「あとでメールするね!」
先日,買い物をしていたら隣からふと聞こえてきたこの言葉。
まあ,特に自分に関係のないことなので気にも留めていなかったのですが,
その後,車を運転しながら,ふと
「メールするね」
って,ある意味日本語だよなぁ,と思ったのです。
「メール」って “mail”だし,英語ですよね。
でも,英語では違うんです。
それはなぜか,あなたはわかりますか?
―「メール」と “mail”の違い!?―
「メール」というと,あなたは何を思い浮かべますか?
以前は,海外に手紙を送る際に使っていた
「エアメール」
なんてあったので,
「ああ,航空便で送る[手紙]のことね!」
と,思う人も多いかと思います。
懐かしいでしょ?
きっとこれを読んだ方の中には,
「久しぶりに聞いた!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
逆に,「ん?エアメール?」
と,若い方たちの中には知らない人もいるかも!?
それもそのはず。
日本郵便によると,「エアメール」や航空書簡って,利用者の減少から1年前の2023年9月末に販売終了したんですって。
(現在は,通常のはがきや封筒で送ることが可能)
このエアメールからもわかるように,「メール」 “mail”とは英語では,
「郵便(物)」
のこと。
(※イギリス英語では “post”)
でも,現在の私たちは「メール」というと,
スマホやPCから送るメッセージ,つまり
「電子メール」
のことを言っています。
でもこれは日本語英語。
「電子メール」なんて言い方も,あまりもう使いませんが…^^;
ついつい日本語の感覚で,
「あとでメールするね。」
と英語で言ったつもりで,
“I’ll send you mail later.”
“I’ll mail you later.”
と訳してしまいがち。
でもこれだと,
「あとで(手紙を)郵送するね。」
という意味になってしまいます。
このように,英語での “mail”は,「郵便(物)」という意味になってしまうので
お気をつけくださいませ。
―英語で「メールするね」はどう言うの?―
では,いわゆる私たちが言う「メール」を英語で言う場合には,
どのように言えば良いのでしょうか。
これ,送るデバイスによって違うんです。
まず,これはPCなどから送るメールなのか,
それとも,
SMS(ショートメッセージ)のようなメールなのかによって使い分ける必要があるんですね。
PCなどから送るメールは,
“E-mail / email, Email”のように “mail”の前に “E / e” を付けるんです。
この “E / e “って,何のことだと思います?
そう,「電子」を表す語 “electric” なんです。
その頭文字をとって,
“E-mail / email , Email”
と表しているんですね。
ですので,
「今晩メールするよ。」
という場合は,
“I’ll send you an email tonight.”
“I’ll email you tonight.”
のように表現することができます。
また,“E-mail”と書くか, “email, Email” と書くかは
人や新聞などの媒体によって様々。
現段階では,どちらもOKとされていますが
ハイフン “ – “ を入れた “E-mail, e-mail”は,
「ちょっと古い」
と感じる人もいるそう。
へぇって感じじゃないですか。
言葉は変化していくもの。
そう考えると,自分の頭の中をアップデートしていくことも大切なのかもしれませんね。
―スマホから送る場合は?―
さて,では私たちがよく使う「スマホ」などでメッセージを送る場合の言い方。
それは,
“text”
という語を使います。
「テキスト」というと,私たちがもつイメージは,
「教科書や教材」って感じですよね。
でも「教科書」を英語で言う場合は,
“textbook”
となりますもんね。
“text”だけだと,
「本文,文章,原文」
という意味となり,
「メールの文章」
という意味もあるんです。
さらに,「メールを送る」という動詞の意味もあるので,
“I’ll text you tonight.”
(今晩メールするね。)
のように使うことができるんですね。
この “text” 「こそ」が私たちが使う「(携帯やスマホでの)メール」という意味。
“Please text me!”
(メールして!)
なんて言えるようになるとちょっとカッコいい…
かも,しれませんね。
―写メありますか?は全然違う―
スニーカーだったのですが,こんなコメントがついていました。
「横からの写メ,追加してもらえますか?」
(写メって懐かしぃ〜〜〜!)
と思った私。
「写メ」って,今から24年前の2000年,
J―Phone(現在のSoftBank)がサービスを開始した,
「携帯で撮影した画像をメールで送ることのできるサービス[写メール]」
を省略した一般名称。
「写メール」自体が,「登録商標」です。
「写真をメールで送ることのできるサービス」
のことなので,
「写メを追加してください。」
「写メ撮ろう!」
という言い方は,本来は間違い。
だけど,いつの頃からか
「写真を撮ること」を
「写メ」と言うようになったんですね。
現在は終了しているこのサービス。
だけど,当時の世代の方たちの一部の間では,現在も使われている言葉だそう。
「写メって知らないなぁ。」
という若い方!
今,普通に使っている言葉も20年後には,若い人から
「知らな〜い」
と言われるんですよ,きっと。
私も「写メ」って,超久しぶりに聞いてニヤニヤしてしまいましたw
もし今も「写メ撮ろう!」のように使っているという方がいらっしゃったら,
「写真」「画像」
にアップデートしておくといいかもしれませんよ。
自分自身をアップデート!
大事,大事!
でも,今の日本では
「メールするね。」
よりも,
「LINEするね。」
のほうが一般的かもしれませんね。
ということで,私も日々,いろんなことをアップデートしながら,
次回のネタを考えたいと思います。
それでは,また来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。