人の声を聞いて、「いい声だなあ」と思うことはありませんか?
私は結構あるんです。昔教えていた学校でも、「いい声だなあ」と、今でも4名ほどの生徒が目に、いや耳に浮かぶほど。
そんな私が最近良い声だと思ったのは、DISH//というバンドのボーカル。北村拓海さんの声です。
紅白歌合戦にも出られていたので、あなたもご存じかもしれませんね。何でも演奏する「猫」が、再生回数4億回を突破だとか。私自身、紅白歌合戦で初めて彼の声を耳にした時、良い声だ…と唸ってしまいました。
とても素直で自然な声。特に彼の高い地声は、緊張感がありスリリングです。地声とは裏声にひっくり返らない声。大抵の歌手は高い音を歌う時、声が裏返り緊張感が抜けてしまいます。
さてそんな素人批評家の評はともかく…実は私の興味はDISH//というバンド名にもあったんです。
dishとはあなたも知っているように「皿」。細かく言えば深皿で、浅いサラはplate(プレイト)。
いずれにしても、音楽のバンド名が「なぜ皿なの?」と、ミスマッチな組み合わせに意外と思う人は多いかも。そこで、dish(皿)の語源を今回調べてみると、意外な事実が分かったんです。
今回はDEIK(デイク) 繋がりで、disk, addiction, dictionaryを見てみましょう^^
<皿と投げるの意外な関係>
そもそも、dish(ディッシュ/皿)の単語DNAは、 DEIK(デイク) で意味は「(言葉を)投げる」。
そんなDEIK (デイク/(言葉を)投げる) が、disk(ディスク/円盤、CDなど) と変化。そこから、
(sk「スク」→sh「シュ」)と変化したようです。
DEIK(投げる) ➾ disk(円盤、CD) ➾ dish (皿)
「投げる」から円盤、さらに皿になぜ?と思うかもしれませんが、皿の形が「円盤(disk)」に似ているからかもしれませんね。ちなみにCDはcompact(情報がコンパクトに詰まった)diskの略のようです。
さらに、DEIK ➾addiction (アディクション/中毒)。
少し細かいですが ad-は「~に向かって」。dictがDNAで「投げる」。 -ionはラテン語の「~するもの・こと」の意味。全体で「(薬物等に)(人が)投げられること」=中毒。中毒にはまる感じを「投げられる」と表したのかも。
DEIK ➾ ad-(~に) + dict(投げる) + -ion(~こと) = addiction(何かにはまること→中毒)
形容詞形はaddictive(アディクティヴ)。例えば
Takumi’s voice is addictive.
(北村拓海の声は中毒になる)
と使えます。
DEIK(デイク/言葉を投げる) ➾ dictionary(ディクショナリ/辞書) 。
dictが元々DEIKで「(言葉を投げる→)言う」意味。dict-で「(言われる)言葉や語句」。単語全体は元来「言葉や語句を集めた…本」という形容詞+名詞の2語。それが「本(例えば”book”」だけが省略されたようです。-ionaryには形容詞の感じが残っています。
DEIK➾ dict-(言葉や語句) ➾ dictionary book(言葉を集めた本) ➾dictionary(辞書)
このようにDISH//には「円盤」の他に「言葉を言う」感じの語源もあったのが分かりました。
実は今回取り上げた【DISH//】というバンド名、公式には「ファンのメインディッシュ」という意味だそうです。ですが歌を歌うということは、一種のメッセージ。
単語DNAで辿ると、バンド名に「(メッセージを)言う」みたいな意味もあったなんて…DISH//ファンでなくてもステキな偶然ですよね。
DEIK 投げる(→円盤) → 皿 → 料理 ➾DISH//
DEIK (言葉を) 投げる →メッセージを言う➾DISH//
さて北村君の美声に引き付けられる私は音楽がとても好きです。この声や音楽好き、実は外国語の習得にもプラスになりそう。何語でも、音源が美声なら繰り返し聞くのも苦ではありません。気に入った感じの歌なら何語だって楽しめる…とにかく好きで聞くから勉強でなくなりそうです。
実際子供達をずっと教えてきて、英語好きな子には音楽好きが多いし、英語好きには音楽好きが多い…そんな印象を持っています。
音楽のように楽しみながら、英語も楽しく学べると良いですね。
See you soon!
Jiro
リンク → Swatchさんの『英会話は音楽のように歌う!』
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員