウィンの見方が少し変わるかも?的な面白逸話をご紹介しようと思います!
「Trick or treat」は真剣な防衛対策だった(?)
ハロウィンといえば仮装した子どもたちがお菓子を集めて回る姿が微笑ましいですが、もともとはかなり真剣な魔除け対策でした。
古代ケルトでは、この夜にあの世とこの世の境目が消えて、悪霊たちが街にあふれ出すと信じられていたのです。
人間だとバレて連れていかれないよう、自分たちも化け物の姿をして「仲間の悪霊ですよん」と目を欺いたのが仮装の始まりなのだとか。
お菓子を渡すのも、やってきた悪霊をなだめて家を守るための、現実的な対策だったというから面白いですよね。
天国からも地獄からも断られた男「Jack-o’-lantern / ジャック・オー・ランタン」
カボチャのランタンの由来になった「ジャック」という男性の伝説も、なかなか味わい深いものがあります。
悪知恵の働くジャックは生前、悪魔をだまして「俺が死んでも地獄には落とさない」という約束を取り付けました。
ところが、いざ寿命を迎えてみると、普段の素行が悪すぎて天国からはお断り。悪魔も約束通り地獄に入れてくれず、結局どちらからも行き場を失ってしまったのです。
困ったジャックは地獄の火種をくり抜いたカブに入れ、闇を永遠に彷徨い歩くことになりました。
のちにアメリカへ渡った際、カブより手に入りやすかったカボチャに姿を変えたというのも、どこかアメリカらしくて、笑えます。
ロマンチックを通り越して少し怪しい恋占い
恐ろしい悪霊対策の一方で、当時の若者たちはハロウィンの夜にロマンチックな恋占いに胸を躍らせていました。
途切れずに剥いたリンゴの皮を肩の後ろへ投げ、落ちた形から未来の結婚相手のイニシャルを占うとか、水を入れた大きなたらいにリンゴを浮かべ手を使わずに口だけでくわえて取る伝統的なゲームでは、勝者が最初に結婚できるなど、可愛らしい風習や言い伝えがあったそうです。
ただ中には、真夜中に部屋の明かりを消し、鏡の前でリンゴを食べながら髪を梳かすと未来の旦那さんの姿が映り込む…なんていう、今思うと少し怪談めいた儀式も、大真面目に信じられていたのだとか。
昔の若者もなかなか人生を楽しんでいたようです。
ハロウィンの街に宿る、小さな魔法
他にも、服を裏返しに着て後ろ歩きをすると魔女に会える、といった噂など、ハロウィンの夜には不思議な魔法が満ちていました。
中でも私が気に入ったお話は、この夜に、おうちの中で小さなクモを見かけても、決して殺してはいけないのですって。
それは、亡くなった大切な家族や愛する人の魂が、あなたをそっと見守るために訪れた姿かもしれないから…なのだとか。
賑やかに騒ぐのも楽しいけれど、こんなちょっぴり不気味だったり面白い伝承に思いを馳せながら、秋の夜長を過ごしてみるのはいかがでしょう〜?
それではまた次回♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。






