突然ですが、あなたは見知らぬ伝言が携帯に入っていたらどうしますか?ちょっと用心しないでしょうか。
ある日私の携帯に入っていた得体の知れぬ留守電、声の上がり下がりも何だか不自然。
「…ただ今岸田文雄内閣の支持率や政府の新型コロナウィルス対策などについて18歳以上の皆様からご意見をお伺いする全国一斉世論調査を行っております..ご協力いただける方は1番…を押してください。それではどうぞ….」
落ち着いて聞けばNHKの世論調査。内閣の支持率や政策に関するもののよう。安心はしましたが、あいにく超忙しい時。空いた時間が見つけられないまま数日がたってしまいました。
ようやく出来た空いた時間にもう一度聞こうと留守電を聞き直しましたが、いくらやっても無反応。どうやら、一度時間が経つと2度と聞けないようになっているみたいです。
もう一度聞いてみたかったのですが、もう後の祭り。60年以上続くらしいNHK世論調査。(2092人選ばれたうちの一人だったのか…)と後から分かったりすると余計に惜しい感じ。
そこで気分転換に「世論調査」の語源調べたら、意外なことが分かりつい夢中に…
<世論調査のpoll>
世論調査は英語でpoll。よく見かける単語です。例えば最近の英語記事の見出し。
Poll:Most Japan firms want Suga out of power despite Olympics success.
(世論調査:五輪は成功したが、大部分の日本企業は菅総理の退陣を望む)
Pollの意味は「頭」だそうです。頭と言えばheadとか思い浮かぶかもしれませんが、こんな単語もあるんですね。これが意味を変えて「世論調査」になったようです。ちょっと細かいですが、どんな感じで変わったか見てみましょう
「頭」の意味が「頭数(=人数)」へ。そして「投票・調査の人数」に。そこから「色々な調査」になり、やがて「世論調査」を表すようになった…とまとめられそうです。
poll「頭」⇒「頭数(=人数)」⇒「投票や調査の人数」⇒「各種調査」➾「世論調査」
<カエルの子はfrogではない?>
pollの語源が分かった時、「そう言えば..」と思い出したことが。それは中1で習ったtadpole(タッドポウル/オタマジャクシ)という謎の単語。「カエルの子」なのにfrogと全然別….遠い日の不思議が蘇りました。少しどきどきしながらtadpoleを調査。すると意外な繋がりが分かってきました。
Tadpoleのtadはガマガエルやヒキガエルのこと。ガマガエルとかは、「頭が大きい」って感じですよね。で、poleが「頭」。つまり全体は「(ヒキガエルみたいな)頭でっかち」とオタマジャクシを表したと考えられるんです。
tad (ガマガエル等) + pole (頭) → tadpole(「ガマガエルの頭」→頭でっかち)→ オタマジャクシ
poll(世論調査)とtadpoleでは綴りが少し違いますが、語源は一緒の様。結局カエルが世論調査に結びついてしまいました。
tadpole(「ガマガエルの頭」)→オタマジャクシ→親がカエル
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poll「頭(数)」…⇒「各種調査の人数」…➾「世論調査」
世論調査って、しょせんカエルの鳴き声のよう。国民の意見の割に何だか軽すぎ…こんな風に感じるのって語源に囚われ過ぎでしょうか。
事実世論調査が今の様に政治的影響ほぼ「ゼロ」だと、きつい言い方ですが主権者無視と同じ。どうにかならないものかな~と思ってたら、意外なヒントがアイスランドにあったんです。
<アイスランドが成功?スマホ政治参加>
それは十数年前、アイスランドがやった直接的な政治参加の実験。首都人口の6割近くが加わり、端末7万台ほど使う試みだったようです。
まずバーチャルな場を作り、誰でも端末通して提案と人気投票ができるようにしました。例えば誰かが「公園に照明欲しい」と提案、他の皆は(イイね)を投票するような具合。
そしてポイントは、人気の提案は必ず議会で議論し採決した点…結局可決した提案476、政治的信頼が増加…見事成功と言えそうなんです。
さてこれお手本に、日本の世論調査改めて見て…似た感じで議論を義務付けたらどうかと。例えば政権を支持するかどうか聞いた場合。支持率が10%より落ちれば、必ず国会であれこれ話し合う…良さそうなアイディアだと思うの、本人だけでしょうか。
繰り返しのようですが、主権者の考えが現れる世論調査。リアルな政治とうまく繋がる工夫、何かできるといいですね。
Thank you for your time, and see you again,
Jiro
引用:REUTERS August 20, 2021 at 08:30 JST
https://www.asahi.com/ajw/articles/14421646
アイスランドでの実験など参考資料
Thinking Machines: The Quest for Artificial Intelligence 2017 (p109)
https://www.amazon.co.jp/-/en/Luke-Dormehl/dp/0143130587/ref=sr_1_1? keywords=thinking+
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員