あなたは暗記力に自信はありますか?楽に暗記できたらいいと思いません?
私もそう思いました。外国語の達人らのすごい暗記の話を読むたび感動しマネしようとしました。
例えばトロイ文明の発掘者シュリーマンは古代ギリシャ叙事詩を全暗記していたそう。暗唱のあまりの大声が祟り再三追い出されたみたい。
身近では母校上智大学の英文学ミルワード教授は、シェークスピア全暗記。ある単語を言われれば、シェークスピアのどの作品のどのページに使われているかを即答するとの評判。
私も正直何かの外国語の文章等をスラスラ暗唱してみせて見せびらかしたかったんですw
そこでいろいろ暗唱を試みました。例えば「神々は乾く」という歴史小説(フランス語)。聖書のお気に入りの20か所(ドイツ語)ラテン語の学習テキストから50個の文、イタリア語等など。でも一つとして最後までできませんでした。
但し全く別方向からの「暗記」はほぼ成功。
どういうことでしょうか?
遡れば同時通訳の草分け國弘正雄氏の言い分「無理に暗記しようと思うな。何度も朗読しているうちに結果的に暗記してしまうのは良い…」にたどり着くみたい。
英作文はこの方法で上達(したはず)。高校生時代500程の英文を毎日、日本語を見ては英文を発音する。最後まで行ったら最初に返り、を繰り返しました。
暗記しようとはせずひたすら一か月間練習。すると色々な日本語を見ると英語が浮かぶようになり、自分でも英作文の力がついた実感があって嬉しくなりました。
また高校時代に使った英語教科書も、音源に耳を慣らしつ何度も音読しただけでした。50年後の今で、もふと浮かんでくることがあり、自分の英語力の基礎になっている気がします。でもこれも暗記しようとは思いませんでした。
最近、「結果的に暗記」の少し違う例をもう一つ経験しました。
それはフランス語のシャンソン。私大学生の頃からフランス語で好きな歌を一人でよく歌ってます。例えば「愛の讃歌」とか2,30曲位。暗記はせずただ時折歌ってきたんです。
今回チェックしたら、ほぼソラで言える曲も中にはあります。そこで大好きな曲の未暗記部分だけ覚えようと奮闘。結局大好きな曲「Nos doigts se sont croisés.」(あなたと指を)をソラで歌えるようになりました。譜面見ずにほぼ歌えるので嬉しくなりました。
<挫折のワケ>
そういうわけで暗記に関する私の結論。
暗記を目的にしない。目的にすると挫折する。音読(や歌唱)をただ繰り返す。その結
果として暗記が起きるのを期待…です。
ではなぜこの結論か?これを読んでくれているあなたには、結論の理由の方が大事。
私が暗記を目的にしない方が良い理由…それは私が何を一番好きかに関わりそうです。
結局私は「暗記」自体は好きでないのです。
いくら決意しても、好きでないコトは苦痛。いつか投げ出してしまう。好きなシャンソンだって歌詞を暗記しようとしたら挫折していたでしょう。
ちょっとここから細かくなります。ただ外国語関連の話には変わりはありません。
それは私が何が好きか?です。労力を労力と感じさせない程自分を引き付けるモノ…それは外国語の文や歌を朗読したり歌ったりすること。
人に聞かせるとか、暗記目的とかは関係ありません。
ただ口から文や歌を音にして出すこと自体。その部分だけは、ついやってしまう。ちょうど鳥が鳴くのを楽しんでいる?みたいにw
さてあなたは何が好きなのでしょう。自分が好きなコトと、外国語の学びを、どう結びつけるかが成功への近道。
何であれ好きなことが分かったら、それを、あなただけのオリジナルなやり方で外国語学習に結びつけられると良いですよね。
See you soon!
Jiro
<英語版>
知ってる内容を英語ルートで理解する。洋画で字幕を読んで英語を聞くように。
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員