フランス パリのシャルル・ド・ゴール空港。
日本から到着し、ここで飛行機を乗り継ぎイタリアへという行程でした。
添乗員として行っていた私は、ツアーメンバーを引き連れ、入国審査を通りターミナルを移動し、手荷物検査場へ。
そこでお客様の1人の手荷物がひっかかり、止められました。
空港内の乗り継ぎで、スーツケースも受け取ってないし、移動しただけなので持ち物は日本出発時と変わりはないはず。
なのになぜひっかかった?お客様に聞いても首を傾げるばかり。
係員にバッグの中を検査され、出てきたのは…
何だと思いますか?
もしかしたら、あなたも飛行機に乗ったらやってしまうかもしれません。
<え?!それはどこから…?>
バッグの中から出てきたもの。
それは…金属製のカトラリー。つまり、ナイフとフォークだったのです。
(何でナイフとフォークがかばんの中から出てくる?)と不思議に思い近づいてよく見てみると…
そこには「AIR FRANCE」の文字。
「!!!」
それで分かりました。最初に乗ったエールフランスの機内食に使われていたカトラリーを持ち帰っていたのです!
その当時、エールフランスのカトラリーはエコノミークラスでも金属製のしっかりとした物が使われていました。AIR FRANCEとロゴも入っていたので記念になると思ったのでしょうか。
「なんかいいナイフとフォークだったから、家で使おうかなぁと…。」ときまりの悪そうなお客様。
「確かにかっこいいナイフとフォークですけど。それは使い捨てじゃないので持って帰れませんよ。」と私。
もちろんそれらは没収。
「エールフランスの人へ返してもらえますか?」と言う私に、係員は頷きながらも苦笑い。
こんな事は後にも先にも1回でしたが、飛行機内の備品は当たり前ですが持って帰らないようにしましょう。イヤホンなどは持ち帰りできる物と、返却が必要な物もあるので、はっきりと分からない時にはCAさんに聞いてから持ち帰るといいでしょう。
<機内であると便利な物BEST5>
さて、ヨーロッパまでの飛行時間は10時間~12時間。結構長い時間です。
私は長時間のフライトの方がゆっくりできるので好きなのですが、飛行機が苦手な人には拷問みたいだと言われる事があります。
狭い機内で12時間。なるべくなら快適に過ごしたいですよね。なので、機内に持ち込むと快適に過ごせる物を紹介します。
飛行機会社によってはアイマスクや靴下、スリッパなどのトラベルグッズをくれる所もありますが、何も提供されない場合もあるので自分で準備しておいた方が無難です。
5位:寒さ対策グッズ
機内は真夏でも冷房がきいて寒い事が多いので、長時間動かず座っているとだんだん冷えていってしまいます。カーディガンやパーカーなど羽織る物を入れておくと便利です。
足元も冷えてくるので、長めのゆったりとした靴下とスリッパがあるといいでしょう。足元も温かく、むくみ防止やエコノミークラス症候群の予防にもなります。
4位:乾燥対策グッズ
現在は機内では全員マスクを着用していると思いますが、マスクの着用が義務付けられなくなっても乾燥対策としてマスクは持っていくと良いです。
飛行機の中は超がつくほど乾燥しています。寒さや乾燥によってのどの調子が悪くなったり、風邪をひいてしまうという事もあるので、マスクをつけて鼻や口を保湿しましょう。
女性の場合、重要なのは「化粧を落とす事!」
私も最初は「面倒くさい」と思って、化粧を落とさずにいました。が、それを続けているうちに肌は乾燥がひどくなりボロボロになってしまいました。
化粧を落とさないままでいると更に肌の乾燥が進んでしまうようです。とはいえ、狭い機内でクレンジング剤を使って化粧を落とすのは難しい物。
なので、拭き取りタイプのクレンジングシートと拭き取り化粧水を持って行くと席に座ったままでも化粧を落とすことができて便利です。
同じ添乗員の中には、機内でパックシートまですると言う人もいましたが、それは周りの人が驚くんじゃないかと心配です。でも、そうしたくなる位、乾燥しているんです。化粧を落としたらたっぷりクリームを塗っておきましょう。
※海外に行く場合、機内持ち込みの手荷物には液体量100mlの制限があるので、化粧水などは旅行用の小さな容器に移しておきましょう。更に、まとめて透明な袋に入れておく必要があります。
3位:睡眠グッズ
長時間のフライトでは眠る事も大切になってきます。
ヨーロッパ線は、ほとんどが朝、日本を出発して、現地到着は同じ日の午後から夕方辺りなので、寝てなくてもすぐに夜が来るのでまだいいのですが、オーストラリアやアメリカ線だとそうはいきません。
オーストラリアへは日本を夜に出発、到着は翌日の早朝。アメリカ線も朝、日本を出ると、時差があるので到着は同じ日の朝。となると、着いてから1日中起きていないといけない事になります。
現地の時間に早く慣れるためにも、飛行機の中でしっかりと寝ておくことは大事です。
寝るのに必要なのは、①アイマスク、②耳栓、③枕
①アイマスク:機内の灯りは食事の後消されますが、それまで結構時間があったり、途中で窓の日よけを開けたりする人や読書灯をつけたりする人もいるのでアイマスクがあると光で起こされる事がありません。
②耳栓:飛行機の飛んでいる音や周りの話し声は、寝る時には結構気になる物です。また、気圧の変化で耳の痛みを感じやすい人は、気圧変動を削減する耳栓もあるのでそれを利用すると一石二鳥です。
③枕:時々大きな枕を担いで飛行機に乗り込む人もいますが、空気を入れるタイプの枕だとかさばらずいいでしょう。寝る時にはどうしても首が安定せずにグラグラと揺れたり、通路側に傾いたりするので寝る時には枕があると寝やすいです。
2位:胃腸薬や整腸剤
機内は気圧が一定に保たれていますが、地上よりも低く標高2,000mと同じくらいの環境と言われています。
水平飛行の時は、あまり強く気圧の変化を感じる事はありませんが、お菓子など持っていると袋がパンパンになっていて空気が膨張しているのが分かります。
そして、それは体の中でも同じことが起こっているそうなのです。体内の空気が膨張して、お腹を圧迫し、その事でお腹が張ったり、腹痛を起こす人もいます。
対策としては、炭酸入りの飲み物を控える、食べ過ぎない。そして、ゆったりとした服装にする事。それでも腹痛が起きた場合のために胃腸薬や整腸剤があると良いでしょう。
※気圧のせいでお酒も酔いが回りやすくなっているので、機内のアルコールが無料だと飲み放題だと思って飲み過ぎる人がいます。後で大変な事になるので気を付けてくださいね。
1位:ロスバゲの準備
ロスバゲって聞いた事ありますか? ロスバゲはロストバゲージ(Lost baggage)。つまり、荷物が到着空港で出で来ず、行方不明になってしまう事です。
日本発の直行便の場合はロスバゲが起こる可能性は低いですが、乗り継ぎの場合はロスバゲを考えておいた方がいいと思います。
ヨーロッパに行く場合は大抵が乗り継ぎ。
乗り継ぎ地で荷物を受け取る事なく、手荷物だけ持って飛行機を移動できるのは楽でいいのですが、その分預けた荷物の乗り継ぎは空港の係員任せになってしまいます。
海外での荷物の取り扱いは、本当に雑。
イタリアの空港で、ターミナルから飛行機に向かうバスに乗っていた時。スーツケースが山積みになったコンテナが電車のように連なって移動しているのがバスの窓から見えました。
(私たちの飛行機に乗せる荷物かなぁ…)と思って見ていると、1つのスーツケースがコンテナから転げ落ちたのです!
が、運転手は全く気付かずそのまま行ってしまい、荷物はぽつんと広い飛行場の中におきざり。
(あ、こうやってロスバゲって起こるんだ)ロスバゲが起こる瞬間を目撃した時。
ロスバゲが頻繁に起こるのかというとそんなに多くはないかもしれません。私が何百回と飛行機に乗ってロスバゲにあったのは1回。ただ、お客様の荷物が出てこなかった事は5,6回、20人以上います。
これを多いと思うか、少ないと思うかはその人次第ですが、私はいつもお客様に「1日、2日分くらいの着替えや常備薬などを手荷物にしておいてください。」と案内していました。
航空会社によって、化粧セットのような物をくれる場合もありますがほとんどは何もくれません。そして、一度ロスバゲになるといつ届くかも分からないのです。
荷物が乗り継ぎ地に残ったままなど場所が分かっていれば、次の日の便にでも乗せてもらって来るのですが、本当に荷物がLost、迷子になっていると大変です。
見つかるまでに数日かかる事もありました。日本人の旅行の場合、数日もたてばまた移動をしている場合もあります。そうすると、荷物が見つかっても、なかなか手元まで届かないのです。
そんな時に、ロスバゲの準備をしていると、気持ち的にも余裕ができるのでパニックにならずに済みます。
乾燥対策で紹介した小分けにした化粧品を手荷物に入れておくのもロスバゲ準備の一つになります。あとは、下着類や薄めの着替えがあれば数日でも洗濯をしながら着まわせます。
個人旅行でロスバゲになった場合は、空港係員に荷物が出てこない事を伝え手続きをしてもらいましょう。その時に、宿泊先とこれからの予定、ここに何泊して、次はどこに行くなどを詳しく伝えておきましょう。ロストバゲージの場合は、ホテルまで荷物を届けてくれます。
ただ、航空会社任せにしていると、いつ届くか分かりません。
航空会社の問い合わせ先は必ず聞いて、できれば1日1回は電話をして「荷物は見つかったか。」「今どこにあるのか。」尋ねましょう。しつこいくらいにする方が早めに手を回してもらえます。
ロスバゲは起こらない事が一番ですが、もしも起こってしまった時の備えをしておくと安心ですね。
これで長時間のフライトでも快適に飛行機の旅を楽しめると思います。
さて、あなたは飛行機に乗ってどこに行きたいですか?
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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