あなたはこの本を知っていますか。
「いるのいないの」
子ども用の絵本なのですが,
これが怖いのなんの…
子ども向けの絵本
大人なら1分もあれば読み終えてしまう絵本
でも怖いんです。
そこには誰かいる…
だれ?
“Who?”
実は “Who”は “Who”を使っても,実は状況によって表現が違うんです。
今回は,そんな3つの表現をご紹介。
あなたはそれらの表現,わかりますか?
―どちら様ですか?を英語で言うと…?―
ハロウィンが近づいてきたこともあり,
街中では,Jack-o’-Lantern(ジャック・オー・ランタン)や,
様々なお化けのディスプレイを見る季節になってきました。
でも,私は怖いものが苦手なのです。
子どもの頃,家族で遊園地に行ったのですが,
お化け屋敷の前で父に無理やり入れられそうになったことがありました。
私は泣いて全力で拒否。
そう,きっと私はあの日から,お化け屋敷的なものは全てNGになったのです…
か,どうかはわかりませんが
怖いものは本当に無理。
怖い映画などを見ると,今でもトイレに行くのをためらってしまう私。
入れるのは,ディズニーランドのホーンテッド・マンションくらい。
そんな私なので,冒頭の絵本でさえ読めなかったんです。
家族が買って来て,
「いいから読んでみて」
と言われても頑なに拒否。
でもね,読んじゃったんですよ,さっき。
だれもいないのをいいことに,
「どうせ絵本でしょ?大丈夫,ダイジョウブ!」って。
1分後,
腕には鳥肌。
変な声出ました。
やっぱり怖かったです。
これ,子どもが読んだらトラウマになっちゃんじゃない?
と思いましたが,ただ私が怖がりなだけなのかもしれません^^;
さて,この絵本のタイトル,
「いるのいないの」
ですが,英語にすると
“Are You There or Not?”
でしょうか。
暗闇でそんなセリフ,言いたくないですよね。
でも,玄関に誰かが来た…
トントン。
ノックが聞こえる…
そんな時,あなたはどのように言いますか?
あ,もちろん怖くない話ですよ。
お昼に来た普通の来客の場合です。
「誰?」
「どなた様?」
「どちら様ですか?」
こんなところでしょうか。
それを英語に訳してみてください。
あなたはこう訳しませんでしたか?
“Who are you?” と。
これはそのまま
「あなたは誰ですか。」
という英語ですよね。
間違ってはいません。
でも,これはちょっと強い表現で,ストレートすぎるイメージなんです。
しかも “Who are you?”だと,すでに直接対面している感じ。
不審な人物に対して
“Who are you?”(あなた誰?)
という感じなんです。
ですので,まだ対面していないドアの向こうの相手には,
“Who is it?”
のように “it”を使うのが一般的です。
もちろんドア越しではなく,インターフォンでの応答の場合でも使えますよ。
―電話で「どちら様ですか」―
日本語では,ノックやドアベルを鳴らしてきた訪問者にも,
電話をかけてきた相手にも,
「どちら様ですか」
と同じ表現でたずねることができますよね。
でも英語ではちょっとちがいます。
先述したように,ドアの向こうの相手には,
“Who is it?”
と聞くのに対し,電話では
“Who is this?”
のように “this” となるんです。
でも,これだとやっぱりちょっとぶっきらぼう。
なので,
“Who is this please?”
や,
“Sorry, who is this please?”
のように言うと,ニュアンスがちょっとやわらぎます。
もっと丁寧だと,
“Can (May) I ask who this is, please?”
(どちら様か伺ってもいいですか)
や,
“Can I ask who is calling, please?”
(お名前を聞いてもいいですか)
のように言えば完璧!
だけどちょっと覚えにくいな,という場合は
“Who is this please?”
でOK!
電話では “this+please”と覚えておきましょう。
―絵本の「誰?」の場合は?―
さて,冒頭の絵本
「いるのいないの」
の場合はどうでしょう。
本の中に,
「あなたは誰?」
というセリフはありません。
でも,主人公になったつもりで考えてみてください。
そこに誰かがいたとします。
そして,あなたはその人にたずねます。
「どちら様?」
と。
その場合は…
“Who are you?”
でダイジョウブです。
だって,いるはずのない…なんですもの。
ということで今回は,
普通の訪問者には “Who is it?”
電話での相手には “Who is this?” (Sorry, who is this please?)
そして不審者には “Who are you?”
と覚えておきましょう!
絵本「いるのいないの」は,ちょっぴり怖いけれど,
何か考えさせられる不思議な絵本。
ご興味のある方は是非〜♪
それではまた来週!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。