こんにちは
ニューヨークのKayoです。
何回かお届けしている、英語の諺(ことわざ)シリーズ。
ひとまずの最後はたっぷり6つ。英語を聞いて、これ日本語の諺だったら何に当たるかな、って考えてみてくださいね。直訳?っていうくらい全く同じものもあったり、そうでないものも様々ですが、ホント似た様なことわざってあるんだなあ、っと妙に感心します。
Sweep it under the rug
本日ひとつ目
Sweep it under the rug / スイープ・イット・アンダー・ザ・ラグ
(絨毯の下にゴミを掃き入れる、とりあえず隠す)
これは、問題の根本解決ではなく「見えないように蓋をする、臭いものは埋めてしまえ」という社会風刺的なことわざですね。なんだか、あちこちでよく見られそうな感じです。
日本語で言うところの、
「くさいものにふた」
この英語の表現はまさに「くさいものにふた」と同じ感覚ですね。表面だけ綺麗にして、問題を放置する姿勢を言い表してます。社会、政治、家庭、職場など、あらゆる場面で使われる便利な表現で、私も聞いたことがあります。
本当は、この多くの問題を、ちゃんと根本から解決できたらいいんですけどね。なかなか複雑な事情が絡み合っていて、小説のようには簡単にいかない。現実って大変ですよね。
Spare the rod, spoil the child
Spare the rod, spoil the child / スペア・ザ・ロッド・スポイル・ザ・チャイルド
(ムチを惜しめば子どもがダメになる)
この古風なことわざは、現代ではもう廃れていくのかもしれません。子供にムチを使うなど、この21世紀では逮捕されてしまいますものね。教育論争の的にもなりますが、「ある程度の厳しさがなければ子どもはだめになる」という昔ながらの考え方、諺ですから、ここではオッケーということで。
日本語では、
「かわいい子には旅をさせろ」
子どもを甘やかすのではなく、自立と成長のための試練を与えよ、という教育的な教訓ですね。また、こちらも似たような感じで、
「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす」
似た感じの格言ですが、なんとこれ、実はライオンの習性でも何でもなく、出典も明らかになっていない、寓話のようなものらしいです。(驚)
In for a penny, in for a pound
In for a penny, in for a pound / イン・フォー・ア・ペニー・イン・フォー・ア・パウンド
(1ペニー賭けたなら1ポンド賭ける覚悟で)
「一度やり始めたなら、それが悪事だとしても、いっそ徹底的に」
これは、日本語だと皮肉っぽいですが、
「毒を喰らわば皿まで」
といったところでしょうか。
必ずしも悪事に限らないけれど、「もう決めた以上は、引き返さずぐいっと進め」という感じでしょうか。ちょっとしたことが大ごとになっても、もう流れに乗って突き進むぞ、という姿勢が、「皿まで」感に通じますね。
What doesn’t kill you makes you stronger.
What doesn’t kill you makes you stronger. / ホワット・ダズント・キル・ユー・メイクス・ユー・ストロンガー
(あなたを殺さないものは、あなたを強くする)
んー、訳しても、ぱっと意味通じないですよね…
でもアメリカではすごくポピュラーな言い回しです。あなたを殺さないもの=ものすごい試練、と考えてみるのはどうでしょうか?
「苦労は人を成長させる」そんな感じです。
You can’t cover the sun with your thumb
You can’t cover the sun with your thumb / ユー・キャント・カバー・ザ・サン
ウィズ・ユア・サム
(親指で太陽を隠せると思うな)
これは、ラテン系の文化(スペイン語やポルトガル語)でよく使われる表現だそうで、「あまりにも大きなことを、小手先の手段で隠そうとするのは無理」という意味だそうです。
これは、「頭隠して尻隠さず」に近いですよね。
この日本語の諺、とっても可愛くて私大好きな諺なんですが、いつも、ひよこを思い出します。ひよこが、頭だけ、いつも隠れようとするんですが、からだ全部が人間には見えてる、って言うそういう絵面です。また、ひよこのお尻って可愛いし…
How you do anything is how you do everything.
How you do anything is how you do everything. / ハウ・ユウ・ドゥ・エニイシング・イズ・ハウ・ユウ・ドゥ・エブリシング
(小さな行動の中にその人の本質が現れる)
これは特にアメリカで人気のある格言で、自己啓発的とも言いましょうか。
日本語でピッタリくると思われるのが、
「一事が万事」
こちらは、「物事の全体像を知るのに、一つの小さな例で十分」という考えですね。言い得て妙というか、まず仕事の最初のミーティングに、遅れて駆けつけてくるとか、ボサボサの頭で来るとか、汚れたズック靴で来るとか、もうそこから、頼む前から仕事の内容が見えてしまうような気がします。でも、私も若い頃は、そんなこと気がつきもしませんでした(笑)。
ことわざとか格言て、ほんとに面白くて大好きです。それを普段の会話の中で、外国語でも言えたら素敵だな!と思います。これからも時間を見つけては、勉強していきたいと思っています。
また面白そうなのがあったらお伝えしますね。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。