外に出ると灼熱地獄のような暑さのこの夏。
さらにコロナ禍ということもあり,
家の中で過ごす時間が多くなっている人も多いと思います。
映画を観たり,料理を作ってみたり…と楽しめる人はいいのですが,
「あ〜,退屈!」
と思っている人は少なくないはず。
この「退屈!」という英語の表現で,久しぶりに
「あら,それはちょっと大きな間違いですよ。」
という英文に出会いました。
その英文とは…
−「退屈!」は…−
先日出会ったその英文とは,
“I’m boring!”
というもの。
基本的に,
“boring”=「退屈な」という形容詞で学習してきた私たち日本人は,
「私は退屈しています。」
という文を英文にした場合, “I’m boring.”としてしまいがち。
私は少々の間違いはNP(No problem.)と思っているのですが,
この表現に関しては,ちょっと知っておいてほしいな,と思っています。
というのも,この文章を日本語に訳してみると
「私って退屈な人間!」
ってことになっちゃうんです。
本当なら,
「あ〜,何もすることがないなぁ。退屈だなぁ。」
と言ったつもりなのに
「あ〜,何もすることがないなぁ。私ってつまんない人だなぁ。」
となってしまうのです。
この場合,正しい表現は
“I’m bored.”(私は退屈しています=つまんないなぁ。)
となります。
−もともとの意味を知ろう−
もともと, “bore”という動詞が原形になるのですが,これは
「〜を退屈させる」という意味。
「退屈している」だから,進行形の “ing”をつけて “boring”にしたくなりますよね。
でも,ちょっと考えてみてください!
そもそもの意味は,「〜を退屈させる」です。
となると,進行形にしたら
「〜を退屈させているところです。」になりますよね。
つまり, “I’m boring.”は,「私は(誰かを)退屈させています。」となってしまい,
「私は(人を退屈にさせる)つまらない人です。」
という意味になるのです。
ちょっと文法的な説明になりますが,
ここは, 「“bored”(受動態の形)=退屈にさせられる」を使って
“I’m bored.”
(私は退屈にさせられています。=私は退屈しています。)
のように表現するのです。
“bored”は,
「主語」( “I’m bored.”で言えば[私]が周囲の環境から影響されるイメージです。
対して“boring”は,
“It’s boring.” (それ,つまんない。)
“The class was boring.” (その授業は退屈だった。)
“This game is boring. Let’s play that one!” (このゲームつまんない。あれをしようよ!)
のように,基本的に事柄や物を主語として使います。
なので, “boring”は,
「主語」(上で言う[それ][その授業][このゲーム]から放たれるイメージです。
もちろん人にも使えますよ。
“My father is boring.” (父はつまんない人だ。)
のように…。
でも,超失礼ですのでお気をつけを。
−間違えやすい “exciting”−
“boring” と同じくらい間違えやすいのが
“exciting”=エキサイティング
もうカタカナ語にもなっているので,意味の説明はいまさらですが,
そう,「ワクワクする」とか「興奮する」ですよね。
それでは英作文タイム!(笑)
「私はワクワクしています。」と言ってみましょう。
ヒントは2つ,
1.原形は “excite”です。
2.これも, “boring”と全く同じ考え方です。
正解は,
“I’m excited.”
“excite”は,(〜を興奮させる,ワクワクさせる,楽しませる)という動詞。
なので,
「私はワクワクさせられています。」=「私はワクワクしています。」
となりますので,
主語である「私」が外部から影響されている感情なので,
“I’m excited.” なんですね。
もしかして,“I’m exciting.”ってしちゃった方,いらっしゃいます?
それでは
「私は(誰かを)興奮させている人です。」って感じになります。
それはそれで,ちょっとある意味魅力的と感じる人もいるかもしれませんが(笑),
自分で言っちゃあねぇ…💦
“exciting”も,「主語」がその感じを放つイメージ。
“It’s exciting.” (それはワクワクするね。)
“The class was exciting.”(その授業は楽しかった。)
“This game is exciting.”(このゲームは楽しい。)
[それ][その授業][このゲーム]から
「ワクワク」が放たれているので,“exciting”なのです。
私が小学生の頃ハマっていたアニメの主人公も,
「オラ,わくわくすっぞ!」と言っています。
これも英語にすると,
“I’m excited.”ですね。
こう考えたらわかりやすいかも。
That character often says, “I’m excited.”
(そのキャラクターはよく,「オラ,わくわくすっぞ!」と言います。
And the anime is exciting.
(そして,そのアニメは楽しいです。)
こんな感じですw
他にも
“interesting” (面白い,興味深い)
“surprising”(驚くべき)
などありますが,また今度。
それにしても,暑いから出たくないし,
出たらまたマスクだからより暑い!
そんな時は,家で楽しくステイホーム…
って,私,ほとんど仕事してるか寝ております。
あ〜,私って
I’m so boring! (私は超つまらない人だ。)
です。
それではまた来週〜。
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。