今年元旦に早起きしたら、事務所の二階から見える日の出、朝日のゴージャスさに感激しました。今年は少しでも多く、この日の出を見たいと思った途端、「日の出」の語源が気になりだしたんです。
眩しいほどの朝日の中で調べだすと想定外のコトが…
今回は DNA ER 繋がりで、earnest, origin, rise, raise等の語源を見ていきましょう。
earnest / アーネスト(熱意ある)
やはり行動へ動く/動かすのは熱意なんでしょうね。ただDNA ERから綴りは変化しています。ちなみにアメリカの作家ヘミングウェイの個人名Ernest / アーネストも同語源です。これひと昔前には人気の男の子の名前の一つだったようです。
DNA ER / エル 動く、動かす ⇒ 動きの熱意 ⇒ earnest アーネスト/熱意ある
origin(源、源泉)
originではERの「動く」感じが「生まれ出る」に結びついたのかも。 この語も綴り、発音は変化していますが、-ginは以前のDNA GEN(生む)です。だから後半も発生する。まるで「生む生む」ですw。
形容詞は、original / オリジナル(独創的な、元々の)
Darwin wrote the Origin of Species.
(ダーウィンは種の起源を書いた。)
DNA ER / エル 動く、動かす ⇒ 発生する ⇒ origin 源、源泉
Orient /オリエント(東洋) orientation / オリエンテーション(説明・案内)
Orientは、直接的にはラテン語から「上がりつつある・上昇中」という意味。日が上る東の方角から「東洋」という意味になったのでしょう。
orientation「オリエンテーション」はOrientから意味が発展したようです。つまり少しマニアックになりますが「(東から)上る」から ⇒方位・方角⇒新しい事態や状況への備え・準備⇒説明・案内…と意味が変わったようです。
school orientation
(学校説明会)
DNA ER / エル 動く、動かす ⇒日が昇る ⇒ Orient オリエント/東洋 orientation オリエンテーション/説明・案内
rise / ライズ(上がる) raise / レイズ(~を上げる)
あなたは学生時代に習ったrise とraiseの違いをまだ覚えてますか?
発音と綴りは変化しましたが、rise, raise 同じDNAのERから出来た英単語です。
でもDNAは共通ですが、現在の意味や活用は違います。
rise / ライズ ⇨(自分で)上に上がる
raise / レイズ ⇨(何かを)上に上げる
The cat rose.
(ネコが身を起こした。)
rose はriseの過去。バラではありません。念の為
The cat raised the lid.
(ネコは蓋を持ち上げた。)
活用は
rise – rose – risen / ライズ – ロウズ – リズン
raise – raised – raised / レイズド(規則動詞)
DNA ER / エル 動く、動かす ⇒ 上げる ⇒ raise / レイズ(上げる)
DNA ER / エル 動く、動かす ⇒ 上がる ⇒ rise / ライズ(上がる)
この2つは
「あが、上がる、rise / ライズが上がる」「あげ、上げる、raise / レイズが上げる」
という覚え方もあります。
ここから少しマニアックな発音のお話です!
<イ音は近くてアやエは遠い?>
英語では「イ」音は近さ、「エ・ア」は遠さを表す場合があります。
例えば here / ヒア(ここ)、there / ゼア(そこ)、near / ニア(近くに) far / ファア(遠く)
フランス語でも「ここ」は、ici / イスィ、「そこ」は là-bas / ラバと言います。
自動詞、他動詞の別も同じように考えられる場合があります。
例えばsit / スィット(座る)、–set / セット(何かをセットする、置く)
自分で動く自動詞は動作が「近い」感じを「イ」の音で表し、他へ働く他動詞は「遠い」感じで「エ」で表しています。
こう説明してくると、rise / ライズ(上がる) raise / レイズ(何かを上げる)は例外に見えます。両方ともアやエ音だからです。
でも、大母音推移*以前の古い音を大体ですが想像すると、
rise / ≒リズ、-raise /≒ライズ
になり、やはり自動詞が「イ」の近い感じ、他動詞が遠い「ア」の感じ。
同様にlie / ライ(横たわる)、-lay / レイ(何かを横にする)も、昔に遡れば、lie /≒リエ、-lay /≒ライ となり、やはり自動詞「イ」の感じ、他動詞「ア」の感じになります.
The mother lays down her baby.
(母親は赤ん坊を横たえる。)
She lies down nearby.
(彼女は近くに横になる。)
二日も早起きし、日の出を拝みました。遠くの日の出を身近に感じることができる年頭になりました。今年度もあなたが楽しい英語の学びができますように!
See you next time, Jiro
追記:
大母音推移とは15~17世紀に、英語の母音に起きた変化。
ごく大雑把な例は
「ア」⇒「エイ」
「エ」⇒「イー」
「イ」⇒「アイ」
だから「A,E,I」は昔「ア、エ、イ」発音だったのが、今はお馴染みの「エイ、イー、アイ」になっているわけです。
先ほどのriseは「リズ」(のような発音)から「ライズ」
raiseは「ライズ」(のような発音)から「レイズ」に変わりました。
大母音推移について詳しくは以前のコラムをご覧ください☆
↓ ↓ ↓
『英語が難しい理由は大母音推移…?』

私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員