ニューヨークは桜も終わり、町並みのアップルブロッサムの花びらが花吹雪となって、道行く人々を和ませています。
新緑のシーズンを迎え、青々と、紛う方なきエネルギーを感じさせてくれる。コロナのパンデミックだったことなど、まるで嘘のように思える、晴天の続く今日この頃。
今回は、マンハッタン14丁目「ユニオンスクエア」で開催の、春の季節感あふれるファーマーズマーケットを、数回に分けてお届けします。
久しぶりに、コロナ以前よりとても空いている地下鉄に乗って、ダウンタウンへ。都市部では、ロックダウンなどいろいろ不都合なことが続いたニューヨークですが、カントリーサイドでは相変わらず、自然はのびのびと育っていたようです。
まず目に入ったのが、かわいいポットに入った草花たち。元気よく咲いているプランツを見ると、その元気なエネルギーをもらえるような気がします。これらのパンジーは1鉢$5(大体500円)ちょっとの感じです。
こちらは、アメリカならではの、ムーンシャインと呼ばれる蒸留酒。以前ジャズの歴史でお話しましたが、ニューヨークでは結構長い間、禁酒法時代というのがあり、当時一般の人々は、法律により、お酒を飲むことが認められていませんでした。
そんな中、歴代のギャングスターたちが、違法にアイルランドなどから、こそっとウイスキーを輸入したり、闇でいろいろなことが起こるわけですが、そんな中、田舎の人たちは自分たちで、コーンを蒸留して自家製蒸留酒を。違法なので、真夜中森の中、月の光を頼りにコトコトと蒸留したことから、月の光「ムーンシャイン」と呼ばれたのだそうです。
もちろん現在は、商標登録の上、酒類販売の許可もとって販売されています。なぜ当時違法だったのか。アルコールを蒸留するのは、とんでもなく高い熱量を使い、アルコールで爆発の危険があるようです。
またちゃんと蒸留できない場合には、毒性を含んで、飲んだ人が亡くなったりと、けっこう難しく危険を伴うので、違法とされた意味も納得できます。
そんなムーンシャインは、750mlで、22ドル(2400円ぐらい)でした。アップルパイの味がするらしいので、ちょっと甘いかもです。怖いもの見たさって言う気持ちが、なきにしもあらずだけれど、私はまだ試した事はありません・・・。この次見かけたら、まずテイスティングさせてもらえないか、聞いてみようと思います。
アップルパイと言えば、りんごの専門店も出ています。富士や、陸奥など、日本の銘柄があるので日本人として嬉しくなっちゃいます。1パウンド(450gぐらい)で$2.5とあるので、1kgぐらいで、大雑把に言うと600円ぐらいってところでしょうか。
こういう時にどっさり買っておいて、朝食のオートミールに入れる用に、アップルコンポートを作りおきしたり、ジャムにしておくのもオススメ☆
そして今度はジャム屋さん。ジャムと一口に言っても、アメリカでは、「ジャム」「ジェロ」と「プリザーブ」と、3種類あります。
「ジャム」は、フルーツから直に作るけど果実は入ってないもの。「ジェロ(ゼリー)」はフルーツジュースから作り果実は入ってない。そして「プリザーブ」は、調理したフルーツから作っていて、果肉が入っています。
以前は、ジャムって購入するものだと思っていたけれど、このパンデミックで、家で自分で作ってみたら、結構簡単に作れて、糖度も調整できるので、最近は買わなくなりましたね。ちなみに、アメリカのジャムは、日本の1.5倍ぐらい甘〜い。
この季節、とってもかわいいのがチューリップ。1束10ドル(1100円ぐらい)で、2束なら18ドル(1950円ぐらい)のグッドディール!ベゴニアは1株$6.5(700円ぐらい)。
そんな可愛い花々を見ていると、コロナの影響や色々で、なんだか落ち込んでいたこの1年でしたが、やっと新しい息吹が感じられて本当に嬉しい。
さて、ジャムがあったら、パンさんも欲しいですよね。オーガニックのいろんなパンが売っています。最近は日本でも見かけるようになったベーグルは、ニューヨーカーに好まれる日曜のブランチの定番。
もともと、ポーランドのユダヤ系の人々によって、アメリカ大陸に持ち込まれたベーグル。イーストを使って、ミルクやバターなどを入れず、独自の製法で作るので、モチモチしてしっかりとした生地となります。
ポピーシード(ケシの実・日本では、あんぱんの真ん中に付いているやつ)、セサミ、ガーリック、オニオン、塩がついたもの、そしてEverything といって、全部付いたものなどなど。横にスライスして、クリームチーズや、スモークサーモンなどを挟んで食べると、腹持ちも良く、最高です☆
私は、それにオニオンをちょっと挟むのが好きです。
さあて!、しっかりオーガニックのフレッシュな食料を買い込み、また1週間がんばるぞー!って感じです。また続きは次回お届けしますね。
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。