イタリアに行くとしたらどこに行ってみたいですか?
ローマ、ミラノ、ベネチア、フィレンツェ…
イタリアには魅力的で有名な街がたくさんありますよね。
では、シチリアはどうでしょう?
シチリアは長靴の形をしたイタリア本島が蹴った石のように、つま先の上に飛び出している三角形の部分。
これがシチリア島です。ちなみに、シチリアはイタリア語読みで、英語ではsicily。
シチリアと聞くと何を思い浮かべますか?
やっぱり、マ〇〇〇?
<シチリアはマ〇〇〇の島?!>
シチリアに行く前までの私のイメージは…「マフィア」(‘Д’)
映画「ゴッドファーザー」の影響でしょうか?(映画自体は見た事ありませんが…(笑))
最近も30年間逃亡していたマフィアのボスがシチリアで捕まったというニュースも流れていました。
さて真相は如何に?
シチリアで最初に入るのがシチリア最大の街、パレルモ。降り立つ空港の名前は「ファルコーネ・ボルセリーノ国際空港」
実はこの空港名、人の名前から来ているんです。
反マフィア裁判官だったジョヴァンニ・ファルコーネ氏とパオロ・ボルセリーノ氏。
2人は、マフィアと戦い、その結果シチリアマフィアに殺害されてしまいました。2人の功績を称え空港の名前も改称されたのです。
と言う話を、シチリア島に着くなりガイドさんから聞かされるのです(‘Д’)
どんな所?!
ツアーメンバーみんな「シーン…」となります(笑)私も「大丈夫かなぁ?危険な所じゃないの?」と不安がよぎりました。
が、ガイドさんによるとマフィアの人たちは、一般人には手を出す事はまずないし、観光客が遭遇する事もないだろうとの事。それで一安心。ただ、地元ではまだまだ根深い問題なんだとか。
マフィアの話はそれ位にしておき、私がお伝えしたいのはシチリアの魅力。
シチリア島の大きさは四国より大きく、九州よりは小さい位の大きさ。なので、シチリア島の旅と言っても結構広いのです。
行く場合は、他のイタリアの都市と一緒に回らずに、シチリア島だけで回る事をお勧めします。
それでも十分に満足できる位、見どころのある島です。それに、日本から行く場合はローマなどの大都市経由になるため、ちょっと最後にローマ観光をして帰るなどはできるでしょう。
地中海の十字路に位置し、交通の要所となるシチリア島は、多くの民族が欲しがり、古くは、ギリシャ、カルタゴ、ローマに、中世はアラブやノルマン人に支配されるなど常に戦いの場となった場所です。
その事が、現在では色々な時代の様々な国の文化が織り交ざった独特の文化を生みだしているのです。
つまり、シチリアを旅すればギリシャからフランスやスペイン、そしてアフリカのアラブまでの文化や建築物が見れるという事。ヨーロッパ旅行をしているような物です。お得ですね~
州都のパレルモの街は一言で言うなら「豪華絢爛」。
大聖堂や宮殿、ゴッドファーザーの映画にも出てきたマッシモ劇場など、中世に建てられた豪華で大きな造りの建物が並びます。
アラブ、ノルマン、ビザンティンと3つの文化が混合しているのも特徴であり、イタリアではここでしか見られない物。
その中でも、ノルマンニ宮殿の中にあるパラティーナ礼拝堂は、内部は眩いばかりの金をベースにしたモザイク画!柱は大理石で天井までもビッシリと細かく絵が施されています。
壁や床は、アラブの幾何学模様のモザイクも見られ、ヨーロッパの文化とアラブ文化が見事に融合しているのが分かります。
<ここはギリシャ?>
パレルモから山の方に入ると、今度は「遺跡の宝庫」。
シチリア島の真ん中に位置するピアッツァ・アルメリーナは、古代ローマ時代の遺跡が残る場所。当時の貴族の別荘「カサーレの別荘」があります。
ただここは外の建物は残っておらず外観は大きなガラス張りの温室みたい。なんですが、中に入ると床のモザイク画が素晴らしいのです。
パラティーナ礼拝堂のような金きらな派手さはないですが、床一面に広がる細かなモザイク画は本当に見事。
ローマ神話をモチーフにしたものから、狩猟の様子、水遊びをする人たちなどローマ時代の人々の生活が伺えて楽しく、じっくり見入ってしまいます。
ピアッツァ・アルメリーナからさらに南下すると、紀元前6世紀にギリシャの植民地として築かれたアグリジェントの街があります。
ギリシャ神殿がいくつも残っている「神殿の谷」があり、荒涼とした岩山にそびえる神殿の姿はギリシャ アテネでみたパルテノン神殿と形は一緒。まるでギリシャ!
2000年以上も前の物が外なのにまだ残って、建っているなんて!しかも、それが石に装飾を施された立派な神殿。日本が縄文時代だった頃と考えると驚きです。
遺跡の観光には想像力が必要。なぜなら、柱だけや土台だけという所も多いから。
絢爛豪華な教会やお城を見た後だとなおさら、ただの巨大な石の柱が並んでるとしか見えないところもあります。
私も最初は「遺跡の観光は石ばっかりでつまらない」と思っていたのですが、当時の様子が分かる絵などを見ると、その当時の姿やどのように使われていたのかが想像できて面白くなりました。
夜には神殿がライトアップされ、夜空に浮かび上がる幻想的な神殿を見る事もできます。
<絶品!シチリアグルメ!>
シチリア島の最後は海沿いの高級リゾート地、タオルミーナ。
ジャン・レノ主演の映画「グラン・ブルー」の舞台にもなった町です。
映画の撮影で使われた海の眺めがいいテラスレストランは観光客にも人気のランチ場所になっています。
映画を見た人は分かるかもしれませんが、タオルミーナは目の前に砂浜が広がるビーチというのではなく、絶壁の山の上にある町なのです。
なので、町からは海の景色が良く見えます。海まではロープウェイやバスを使って降りていきます。いつも仕事で行っていたので泳いだ事はないのですが、紺碧の透き通った海は本当に気持ちよさそうでした。
タオルミーナでのお楽しみはシーフード♪海沿いだけあって新鮮な海の幸がいただけます。しかも、タコのカルパッチョやウニのパスタなど、ヨーロッパではあまり見ない食材、そして日本人が大好きな物が使われているのです!
ウニは、日本の物に比べると少し味は薄い気はしますが、海外でウニが食べられる所はなかなかないので、それだけで嬉しくなります。タコは生で薄く切られていて透き通るようなタコは新鮮そのもの。
そこにシチリア産の美味しい白ワインを合わせるとこの上ない幸せに包まれます。シチリアは、イタリアの中でもワインの名産地。その歴史は古く、古代ギリシャ人がシチリア島にワイン造りを根付かせ、それがヨーロッパ全土へと広がっていったと言われています。いわば、ヨーロッパワインの母みたいな所なんです。
値段も日本で買うのに比べると安いので、たくさん飲めますし、お土産にもお勧めです
その他、シチリアでのお土産で私のお勧めは陶器。
レモンや太陽、そしてシチリアのシンボルマーク「トリナクリア」の柄をよく見かけます。トリナクリアは、顔から3本足が映えた女性でインパクト大!
顔はギリシャ神話のメドゥーサと言われていますが、頭は蛇ではなく麦の穂が編み込まれていて優しい感じ。メドゥーサがシチリアの肥沃な大地を司る大地母神と言われています。折り曲げられた足は、シチリア島の3つの岬を表し、全体の形はシチリア島を表しているとか。
何とも言えない不思議なデザイン。最初は気持ち悪いと思っていても、とにかくどこに行ってもこの模様や柄を見るので、だんだん慣れてきて最後には「お土産にいいかも」となるのです(笑)
爽やかな青や黄色の色が地中海らしいシチリアの陶器。お皿など大きな物もありますが、ワインのコルク栓や小さな小皿などはお土産にもかわいくて良いですよ。
今回は、イタリアの中でもちょっとマニアックなシチリア島をご紹介しました。初めての海外では少しハードルが高い場所かもしれませんが、普通の観光地には飽きた方や歴史が好きな方にはお勧めのスポットです。
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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