あなたはこの方の名前を知っていますか?
彼はジャヤワルダナ、スリランカ元大統領。
でもこの名を聞いて誰もピンと来ないかも。
現在知る人はほとんどいないからです。
ですが、彼のおかげで、
今の自分がいるとしたら、、、
実は彼は、高度成長期に繋がった日本の戦後復興、
その大元をもたらした人らしいんです。
もしそうなら今の日本人全てが
そのおかげを蒙っているようなすごい方なのかも。
時は日本の敗戦と降服直後。52か国代表が集まり日本の処遇を論じたサンフランシスコ講和会議。日本に寛容な国々だけでなく、厳罰を求める国々もあったそうです。特に(当時の)ソ連は中国を巻き込み日本の分割統治を主張。会議の行方は予断を許さなかったと言います。
そんな時スリランカ(当時セイロン)のジャヤワルダナ大統領(当時外相)が仏典を引き演説。
憎しみは憎しみでは消えないと仏典にある。
恨みを捨てよう。
日本は信頼に足る国。独立国家の地位を認めよう。
スリランカは賠償請求権を放棄する。
我々は仏教徒の国。共に復興に勤しもう
実際の感動は伝わりにくいけれど、これで講和会議の大勢が決まったのは確かそう。日本の独立維持が決定。賠償請求を辞退する国が相次いだそう。ある国の代表は憮然としていたらしいです。
事前に日本に立ち寄り、日本の実情を調査した上での演説だったみたい。だから説得力があったのかも。地元新聞は「国家間の寛容と礼節を思い出させた」と絶賛したそうです。
もし仮にですよ。でも、もし仮にこの演説がなかったらどうだったでしょう。
日本が分割され植民地化してた…..復興は立ち遅れ、ウクライナを引くまでもなく、国民の運命が茨の道と化した…とは十分ありそうなシナリオ。
私の青春やその後の人生、どうなっていたことか。あなただって今の通りではないかも。
国同士の恩義と言えば、トルコのことをあなたも知ってるかも。何百年も前、日本に遭難船を救助されたことを、今でも事あるごとに感謝してくれていますよね。
スリランカでは氏と日本の深い縁を全国民が知っているらしいです。でもジャヤワルダナ元大統領のことをもっと知るべきなのは日本の方ではないでしょうか。
もちろん日本でも、氏の功績は評価されたようです。氏を讃える石碑が日本全国に3つも。しかも碑文は世界的な仏教学者の中村元の手。でも石碑の一つが鎌倉大仏の傍にあると聞いて、私は驚きました。昔大仏を訪れた時、その石碑を見も、知りもしなかったんだって。
スリランカ女性が入管の施設で亡くなるという辛い事件がありました。もし日本がスリランカともっと親密だったら、そもそも起きなかった悲劇だったかも。
今からでも遅くはありません。日本も忘れてしまった恩義に関心を持つべきでは。この記事を読んでくれたあなたもスリランカへの見方が変わったかも。
現スリランカ大使が言うように、「思いやりと友情が国際関係の土台になる」と良いですね。
See you again,
Jiro
追伸:氏が引用した仏典
「実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがない。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である
(英訳)Hatred is never appeased by hatred in this world. By non-hatred alone is hatred appeased. This is a Law Eternal.」(中村元訳 法句教5節)
参考資料:
ジャヤワルダナ元大統領の講和会議演説。駐日スリランカ大使館で70年記念式典
https://www.youtube.com/watch?v=AyB7YGvfWEM
2022年6月14日
「大仏さまと愛の顕彰碑 ジャヤワルダナ元スリランカ大統領と日本」
https://www.amazon.co.jp/dp/4774007706
冒頭の写真はyoutubeより引用
https://www.youtube.com/watch?v=ZncOQfvtVcU
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員