あなたはBISHというバンドをご存じでしょうか。私が知ったのは去年の大晦日紅白直前。プロデューサーが新「クソアイドル」Brand-new idol SHiTと名付けたという由来が分かりました。
(アイドルなのに「クソ」なんて気の毒に)と同情したくなったんですね。でも実際のBISHは紅白で、パンク系バンドと言うのかシャウトの繰り返し…私にはDISH//の演奏の方がずっと感動的。
演奏より、むしろバンド名の由来、shit(シット)の語源が気になってきました。
どうせ「クソ」…という訳でもないのですが、まあ調べたら意外な事実が判明。例えばshitには立派な語源があり、ちゃんとDNAまである事などなど…
今回はDNAのSKEI(切り分ける)から、shitの他にski, science, conscienceを見てみましょう^^
<クソの意味と発音>
さて最初から行くと、shitのDNAはSKEI (スケイ)「切り分ける」意味。ただshitの場合は実際に切ると言うより、体から「切って」分離する、だから「排泄物」となるらしいんです。
SKと「シュ」の発音を見て「あれっ?」と違和感を感じるなら、観察眼が細かいです。言語学に向いているかも。ただSKとシュの二つは、結構変化しあう音のよう。あっちではああ、こっちではこうということがヨーロッパの言語で起きるようです。Shitの次のskiがその例になります。
SKEI (切り分ける→) 身体から分離 → 排泄物shit
DNA SKEI (スケイ/切り分ける→) 削ぐように薄く「切る」 → ski (スキー、スキーをする)
さてski(スキー)。さっきのskと「シュ」の事に戻ると、英語はDNAの「スケイ」通り「スキー」。同じSkiという綴りのドイツ語は「シー」という発音だそうです。
skiに「切り分ける」DNAがある理由は板のつくり方からかも。材木から削ぐように薄く「切る」、ここから「スキー板」が出て来たのでしょうね。
SKEI (切り分ける→) 削ぐように薄く切る →スキー板、スキーをするski
<「科学」そして「良心」へ>
DNA SKEI (切り分ける) →研究対象を切り分け知識を得る→科学science(サイエンス)
scienceのsciの部分がDNAですが、ここはSKスクが単にスの音になっていますね。
Scienceは細かすぎて全体を見ないという批判がよくあるようです。でもscienceの語源は、細かくどんどん切って細分化していく感じ。だから全体像が見えないという批判も案外言えてるのかも。
SKEI (切り分ける→) 対象を切り分け知識を得る→科学 science(サイエンス/科学)
DNA SKEI (切り分ける→) 物事を切り分け、善悪も全て知る→conscience(コンシャンス/良心)
最後に良心を表すconscience。少し細かくなりますが、con-の部分は「一緒に、全て」と言う意味。
scienceは知識を得る感じですから「一緒に知る」が元の意味。ここは良い事も悪い事も、酸いも甘いも全て知って上で全体を判断というような感じなのかも。
SKEI (切り分ける→) 物事を切り分け、善悪も全て知る→conscience(コンシャンス/良心)
<BISHのshitは実は…>
shitのDNAは「切り分ける」意味で、科学や良心にもつながりました。クソから現代の知識や善悪の世界に飛ぶなんて、飛躍も飛躍大ジャンプですね。
BISHの名前だって公式の見方に囚われる必要もないと思ってるうちに、別の見方が浮かびました。
(名前の「シット」は、他グループから自分達を「切り分ける」決意と覚悟の表れ…)
これって語源に拘り過ぎでしょうか。
いずれにせよ、英語の面白い話題を提供してくれたBISH。今後の活躍を期待しま~す。
See you later!
Jiro
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員