河原に腰をかけ、リュックサックから「ラーメン弁当」を取りだす。
スープの素は…とあちこち捜してもありません。忘れちゃったのです。
(やれやれ、お湯ラーメンの味ってWhat will it taste like?) と思った途端、思い出したtastyのジョークについては →『tastyは「美味しくない」?』
他方、語源大好きの私らしく、もう一つ気になりだしたのはtasteの語源。
そそくさと帰宅し、tasteの語源を調べたんです。
tasteのDNAはTAG(タグ)<触る>、今回の関連英単語はcontact, tax, task,attain等 綴りには多少の変化が見られます。
TAG(触れる⇒) taste (テイストゥ)味わう、味がする
確かに食べ物でも味わう為には舌や皮膚に触れる「接触」が必要です。
「味がする」は料理などが主語になります。例えば
These beans taste too salty.
(この豆は塩味が強すぎる。)(salty 形容詞:塩味の)
これ人を主語にすると大変です。例えば
You taste too salty.
(君は塩味が強すぎる。)
人食い人種ホラーになってしまいます!
TAG(触れる⇒)taste 味わう、味がする
TAG(触れる⇒) con-(一緒に)+tact (接触)→ contact(コンタクトゥ) 接触(する)
Don’t contact us. We’ll contact YOU.
(連絡するな。こちらからする。)
動詞のcontactは、withを入れずに「~と接触する」という意味。だから
上の例文をDon’t contact with us.と言うと、よくアル言い間違いになります。
もちろん言い間違っていても、何も言わないよりは良さそうですね。
TAG(触れる⇒) con-(一緒に)+tact (接触)→contact 接触(する)
ちなみに「コンタクトレンズ」は和製英語ではありません。立派な英語です。
ただ両目なら contact lensではなく contact lensesか、contacts ですね。
TAG(触れる⇒)値踏みし税を課す tax(タックス)税(を課す)
国家権力が手を伸ばして市民の財産に触れてくるなんて、生生しいかも。
ちなみにtaxiは、taximeter cab(料金計測器付馬車)の略。この料金を計る機器は最初馬車に20世紀の初めにつけられたそうです。今のtaxiはその短縮形。
TAG(触れる⇒)値踏みし税を課す tax 税(を課す)
TAG(触れる⇒)仕事を課す、与える task(タスク)仕事、任務
この意味だとjob(ジョブ)がすぐ浮かぶかも。taskはjobの一つ一つのステップみたい。
つまり、job = ,task1+task2+task3…
TAG(触れる⇒)仕事を課す、与える task 仕事、任務
TAG(触れる⇒)ad(~に向かって)tain 触る→(触ろうとする) attain 達成する
ちなみに、attainは、やや固い言葉。achieve(アチーヴ), accomplish(アカンプリッシュ)等も知っておきたいところ。
TAG(触れる⇒)ad(~に向かって)tain 触る→(触ろうとする) attain 達成する
いかがでしたか?あなたは「触る」からの意味の繋がりが感じられましたか?念の為、ざっと振り返りましょう。
TAG(触れる⇒) taste 味わう、味がする
TAG(触れる⇒) con-(一緒に)+tact (接触)→contact 接触
TAG(触れる⇒)値踏みし税を課す tax税(を課す)
TAG(触れる⇒)仕事を課す、与える task 仕事、任務
TAG(触れる⇒)ad(~に向かって)tain 触る→(触ろうとする) attain 達成す
今回は味気ないラーメンのスープに始まり、触るという意味のDNA TAGのお話でした。
実は今回お話ししたtaxは、私がDNA分析に興味を持つ切っ掛けになった単語です。
「税」というと何だか抽象的で縁遠~い感じだったのが、「触る」という語源を知った時、繰り返しになりますが生生しい実感というか、身体に響く感覚が衝撃的だったのです。
それで大昔の語源を色々チェックしているうちに段々ハマっていったみたいw
冗談はともかく、そんな語源チェックで、すぐ気づいたことがあなたにも刺さるかも。
それは英単語の語源には実感・身体感覚が潜んでいること。DNA分析はそうした身体の生き生きした実感の掘り起こしなんです。
あなたは「そんなの掘るって、面倒…」とか思います?
でも言語の大本は,ほぼほぼ生き生きした実感や身近な身体感覚だったようです。例えば今回のように「税」は「(財産等)を触る」感覚からでしたよね。
言語の学び方で、そうした実感を掴むのが、遠回りなようで実は近道。楽しくピンとくるので覚えやすいし忘れにくい、思い出しやすいわけです。
少なくとも私はそうやって学び、今もわくわく学び続けています。
あなたも引き続き英語を楽しく学べると良いですね。
See you next time
Jiro
追記:3つの「達成」の胆
achieve 「達成する」で一番普通。「努力」で達成する感じ
Just work, and you’ll achieve your dream.
(ただ働け、そうすれば夢を達成できる。)
accomplish 「任務」等を達成する感じ
Ethan accomplished another difficult mission.
(イーサンは困難な任務をまた達成した。)
attain 書き言葉。「地点」等に到達する感じ
The jet attained its maximum speed right away.
(ジェット機はすぐ最高速度に達した。)
attainは目盛りに「触れる」感じで語源的にもぴったり。
↓ ↓ ↓
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員