”Don’t you think he is weird?”
「アイツって変だと思わない?」と、米留学中、米大学生から聞かれたことがあります。それも二度。二度とも別人なのですが、(『変な奴』への批判だろうか?アメリカって違いが好きな国のはずでは?)と意外でした。
(weird / ウィアード・・・「すごく変、普通でない」)
それから数十年。最近コロンビア大のIyengar教授のThe Art of Choosing(邦題『選択の科学』)を読み目から鱗が落ちる思いがしたのです。
本の中に「アメリカ人は違い過ぎが嫌い」と。どういうことでしょうか?
書かれていたのはある心理学者たちの調査。
概数に見積もる際の傾向の調査だと言い、被験者にバーッと点を打った画面を見せる。被験者は、画面毎に「50,60、180…」とか適当に答える。
実験の真の意図は、概数の見積もり方が大勢の人と同様か、それとも少数派的かと言われた時の気分の調査。
(『多数派』ですね」とか告げられた時その人はどう感じるか…点の数や答え方等はホントは無関係)
結果は、米人は「多数派」と括られると嫌な気がする。逆に「少数派」に分類されると良い気分。だが「あなたの答え方は特殊過ぎて分類不能」と言われると、イヤな気分になる、というもの。
つまり変わり過ぎは嫌のよう。
結局アメリカ人は人と違っていたいが、それもほどほどな差が良い。超変人にはなりたくないし、他の人でも超変人は受け入れない、ということらしい。
先の「Don’t you think…weird?」は、「Don’t you think he’s too different?」と言い換えられそう。要するに「違い過ぎ」への非難だという気がしてきたんです。
今思えば、半世紀前の片田舎。大学や街全体が少し保守的だったのかも。
何れにしても、今回思ったのは、このお話しの中で20代の経験が見直せたこと。何十年後にまだ新しい意味がみつかり驚きました。こんな意義深い留学、すぐに復活すると良いですね。
追記:
最近はどうだろう?と思い、廣津留すみれさんの米大学留学記を読みました。彼女は羽鳥モーニングショーの金曜ゲスト。授業中とにかく人と違うことを言おうとした、とありました。正直これも少し適応し過ぎでは?
<英語版>
知ってる内容を英語ルートで理解。洋画で字幕を読んで英語を聞くように。
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◯The Art of Choosing by Sheena Iyengar
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◯選択の科学 単行本
シーナ・アイエンガー (著), 櫻井 祐子 (翻訳)
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員