通訳の水原氏が大谷選手の銀行口座に不正にアクセス。野球賭博の借金24億円返済の為。ショッキングでした。でも動機の報道や論議は、ギャンブル依存症一辺倒みたい。私には違和感が…
それは「通訳」という特殊な立場を良く分かってる?と思うからです。
あなたは「通訳」になりたいとか思ったことあります?思ったことがあってもなくても「通訳」は強い力を持つって聞いたことあります?。私もなかったw。
でも私、通訳の力関係と言うか、人間関係の構造を実感してドキッとした経験があります。それをあなたにお伝えしたかったんです。
私二十代の春、青年の船にその通訳として乗りました。主な仕事は留学生の日常雑事のお手伝い。(青年の船については⇒過去の記事へ)
通訳としての晴れ舞台は一度。スリランカの港で向こうの方がした歓迎の英語スピーチを二百人程の仲間の日本人の為に訳した時。
埠頭の特設ステージの周りにはスリランカ人がざっと2~300人いました。思い出す度に、人数が増えぎみですがw。
冗談はともかく、私が「通訳の強い力、強い立場」を感じたのは通訳の最中でなく、式典終了後。地元の新聞記者が、私に質問してきた時です。
質問の内容ではなく、記者から質問を受けたことで(えッ通訳ってこんなにスゴイ!)とピンと来たんです。
まず式典の間、私は日本人200名の為に「通訳係」としてスピーチを訳しました。私がいなければチンプンカンプンだったかも。私は彼ら用の全情報を、コントロールしてたわけです。
そして式典終了後、質問してきた記者は、スリランカ全体の代表者っぽく見えました。
その方が青年の船の情報を得ようと、私に頼ったのです。そして「ただの通訳係」の私が現地社会用の全情報をコントロールしてるって感じたのです。
(通訳ってすごいなあ!言語の橋渡し役の通訳は、橋の両側の情報コントロールができる…)これがその時私の感じたこと。
知は力なり、というフランシス・ベーコンを引用するまでもなく、情報を持つ人は強いですよね。通信会社とか、マスコミとか、強大な力の持ち主です。
話が広がりかけましたが、水原氏に戻ると、彼は大谷選手にとっても、全世界にとっても、無くてはならない、全情報をコントロールする強大な存在だったとは言えないでしょうか。
今分析すればですが、私は晴れ舞台で優越感というか、全能感みたいなものに触れたと思います。(そうか、皆俺を頼っちゃってるんだね。よしよし)みたいな。
水原氏の場合は大谷選手一人でもスゴイ存在、プラス全世界というスゴイ存在。その両方にとって情報の鍵を握る存在の感覚ってどれほどのものだったでしょう。
この通訳の強大な力を、濫用した…というのが今回の事件の構造図では。
勿論これは水原氏の擁護ではありません。私の言いたいのはこれだけ。
立場が強大になると、構造として良い選択が難しくなり、ひどい選択をしやすくなるということだけです。
何かがしやすいからといって、それをした責任には無関係。犯罪の選択は犯罪者の責任。
例えば夜更けに誰もいない場所で100万円落ちていたとします。こっそり自分の物にしやすいですよね。でもだからといってネコババ責任が減るわけではありません。
固く言えば、つまりは、その人のモラルがしっかりしているかどうか。
偉そうなことは言えませんがw
とにかく、力の悪用・濫用はいけないですよね。
See you next time!
Jiro
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員