【World Life】とは?
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〇〇好きなら冬のパリ

World Lifeな生活
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パリの冬は寒い。
雪が降ったり積もったりすることはあまりないけれど、日は短いし底冷えする寒さ。歩いていると靴底から冷えてくるのを感じるし、耳は切れそうに痛くなる。

そんな寒い冬でも、パリのカフェ風景は変わらない。外のテラス席でお茶や食事を楽しむ人たちだ。

冬になると外にはパラソル型のヒーターが用意される。それでも寒いに違いない。お客はコートにマフラー、帽子のフルセットで外の席に座っている。そこまでしてもフランスの人たちは外の席が好き。

そんな冬のレストランで、テラス席とは別にレストラン前に「冬だけ」出現するものがあるのです。
それが…

<うわー!美味し寒そう?!>

それが、氷が敷き詰められた大きな台に載せられた殻付きの牡蠣にエビやカニ!市場の魚屋さんのような光景に思わず覗いてしまうほど目を惹くものがある。

そして、その横には同じく魚屋さんのような前掛けをした職人風の人。通りを行きかう人たちに声をかけている。彼は、牡蠣のオープンマイスター(と私は勝手に呼んでいる)。

レストランの中から注文が入ると、氷の上に並んでいる牡蠣を手に取り、手際よく殻を薄いドライバーのようなものでサクッ、サクッと開けていく。

私も殻付きの牡蠣をもらって開けた事があるが、なかなか殻の合わせ目を見つけられないし、開けるのにも結構力がいる。

それなのに、オープンマイスターは迷うことなく合わせ目にドライバーをさっと入れ、クルッと一周させてサクッと殻を開ける。その手際の良さは見事!まさに職人技!

そして、次々に開けられた牡蠣は氷の敷き詰められたお皿の上にずらりと円を描くように並べられ、真ん中にレモンがのって出来上がり。ウェイターさんの肩に乗せられ店内へと運ばれていく。

その様子を見ているだけで、客寄せとは分かっていてもやっぱりお店に入りたくなってしまうのだ。

客寄せ効果は絶大だけれど、牡蠣のオープンマイスターの仕事は過酷だ。夜でもずっと寒い屋外で立ちっぱなし。しかも扱うのは氷の上で冷え冷えの牡蠣。

牡蠣を持つ手には手袋をしているものの、ドライバーを持つ手は素手。凍りはしないかと心配になる。

一度「寒くないの?」と聞いてみた事がある。

「もちろん寒いよ!でも慣れてるからね。」と笑って返ってきた。やっぱり職人だ。尊敬する。

<フランス流 美味しい食べ方>

添乗という仕事で行っているのに不謹慎かもしれないが、私にとって「冬のパリ=牡蠣を食べること」が添乗中の楽しみであり、目標でもあった。が、当然ツアー中の食事にはエスカルゴは出ても生牡蠣はでない。

自由行動の日に行くチャンスはあるが、牡蠣は好き嫌いが分かれるし、万一あたると大変だからお客様を誘って行く訳にはいかない。

残されたのは自由行動日のランチタイムに一人で行くのみ!

午前中のうちにオプショナルツアーの見送り、支店での支払いや仕事などを済ませて、そそくさと調べておいたレストランへと向かう。

そして、注文するのは…

「シーフードプラッター」!

シーフードプラッターは、「アフタヌーンティーセットのシーフード版みたいなもの」というとイメージしやすいかもしれない。

2段になった銀の大きなプレートに生牡蠣、ムール貝、シュリンプカクテルにカニやエビ、バイ貝などシーフードがずらりと並ぶ。シーフード好きにはたまらないプレートなのです!

もちろん値段も高めで、それだけで1人70ユーロ前後。ワインや前菜を付ければ100ユーロ位になる。会社から支給される食事代では昼食と夕食分合わせても全然足りない。それでも自腹で払ってでも食べたいのがシーフードプラッター。

さすがに、昼間に、しかも一人でシーフードプラッターを注文すると、ウェイターさんも周りの人たちも驚いた眼で見るが、それを気にしてはいられない。どうしても食べたいのだ。それ位美味しい。

値段もするけど量もあるので、夜は何も食べないくらいのつもりで行く。一人ゆっくりと2時間ほどかけ、シーフードとワインを堪能する至福の時間。仕事中の自分へのご褒美タイムだ。

さて、日本の牡蠣、特にお店で食べる牡蠣は大ぶりだが、フランスの牡蠣は丸っぽいのもあって小ぶり。味も日本の物はクリーミーだけど、フランスの物はあっさりめ。

なので、最初にフランスの牡蠣を食べてみた時は小さいし味もあっさりしすぎて「ん??フランスの牡蠣って味が薄い?日本の方が美味しいかも…」と思った。

日本と同じようにレモンと塩で食べていたのだが、塩を多めにしてみたりと変えてみたがやっぱり物足りない…。

その時目に入ったのが、プレートと一緒に持って来られたソースセット。岩塩、赤ワインビネガーやマヨネーズの他みじん切りの玉ねぎもある。

「マヨネーズはエビ用だとしても、赤ワインビネガーと玉ねぎは何にかけて食べるんだろう?」

「ビネガーだしレモンの代わりになるかも?」
牡蠣用なのかも分からなかったし、「まずかったら嫌だなぁ」とも思ったが、赤ワインビネガーを試しにかけて食べてみる。

と、「!!!」

「おいし~い!!!」

レモンの酸味はさっぱりし過ぎだったが、ワインビネガーのコクのある酸味はさっぱり味の牡蠣とよく合う!

次はみじん切りの玉ねぎものせてワインビネガーと一緒に食べてみる。

すると、これまたさらに「おいし~い!!!!」

玉ねぎが牡蠣の臭みをほどよく消して、味もアクセントになってよく合う。その後にフランスの辛口白ワインを飲むと…最高に幸せな気分が広がっていく。


フランスの牡蠣には、それに合うフランス流の美味しい食べ方があったのだ!

試してみて良かった。
試さずに終わっていたら、「フランスの牡蠣はガッカリ」となっていたかもしれない。

あの至福の時間を感じる事も、その後牡蠣が冬のパリの楽しみになる事もなかっただろう。


どうなるか分からないけれど、ちょっと新しい事を試してみる。いつもと同じやり方じゃなく、ちょっと今までとは違う方法を試してみる。これって大事な事かもしれません。

ちょっとだけならやってみるハードルも低いし、失敗してもちょっとで済むし。ちょっとだけだけど、もしかしたら大きな変化や知らなかった新しい世界に繋がるチャンスかもしれません。

新しい年の始まりです。

これまでとちょっと違った新しい事、ちょっと違った新しい方法を、ちょっとだけ試してみては?

Happy New Year! 

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