前回に引き続き、ファーマーズマーケット2021春の様子、第三弾をお届けします。
このファーマーズマーケットが毎週末開かれているユニオンスクエアは、ニューヨーク、マンハッタンの東側のダウンタウン、14丁目。
この周辺は、西にはおしゃれなチェルシーエリア、南西には、映画の舞台なんかで出てくる学生街のイメージのグリニッジビレッジエリア。南東にはちょっとパンクな印象のイーストビレッジ、そして東には高級住宅街のグラマシーエリアを控えて、また大きな地下鉄の14丁目駅もあり、とても人気のあるスポットです。
それでは、また色々なお店を覗いて行きましょう。今週はまずお肉屋さんです。最初、こんな晴れた日の公園でどうやってお肉を売るのかと思いましたが、特大のクーラーボックスに氷を詰めて、パックしたものをたくさん、持ってきていました。そのメニューはこちら。
どれもこれも、美味しそうです。スモークしてある厚切りベーコンもいいし、メープルの入ったちょっと甘めのソーセージは朝食用に。チョリソは、スペイン風の、思いっきり辛い、ビールのおつまみにぴったりのやつかしら。このホームメイドのお店では、すべての豚は、ホルモン剤、抗生物質、ステロイド、保存料などは一切使っていない、と明記してあります。ありがたいね。
この立派な豚さんのイラスト左側のメニューは、ビーフ。ステーキ肉などが、リストにあります。オーガニックはもちろん割高ですが、特別な日にはこのフィレ肉を買いに来たいと思います。(450g で約2800円ぐらい)
こちらは自家製ビール屋さん。大きめの22オンス( 約650ml ) ボトルで、1本10ドル(1000円ちょっと)。お肉屋さんのソーセージをみて、ビールあったらいいなあ、と考えていたら、やっぱりちゃんとありました(大笑)。
ちなみに大きめのボトル、と言ったのは、アメリカでのレギュラーサイズ、バドワイザーなどのボトルは、飲み切り用の12オンス ( 約355ml ) なんです。そして、その12オンスの瓶ビールをグラスを使わず、そのまま飲むことが多いです。
普段は何でもアメリカサイズは日本よりも大きいなあ、と思っていますが、ビールばかりは、日本食のレストランなどで日本のビール大瓶を注文すると、この12オンスのボトルに慣れているアメリカ人はとっても感激して、「おおお!」などと言ってくれます(笑)。
余談ですが、こちらNYのバーでは、クラフトビールと言って、いろいろな手作りの生ビールが盛んなのですが、大抵どのお店でもビールが入れられるのは、1パイント(473ml) のこんなグラス↓。なので、日本食レストランにある、キンキンに冷やした特大ジョッキの生ビールなんてのも、アメリカ人にはすごく珍しいみたいで、これも「オーマイゴッ」とばかりに喜んでくれます☆
この1パイントグラスは、よく行くメリーランド州、ビーチサイドのブルワリーで工場見学をした際お土産にもらったもので、”Good Friends, Good Waves, Great Beer!” と書いてあります。めっちゃ哲学的(!)気に入った〜。
さて、お次はオリジナル • リキュールの醸造所さん。
バーボンや、シングルモルトはもちろんのこと、蜂蜜のウイスキー、メープルのウイスキー、コーヒーのウォッカ、アップルウォッカ、シュガービーツ(てんさい)のウォッカもありました。こちらで作ったオリジナルカクテルなんかも瓶詰めで販売。
この1年とちょっと、ニューヨークでは、家飲みしか方法がなかったので、ネット販売もしているこういうお店は、とても良い1年だったのでは、と推測されます。
珍しい、この季節らしい野菜を見つけました。私も知らなかったのですが、アメリカ建国当初、スイスからの移民たちが持ち込んだと言われる、春の訪れを知らせる、日本ではいわゆるふきのとうのような、野菜Ramps 。
野生の春玉ねぎのことで、日本の長ネギのちょっと大きいような感じで、エシャレットみたいに、白い部分がちょっと球っぽくなっています。ガーリックっぽい玉ねぎの味がするのですが、グリルで甘くするのも良し、煮込んでも美味しい。また、薬味として刻んで、パンやバターに入れたり、パスタソースにしたり、サラダに混ぜたり、と言ういろんなアイディアもオッケー。
春を知らせてくれる野菜ということで、フランスパリで、採りたてのホワイトアスパラガスを食卓に出して頂いたのを思い出しました。当時はホワイトアスパラガスは缶詰でしか知らなかったので、感激でした。
日本で季節の訪れを教えてくれる野菜って、ぱっと浮かぶのは、たけのこかな。数年前、ジャパンツアーで、たまたま5月に日本にいた時、神戸でたけのこ狩りに誘っていただきました。長靴に、首には手ぬぐいで、くわを持って山の中に入り、汗を拭き拭き、取り方を教えてもらった、生まれてはじめての、たけのこ狩り。その後の採れたてのたけのこ料理、あれはさすがにおいしかったなぁ。
春繋がりで、柔らかで甘みさえほんのりある春キャベツ。日本では当たり前にありますが、アメリカにはないんです。春まで待ってたけど出てきませんでした。実際にないらしい(大笑)。こちらのキャベツは、いつも硬くてゴムみたいで、残念ながら美味しくない・・・。どうやって食べても美味しくない・・・。日本のみなさん、春キャベツ、私の代わりにエンジョイしてください(笑)
チューリップの満開なニューヨークからお届けした今週。
次回もう1週、ファーマーズマーケットをご紹介します。
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。