あなたはトランプ大統領の過激発言が気になりません?
例えば、ウクライナのゼレンスキー大統領が、戦争したがり屋の独裁者だとか、ちょっと前は、カナダをアメリカの州にするとか…何でこんなトンでもないこと言うんだろう?と驚きますよね。
何かワケや意図があるとすれば知りたい….私はそう考え、彼の自叙伝を読んだんです。
「Trump:the Art of the Deal. Arrow Books. / 交渉の技術」
そうすると、いくつもピンと来るトコロが見つかりました。
例えば
You need to generate interest and you need to create excitement. (737/4269)
(興味を醸成し興奮を創造する必要がある)
なるほど過激で極端な発言、偏見含みなトコロは聞く者の心に響くのか、と思います。
…bad publicity is sometimes better than no publicity… (746 /4269)
(悪い宣伝は宣伝ゼロよりましなことがある)
そうか、無関心に囲まれては商売でも政治でも立場が弱いということでしょうか。
..if you are…a little outrageous, or…bold or controversial, the press is going to write about you.
( 少しとんでもなく、大胆な問題発言なら新聞は記事にする。(739/4269)
…even a critical story,…can be very valuable to your business. (746 /4269)
(批判も商売には価値があることもある)
政治の世界でも文句言われ批判された方がわたり合う際立場が強い…こともありということでしょうか。
The…key…is bravado….People may not always think big themselves, but they can still get very excited by those who do. That’s why a little hyperbole never hurts. ( 761/4269)
(キーポイントははったり。人はいつも自分ではデカい考えができるわけではない。でもデカい考えのヒトを見るととても興奮する。だから少しの誇張は決して害にはならない。)
つまり人の潜在的な本音や偏見を口にしても、ほぼ悪影響なしということでしょうか。
商売の交渉についての本が、こんなに政治の交渉にも当てはまるなら、トランプは政治とビジネスを同一視していると言っていいのかもしれません。
それなら彼はビジネス自体についてはどんなイメージを持っているのでしょう?
I’ve never had any great moral problems with gambling because most of the objections seem hypocritical to me. The New York Stock Exchange happens to be the biggest casino in the world.
(賭け事に道徳的な問題を自分は感じたことなどない。ほとんどの反対は偽善的に見える。ニューヨーク証券取引所は世界最大のカジノだ。)
賭博等を正当化する発言ですが、これが彼のビジネス観も表しているとすると、リスクとリターン、損得でだけビジネスを見ているようです。
何冊も読んだ松下幸之助のビジネス書は、自分の金儲けより世の中の為とか正義とか、ある意味倫理とか道徳の説教みたいだったと記憶しています。実に対照的ですね。
政治を商売や賭博と同一視する見方はありえるかもしれません。でも米の大統領が、その権化みたいだと影響はとても大きいでしょう。
商売や損得以外の考慮ー多様性、世界平和、環境自然保護等、眼中にない人が超大国のリーダーなら…何だか不安になるのは私だけでしょうか?
トランプ大統領には今度も注目していきたいのですが、ワクワクしたり腹を立てるだけだと、彼に踊らされている気がします。
その点、英語が母国語でないのは、かえって幸いなのかも。英語が母国語だと、きっと感情まで揺さぶられやすく影響がダイレクトそうだから。
今後も英語を利用しつつも、非英語話者の立場を生かし、一定の距離を置き、冷静に賢くトランプ大統領を見つめていきたいと思います。
See you next time,
Jiro
追記:
Trump:the Art of the Deal. Arrow Books.
「交渉の技術」
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員