先日、YouTubeを見ていたら偶然、カナダ人のユーチューバーが、日本で、日本人女性と結婚しました!って言うYouTubeを挙げていて、興味深く思いました。戸籍があるのは日本特有のことだし、きっと、国によって結婚のしかたにもいろいろあるだろうと。
ちなみに英語で、「結婚する」はget married 、「結婚式を挙げる」はhave a wedding。
そして、結婚に関して、こちらで面白いことを聞きました。
なんと、ニューヨークでは、結婚するのに、「Marriage License / メリッジ・ライセンス」がいるのだそうです。ライセンスがないと、結婚ができないのだと。
これはアメリカ全体がそうで、ちゃんといろいろ書類を揃えて、その結婚しても良いライセンスを市役所とかで取ってから、結婚式となるそうです。アメリカでは、日本のような「戸籍」がないからなのですね。
ラスベガスで面白い記事が。2019年に、有名な映画監督フランシス・コッポラの甥っ子さんの映画スター、ニコラス・ケイジが、日本人女性と、ラスベガスでメリッジ・ライセンスを取ってすぐに、その際酔ってたらしいのですが、そのまま結婚を宣誓しちゃって、でも4日後に無効届を提出、そして2ヶ月後すでに離婚、なんていうゴシップ記事で出ていました。
そんなスピード婚とは全く逆に、アメリカでは、婚約期間がとても長いカップルが多い、というのも不思議です。盛大な婚約パーティーを開いて、皆さんにダイヤモンドの指輪をご披露、でもそこから長いのです、周りには数年経つ人もいます。
そのまま、なぜ結婚式をすぐしないのかと言うと、ここがアメリカの面白いところ。ここアメリカは、人種のるつぼ。宗教も違いますし、それぞれの人々の習慣など、まさに多様性に富んだ場所。日本のような、ホテルのウェディングプランのパッケージ等、お決まりのテンプレートがなく、ワン・パターンの結婚式と言うようなわけには、いかないからなんです。
結婚式をやるためには、花嫁さん自身が、ウェディングプランナーと言うプロフェッショナルの人を雇い、クルーズ・ウェディングにするのか、ホテル・またはレストラン・ウェディングにするのか、ウエディング・バンドは入れるのか、などひとつずつ、全部1から決めていきます。
招待客の人数、招待状のデザイン、紙質、飾花の種類や数、お部屋の飾り付け、セレモニーのプログラムに至るまで、プランナーさんと相談して決めていくのですが、プロですから、お金もけっこうかかります。
一世を風靡した、女性に大人気だったニューヨークの女性たち4人組のテレビドラマシリーズ、SACT(SEX and the City) の劇場映画版(2008年)では、主人公のキャリーが、夢のような結婚式を挙げるのに、ウェディング・プランナーのゲイのお友達に、招待客の人数や、ロケーション、ウェディング・ドレスを始め、一つ一つ相談していたのを思い出します。そして、アメリカでは、女性側の両親が、結婚式の支払いを持つことが多いのだとか。
そういえば、日本では、婚約を口約束で終わらせないための、結納と言う大事なセレモニーがありましたね。最近は、仲人さんと言うもの自体がほぼ存在しなくなったので、ほとんど行われないそうですが、男性側が、これからの結婚への準備金のような感じで、ある程度まとまった金額を女性側に贈ったそうです。もし婚約破棄となると、3倍返し(!)とか言われてたみたい。アメリカにはこれがないから、婚約期間が長くなっちゃうのかしら。
そして、このメリッジ・ライセンス。州によって、有効期限がいろいろあります。1年間有効な州もあれば、ニューヨークのように60日間しか有効でない州もあります。中西部シカゴのイリノイ州のように、メリッジ・ライセンスを取得後、24時間以降でないと結婚できない、と言う州もあるそうです。先にお話したラスベガスとはまるで逆で、しっかり一晩、落ち着いてよく考えてから、ちゃんと結婚してね、と言う感じなのでしょうか(笑)。
さて、まとめますと、このメリッジ・ライセンスが有効な期間に、教会の牧師さん/神父さん/または州の認可を受けた公人のもと、結婚の宣誓をして、この人と、2名のウィットネス(証人)に、メリッジ・ライセンスにサインしてもらう。
これを州のクラーク・オフィスに提出、後日メリッジサティフィケイト(結婚証明書)が郵送される、ということらしいです。
日本だと、結婚届は全国共通で、書類さえちゃんと作ってあれば、365日24時間受付可能って、本当に日本は、至れり尽せり、親切ですねぇ。
ではまた、次回は何の話題にしようかしら。もしリクエストあったら、編集部のほうにお知らせください。ご意向に添えるかどうかは分かりませんが、その線も考えてみますね。
ではまた来週♫
Kayo
P.S.
冒頭のカナダ人のYoutuberさんの動画
https://youtu.be/BVf1BPNGvdY?si=VkSH5aYMK1prtgxe
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。