それは、アメリカ人の留学生とイギリス人の留学生の4人と回転すし屋さんに行った時のことです。
「念願のお寿司タイム♪」とワクワクして座ったのですが、、なにやら不穏な空気感…。なんと一緒に来たアメリカ人の留学生と、イギリス人の留学生の2人が全く会話をしない…。
4人で来ているのに、その中の2人が一才会話をしようとしないので、私は空気を調和する方向に、全力を注ぎはじめました^^;
なるべく全員がわかる話題を持ち込もうとして必死な私。何をしても全く変わらない2人。私はハラハラして、もはやお寿司を楽しむどころではありません…。
どういうことかというと、
イギリス人の留学生の彼は、2年間日本の施設で研究するために、海外から留学してくる大学院生たちの1人なのですが、滞在期間が1年はたっぷり残っている時に帰ってしまっていました。
どうして帰るのかと、その時聞いたところ、
外国人留学生:「I miss my family.」
家族が恋しくなったから。とてもシンプルな彼らしい答え。それ以上何も聞けず、そのまま時間が過ぎて彼が帰国する日が訪れ、私はすこし寂しい気持ちを抱えて見送ったのでした。春なのにまだ肌寒い4月終わりの事でした。
#再開の夏
その年の夏、出張で8月の一か月ほどイギリス人留学生が出張で日本へ来る、という知らせが届き、8月は、お祭りや花火と暑気払いの楽しいイベント目白押しのシーズン。
私は久々に出張に来たイギリス人留学生に誘われて、ほかの外国人留学生と3人でイベントに。夕方になり陽が沈んできたころ、「回転すし食べにいかない?」ともう1人の留学生が言って、みんなで一緒に行くことになりました。
#回転すし屋さんで驚きの展開に!
回転すし屋さんに到着すると、カリフォルニアから来たアメリカ人の学生が待っていました。ブルーアイにブロンドヘアー、遠くから見てもすぐわかる程のアメリカ人といった風貌。とても背が高く、きっと190センチぐらいはあったと思われる彼をいつも見上げながら話していて、お店 に行くとレジの人に「あの人バスケの選手?」と必ず聞かれたものです。
彼は仕事を終えてお店で待ってくれていました。私たちを見つけ、鈴が揺れるようにキラキラと明るく笑いながら「Hi~!!」とハイタッチ。
回転すし屋さんの4人のBOX席に案内され、念願のお寿司タイム!
そこからは冒頭のように、アメリカ人留学生が、リタイアしたイギリス人留学生とまったく会話をしない…。
だけど、もう1人の外国人留学生は、さほど気にしていません。その場で広がる会話に夢中。そんな状況を見て私も次第に「あまり気にしなくてもいいのかな」と思うようになっていきました。
彼らの間には、なにやら埋まらない価値観の溝のような物ができていたようです。知らない土地に来ている外国人2人、この食事が終わるまで、この時間から逃げることはできません。
それでもお互いは主張を変えることはなく、限りなく自分の感覚を大切にする事を揺るがせない、価値観の違いをとても大切に持ち続ける。 ある種の崇高な生きる姿勢のようにも感じます。
こうゆう時、私は外国人と日本人の違いをはっきりと感じます。
#二人の溝とは?
後で聞いたところ、リタイアした事に対する双方の価値観の違いがこの溝を生み出したとわかりました。
一方は、リタイアする事に対して
「自分に無理しない、自分を大切にしている。」
など、とても良い決断だと思っているのに対して他方は、
「責任感に欠ける、ホームシックぐらいで帰国なんて信じられない。」
とよろしくない決断だと認識していました。
このように、誰かと価値観が違う事はよくあります。こうゆう場面に直面した時、日本でよく見かけるのが、片方がもう一方に合わせる、違うことを言わない、気づかせない、など。
私もそうですが、価値観が違う事をあえて表現しようとするより、笑顔で楽しい時間を過ごす事を選択したいために、自分の価値観を心の奥にひっこめる、という選択をする人は少なくないと思います。
結局、この2人は一か月にわたる長期の出張期間の間に、お互いに歩み寄り仲を取り戻しました。
#価値観の違いを認め合うこと
外国人と仕事をするときによく話に上がるのが、このような価値観の違いに対しての考え方の違い。
日本人同士で仕事をしていると、価値観が違ってもニヤニヤするだけですが、外国人と仕事をする時、そんなニヤニヤなんかしていられません。
今回の、イギリス人留学生の彼とアメリカ人の彼のように、価値観の違いをお互いに認め合って最終的には仲良くなる。そうしてお互いに歩み寄ることが、以前よりもっと仲良くなれる秘訣なのかもしれませんね。
京都が大好きで光華女子学園へ進学、卒業後、大阪の企業で経理課勤務。仕事が肌に合わず、夢だったイラストレーターを目指して大阪芸術専門学校へ。賃貸住宅ニュース雑誌社へ派遣社員として就職。その後地元へ帰り、地元のフリーペーパーやパチンコ店などのポスター制作するグラフィックデザイナー、ベジタリアン・ヴィーガンのお料理の先生、バンドのドラマー(ジャズ・ロック・軽めのフュージョンなどジャンルを問わず、地元ではセミプロとして活躍する。プロドラマー海野俊介氏に師事)、お琴奏者(趣味で名取まで取得)、演劇が好きで劇団にも少しだけ所属・・・など様々な経験を経て、英検3級しかありませんが、縁あって現在は、某施設で外国人担当のお仕事をしています。