2021年も残すところ,明日1日となりました。
皆様,いかがお過ごしでしょうか。
先週の「『英語脳』にする簡単な方法」で最後に出したこちらのクイズ。
「どうしても「山口」にしか見えない」,という方や,
「ここのサイト名に見えます!」というご意見もいただきました。
皆様はいかがでしたでしょうか。
さて,その答えは,
“WORLD LIFE”
そう,このサイト名でした💦
どうしても日本語で読んでしまいますよね。
私も気合を入れて読まないと,「山口ヤレワレエチモ」に見えちゃいます(笑)
私たち,英語を第一言語としない者にとっては,慣れないうちはどうしても日本語で考えたり読んだりしてしまいがち。
英語を日本語に変換(訳)したり,そのまた逆に日本語をそのまま英語に訳したりしてしまうこともあります。
でもそのまま訳すときには,ある程度の知識や情報も必要。
日本語の感覚でそのまま英語にすると,「ちょっと違う」ということも度々あるのです。
例えば,「焼く」という言葉。
これからお正月で,お餅を焼いて食べる方も多いでしょう。
そのお餅を「焼く」って,みなさんは英語で言えますか?
―料理の仕方で違う「焼く」―
「肉を焼く」
「魚を焼く」
「ハンバーグを焼く」
など,日本語では一通り「焼く料理」には「焼く」という言葉で通じてしまいます。
でも英語では,いろいろとあります。
grill(グリル)
bake(ベイク)
broil(ブロイル)
fry (fry up)(フライアップ)
roast(ロースト)などなど。
ある程度聞いたことがある言葉も多いのではないでしょうか。
では,何が違うのでしょうか。
それは「調理法」。
実は,同じ「焼く」を表すにもどうやって「焼く」のかによって違うのです。
―fry, bake, grill, broil…―
「焼く」というと最もイメージしやすいのが「フライパンで焼く」ことかと思います。
この場合は, “fry”を使います。
「 え?“fry”って油で揚げることじゃないの?」
と思う方もいますよね。
確かに,fried chicken(フライドチキン),fried fish(フライドフィッシュ)は油で揚げてあります。
でも基本的に, “fry”は,「少量の油で焼く・炒める」なのです。
ほら,炒飯のことを “fried-rice”,焼きそばのことを “fried-noodles”と言うじゃないですか。
さらに「フライパン」だって,天ぷら鍋のような「揚げ物専門の鍋」とは違います。
やはり「焼く・炒める」ための「鍋」なので
“フライパン=a frying pan”
なんですね。
ちなみに油で揚げるのは,多量の油で深く揚げるということで “deep-fry”と言います。
アメリカでは,フライパンで焼く・炒めることを “fry up”とも言ったりしますが,イギリスで “fry up”というと “full English breakfast”という,目玉焼き,ソーセージ,ベーコン,ハッシュドブラウンなど揚げ物を多く使ったイギリスの伝統的な朝食の意味になるんですって。
面白いですね。
次に “bake”。
パンやケーキ,お菓子などを焼く場合は,この “bake”を使います。
パン屋さんが “bakery”(ベーカリー)というのもそうですね。
“baked potato”(ベイクトポテト)などもあるので,基本的には「直火ではなく,オーブンの熱気で焼く」ことを “bake”というのですね。
そして “grill” と “broil”。
「グリル」と言うと日本人にはとっても馴染みがあるかもしれませんね。
そう,ガスレンジに付いている魚焼き用のグリル。
なのですが,アメリカとイギリスではちょっと使われ方が違うようです。
“grill”は基本的に,焼き網に置いて焼くイメージ。
そう,BBQなどで下からの直火で焼く感じなのですが,これはアメリカで主に使われます。
また,上からの直火で焼く場合は, “broil”といいます。
イギリスでは, “grill”というとアメリカ式(下からの火のみ)も “grill”なのですが,上からの火で焼く場合も “grill”なのだそう。
日本のガスレンジにあるグリルも上からの火が多いかと思いますが,これはイメージとしてイギリス英語から来ているのかもしれませんね。
最後に “roast”。
ローストビーフのイメージもある “roast”ですが,これは
「肉やじゃがいもなどをじっくりと時間をかけて火を通す」ということ。
“grill”とちょっと似ていますが, “grill”は短時間で焦げ目がつくくらい焼く,というイメージです。
いやぁ,「焼く」という言葉にもいろいろとありますね。
「そんなの覚えられない!」
という方。
ご安心を。
上記で紹介した言葉は,その調理法も含めた意味。
でも,調理法までは行かないけど「焼く」「調理する」を一言で言える言葉があるのです。
それは皆様,よくご存知の
“cook”
日本では,「料理する」という意味で覚えていらっしゃる方も多いと思います。
それは間違いではありませんが,
英語の “cook”は
「火や熱を通して調理する」
場合にのみ使われます。
ですので,例えば「酢の物」を作る場合には “cook”は使わず, “make”や “fix”を使います。
そのことからも, 「“cook”=火や熱を加えて調理すること」で,
I cooked a fish for dinner yesterday.
(昨日,夕食に魚を料理しました=焼いた・煮た)
と代用して言うことができます。
でもやっぱり,「どうやって料理したのか」も伝えたいですよね。
その場合は,上の調理法別の表現を使いましょう。
さあ,明日は大晦日。
これからお正月料理の準備だ,という人も多いでしょう。
昔ながらの風習で,お餅をついたご家庭もあるかと思います。
「お餅を1つ焼く」は,網焼きなどする場合は,”I grill a rice cake.”となりますが,
これも調理法によって違うということはおわかりいただけたかと思います。
さあ,お正月は
「今日はお餅を “grill”しよう!」
「私は “fry up”する!」
「いや “broil”するぜ。」
「トースターでtoastするのが簡単でしょ。」※トースターで焼く場合は, “toast”でOK!
そんなことを言いながら食べてみるのもいいかもしれませんよ。
え,そんな面倒くさいことしないって?
まあ,普通そうですよね。
でもまあ英語の知識を増やすってことで!(笑)
ところで皆さんは,丸餅?それとも四角い餅?
東京ってあまり丸餅売ってなくて,探し回っている今日この頃です。
とうことで,2022年が,皆様にとってより良い年となりますように心より願っておりまーす。
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。