今月はじめに閉幕したパラリンピック、ニュース等でご覧になってたでしょうか?パラリンピックって障碍者のオリンピック….ですよね。
私も正直に言うと、パラリンピックは健常者とは別の障碍者のオリンピック。つまり自分とは全く別で縁のない世界って、普通に思う人間の一人でした。ひょっとして、あなたも今そう思ってるかもしれませんね。
でも私考えが変わりました。数年前に大病を経験したからか、パラアスリートが全然別の人だと思えなくなったんです。幸い今は全快したんですが、いつかは自分も似たような状況に…という感じは残りました。
他人事でない感じがする理由は病気の経験の他にもう一つあります。それはパラリンピックの名前の由来を調べたから。そもそもなぜ「パラリンピック」って言うのかということです。なぜでしょう。
パラリンピックのパラについて、最も古い語源、単語DNAを調べると分かったのは…何とpara-のDNAは、「前に」という意味の「ペル」だったと考えられるのです。
従ってParalympic(パラリンピック)とは、「前にあるオリンピック」。つまり、「時間的に我々の前方にいる人達のオリンピック」という解釈ができそうです。
これってすごくないでしょうか。なぜってパラの選手って、皆がいつか辿り着く状況にいる人とも取れるからです。誰もが順番に障碍者になっていくって、DNAが言っている…これ私がパラリンピックは他人事ではない、と言う2つ目の理由です。
大活躍する「ペル/前に」の単語DNA
Para-の単語DNAの「ペル」は、他の単語の中にもよく見かけられるようです。例えば
far(ファア/遠く)。ここでは「ペル」 がfarの綴りで現れていると考えられます。pとf…綴り的に違う印象ですが、発音する場所がどちらも唇の辺。なので大昔から深い関係と言っていいかも。また意味の方は、どんどん「前に」行けば自然に「遠く」なりますよね。
far (ファア) 「前へ」 ⇒ 「遠く」
またprepare(プリペア/準備する)。後ろの-pare(ペア)の部分に、このDNAがあります。準備って時間的に何かの前に行うもの。
そして先頭のpre-(プリ)も「前もって」という意味のパーツで、やはり同じDNA。ですから同じDNAが繰り返され、「前もって何かを行う」感じが表されているんです。念入りですね。
pre(プリ/前もって)+pare(ペア/事前に行う) ⇒「準備する」
「ペル」という単語DNAは、farやprepare等、いろいろ活躍するDNAのよう。現在私が執筆中の単語集でも「ペル」の見出しだけで何と200語位になりそうです。
「前の」意味があるparamount, paralysis
さて、paralympicのpara-は「前に」の意味でしたね。こういう単語は勿論他にも。例えば
paramount(パラマウント/最高の) 。映画通の方ならパラマウント映画会社ってご存じかも。paramountの–mountの部分は「山のようにそびえる」意味。全体では「前に山のようにそびえる、立派で最高の…」という意味になります。
para(前に)+ mount (山のようにそびえる) ⇒ 「立派な、最高の」
The idea is of paramount importance. (その考えは非常に重要だ)のように使われます。
paralysis(パラリスィス/麻痺)のparaも「前に」です。後ろの-lysisのDNAは「溶ける、解ける」。「前に(力が)解けてしまう」位の意味。麻痺を「体の力が前方にバラっと解ける」みたいに捉えているようです。
para(前に) + lysis (解ける) ⇒(後ろの力が前に解ける)麻痺
健常者と言うより未障碍者
私の今回のお話から行けば、パラリンピックって、未来が見えるオリンピックかもしれません。
いくら健康な若者でも、誰でもいつかは目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったり。手足が動かなくなっても普通でしょう。自分の未来、誰しもの未来、それを垣間見せてくれるのがパラリンピックだという気がします。
私どこかで、「未障碍者」という言葉を聞いたことがあります。ホントは「健常者」なんかいない、皆「未障碍者」だって。成年と未成年みたいな感じですよね。
暗いと感じられるかもしれませんが、老化や体の衰えは避けることのできない運命です。どうしようもないことは受け入れる覚悟が必要かも。
でも一方で成長や加齢について、自分で対処できる部分もあるはずです。あなたはまだピンと来ない年齢かも。でも加齢への備えは早すぎるってことはないような気がします。
例えば口腔ケア。大人の歯って一度失ったら絶対また生えて来ませんよね。私若い頃からもう少し歯を大事にしとけば…、と正直後悔してます。あなたも健康の維持と増進に、何か無理なくできるといいですね。
See you later!
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員