11月に入り,気づけば来月は師走。
そう考えると,
「時間が経つのは早いなぁ。」
という思いとは別に,もう一つの思い…いや焦りが心の中に顔を覗かせるのです。
それは,新年の抱負。
“What was your new year’s resolution for 2022?”
(あなたの2022年の新年の抱負は何でしたか?)
英語を毎日学習する,
マイナス◯キロのダイエット,など
今年こそは,◯◯にチャレンジしよう!
今年こそは,◯◯にトライしよう!
そう決意した人も多いと思います。
チャレンジ,トライ…あれ?
“challenge”と “try” って同じ意味?
それとも何か違いはあるの?
あなたはどう思いますか?
―「挑戦する」って “challenge” それとも“try”?―
日本語では,「挑戦する」という意味で使われていることが多い「チャレンジ」。
「挑戦する」「やってみる」「トライしてみる」はすべて同じような意味合いで使われていることから,
“challenge”も “try”も同じように使っているような気がします。
例えば,
激辛ラーメンのお店の新メニューを見て
「チャレンジしてみようかな?」のように使ったり,
バンジージャンプをすることのできる吊橋を見て,
「ちょっとトライしてみようかな!」と言ってみたり。
どちらも同じような使い方をしています。
でも,実は英語での “challenge”は,意味合いがちょっと違うのです。
― “challenge” は大変!?―
国語辞書で「チャレンジ」を調べてみると,最初に出てくるのは「挑戦すること」という説明。
日本語では,この「挑戦」という言葉は,
「今年こそは,なにか新しいことに挑戦する」
というような比較的簡単な挑戦から,
「新型コロナウィルスは,人類への挑戦か?」のような大変な挑戦まで使うことができます。
ですので,日本語では「激辛ラーメンに挑戦してみよう」というカジュアルな使い方をしても違和感はありません。
しかし,英語での “challenge”は,日本語のように「挑戦する」という意味ではなく,
名詞では「やりがい」「(難しくてやりがいのある)仕事,課題」「難題」
動詞では「(人に)挑む」「(人に)楯突く」「(人に)異議申し立てをする」
という意味が主なのです。
では,なぜ日本語では「挑戦する=チャレンジ」になったのか。
おそらく,英語の “challenge”の意味の一つである「(人に)挑む」という部分が,
日本語では「チャレンジする」というようになったのかもしれません。
しかし,英語でのその意味合いは強く,
“I’ll challenge you to a boxing fight.”
(私はあなたにボクシングの試合を挑む。)
のように,「決闘を申し込む」や「相手に対抗する」であったり,
「自分自身を追い込み努力する」であったりなど,日本語の「挑戦する」以上の意味合いが強くなります。
つまり,同じ「挑戦」でも「(人に)戦いを挑む」「難題に挑む」など,かなり真剣度が高い挑戦になるのです。
また, 名詞では
“What is the biggest challenge you’ve faced in school?”
(あなたが学生時代に直面した,最大の難題は何ですか?)
のように,「課題・難題」という意味もあります。
このように,英語の “challenge”は,普段私たちが気軽に使っている「チャレンジ」とは
全然違う,大変重いものなのです。
― “try”にトライする?―
「今年は◯◯にチャレンジしよう!」
と言いたい場合はどのように表現すればよいのでしょうか。
それはもう簡単。
みなさまよくご存知の “try” を使えばよいのです。
英語の “try” は,私たちが意味する「チャレンジ」なのです。
“try” は,「試みる」「試しにやってみる」が主な意味。
「しようと努力する」という意味もあります。
“I’m going to try to go on a diet!”
(ダイエットに挑戦するぞ!)
“I’ll try to quit smoking.”
(禁煙に挑戦します。)
など,「挑戦」と言っても “challenge”ではなく, “try”を用いて表現するほうがピッタリくるんですね。
さて,今年も残す所あと1ヶ月半。
What is your new year’s resolution?
(あなたの新年の抱負は何ですか?)
あなたが新年にたてた抱負,達成できましたか?
もしくは継続できていますか?
出来ていない人は,今年が終わる前にもうひと頑張り!ですね。
と,そんなことを言っている,私・・・?
出来ているような,出来ていないような・・・
来年の抱負は,
「抱負を継続できること」
にでもしましょうかね。
さあ,来年もいろいろなことに
“Let’s try!”
ですね。
それではまた来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。