面白い質問をいただきました。
ニューヨークでも、テレビでは「民放」みたいなのがあって、普通に朝起きるとテレビをつけて、お茶の間で家族でニュースを見たり、ワイドショーや、バラエティーを見たりしているんですか?そして、ちょくちょく洗剤とか医薬品とか通販とか、いろんなコマーシャルが入ったりと。
っていうご質問。
確かに、日本ではそんな感じでしたが、アメリカでは違います。アメリカでは、大概「ケーブル・テレビ」というのを、各ファミリー単位で契約していて、すべて有料です。なので鬱陶しいテレビコマーシャルは、全く入りません。コマーシャルがちょくちょく入る、日本で言う民放のような無料の放送チャンネルも、少しあるみたいですが、あいにく縁がないので、私はよく分かりません。
ニューヨークでは、たくさんのケーブルテレビのサービスがあります
DISH, DIRECTV, Spectrum, Astound Broadband powered by RCN, Optimum, and Verizon、などなど。
我が家は、Spectrum(スペクトラム)というのを契約しております。
それぞれ、チャンネル数や番組の内容等でセットでオーダーできたり、自分の好きなチャンネルだけ、例えばニュース、スポーツ、ムービー、コメディー、ドラマチャンネルなど、選んで契約したりします。
言語によっても、チャンネルを選べます。英語だけでなくスペイン語放送、中国語放送、ニューヨークではそれらが3大勢力でしょうか。
でも現在は、もうこのケーブルテレビというシステムは、もうきっと古いスタイルなのだと思います。現在はサブスクですよね。
Netflixとか、Disney+とか。こちらの方が、ケーブルテレビよりも全然安いんです。
日本だと、いまだにNHKの朝ドラを毎日見ている、と言う方が多いと聞きますが、アメリカでは、これはちょっと考えられません。
ニューヨークは特に人種のるつぼと言われていますが、人種の違いというだけでなく、朝、仕事や学校に行く前に、テレビでドラマを見ると言う習慣が、きっと全くないんだと思います。
アメリカの朝ご飯は、食べない人も多いですし、食べても家族の一人ひとりがそれぞれの時間に合わせて、コーヒーだけとか、シリアル&ミルクとか、バナナとか、で済ませるので、きっと日本のように、ちゃんと食卓について家族で朝ごはんを食べる、という習慣自体がないからなのかもしれません。
日本のように、学校や職場などで、人気ドラマの昨晩の盛り上がりや、何かCMでやっていた新製品の話題で話が弾む、と言うような事は、あまりないです。(笑)
それだけアメリカでは、単に日常の話題にしても、多種多様性に富んでいるので、みんなで共通の話題が少ないです。共通の話題は大概、お天気の話です。(笑)
(アメリカでは、景気と政治とスポーツの話は、なるべく不特定多数のときには話題にしない方が良い、と言う暗黙の了解があります。)
道ですれ違い様にちょっと手が触れただけでも、エクスキューズミーと先手を打って謝る、と言うアメリカ人の戦略ですね。
最初にアメリカに来た頃は、4桁もチャンネル数のあるケーブルテレビを見て、めっちゃすごい!と思いました。
例えば、病気になっても、これだけチャンネル数があれば、すごく楽しく毎日を家で送れると思いました。でも、いざパンデミックになってみると、NetflixやYouTubeに夢中になりました。
人間て飽きっぽいのかもしれませんね。今は、この値段の高いケーブルテレビをどうやってやめようか考え中です。このケーブルには、ニューヨークワンと言う、ニューヨーク・ローカルのニュースチャンネルがあって、それとNHK WORLD (NHKが世界を向けて発信している英語バージョン。シーズンに合わせて相撲の試合のハイライト番組などあり)、それらがとても魅力的で、なかなか辞める決心がつきません(笑)
今回は、そんなニューヨークでのテレビ事情をお伝えしました。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。