【World Life】とは?
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英語が「怖い」と感じたあの日

World Lifeな生活
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「ちゃんと伝わるかなぁ…」

ここはロンドンの中でも特に賑わいをみせる広場、ピカデリーサーカス。いくつもの大きな通りが合流する地点にあるこの広場は、ロンドンの待ち合わせの定番。

噴水周りの階段は、待ち合わせする人や、テイクアウトした食べ物を頬張る人たちなどでいつも溢れている。

その広場のすぐ横にあるバーガーキング。そこで私は初めてオーダーをする所だった。
初めての海外旅行。初めてのイギリス。初めての英語での注文…。

昼時で大混雑の店内。何列にもなる長い列に並びながら、私は何度も何度も心の中で、呪文のように注文を繰り返し、繰り返し練習していた。

「もし私の英語が聞き取れなかったせいで、後ろの人から何か言われたらどうしよう…。」「もし私のせいで、後ろの人を長時間待たせることになったらどうしよう…。」と、日本人特有の人に迷惑をかけてはいけない精神を発揮。

迫ってくる順番に逃げ出したい気持ちすらしていた。が、既に自分の後ろにはたくさんの人たちが並んでいて、私を前に押し出すように後ろから無言の圧力がかかってくる。

「私の英語、通じるかなぁ…。店員さんの英語、ちゃんと聞き取れるかなぁ…。」

“Next please!” (次の方どうぞ)店員さんの呼ぶ声。
とうとう自分の番!

前に立つ店員さんが、何だかすごく怖い人のように見える。

やっぱり通じない?!

挨拶する余裕も、ましてや笑顔など作れる余裕など全くなく、私は節目がちにさっきまで練習していた注文を言うのが精一杯だった。

やっとの思いで言った注文だったが、店員さんからは「え?もう一度言って」と聞き返される。
今思えば、単に声が小さかっただけだったのかもしれない。

でもその時の私は
「わ~、やっぱり通じないよ~(-“-)。英語こわ~い…」

「すみませんでした」と言って帰りたい…。しかし、後ろは後ろで人が待ち構えている。引き返す訳にはいかない。

日本のように指をさして注文できるメニュー表もカウンターにはない。悲しい気持ちながら、再度挑戦。

今度は店員さんも(この子は英語ができないのかな?)という感じでよく聞いてくれようとする。
そして「これの事?」と聞いてくれたが、それは私が注文したものじゃなかった…。

私:「No…」泣きたい気持ちになりながら、もう一度言ってみる。
店員さんも聞き取ろうと顔を近づけて聞いてくれる。

店員さん:「あ~、〇〇ね!」
私:「Yes…」

やっと通じた…。その時は、通じた喜びよりも、疲労感の方がすごかった。

「ハンバーガーの注文だけでこんなに疲れるなんて…。大変や…。」

あの時、冷や汗をかきながら注文した事は、今となっては私の懐かしいロンドンの思い出。

その後、このバーガーキングには留学中、何度もお世話になる。最初のうちは、やっぱりカウンターの前に行くと舞い上がってしまって、英語が出てこない事もあったが、回数を重ねるうちに口も慣れていった。

そして、たまに聞き返されても凹むことなく「聞こえなかったのね」と流せるようになっていった。

あの時のドキドキ感と恐怖感は今でも鮮明に覚えている。そして、ピカデリーサーカスの広場がテレビに出る度にあの時の事を思い出す…。

ドキドキはワクワク!

ただ、この冷や汗をかくようなドキドキが最初のうちだけで終わるかというと、そうでもない。

旅慣れた今でも、やっぱり初めての事はドキドキする。

初めてのニューヨークで、初めてスタバで注文をした時。バーガーキングでの思い出がよみがえった。ちなみに私は、日本でもスタバの注文にはちょっと緊張してしまう。

初めてのニューヨーク。昼下がりの忙しく狭い店内。

ソファーに座ってゆっくりという感じではなく、背の高いカウンターチェアとテーブルで、ほとんどの人たちはカウンターで立って飲みながら話しをしたり、パソコンで作業をしていた。

店員さんも早口でどんどん注文を受けて流していく。メニューも日本と違う物もあるし、迷っている間に自分の番に。

「わー、まだ決まってないけど…、待ってくれなさそう。」と、結局目についた物を注文。
ホッとしたのも束の間。店員さんが急に名前を聞いてきた。

「え?名前?私の名前? 何で??」となりちょっと困惑。

恐る恐る名前を言った後、彼がカップに名前を書いているのを見てようやく納得。日本のようにメニュー名や番号ではなく、名前で呼び出されるのだ。

知っていれば何でもないことだが、日本とシステムが違ったり、初めての土地、初めての事だとやっぱりドキドキしてしまう。


どんなに旅慣れても、どんなに英語を使いこなせるようになっても、新しい国、新しい地域、新しい事をする限り、きっとこのドキドキが無くなる日はやって来ないのだろう。

だって、日本にいてもお店のシステムが変化していたり、新しい物が導入されたりしていると、やっぱり戸惑うし、ドキドキするのだ。

ドキドキするのは初めての事だから。つまり、ドキドキは新しい事に挑戦した証拠。

大人になってくると、ドキドキする事も減ってくる。それは初めての事が少なくなるから。そして、新しい事に挑戦する事も減ってしまうから。

慣れるのはいい事だけど、新しい事をしない、ドキドキのない人生というのは退屈だと思いませんか?

緊張したり、冷や汗かいたり、ドキドキする事は人生のスパイスみたいな物。後から振り返れば記憶に残る良い思い出になる。

だから私は冷や汗かきながらでも、緊張で顔がこわばっても、ドキドキする新しい事をやってみたい!

ドキドキはワクワク♪ ドキドキ感を楽しもう!

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