【World Life】とは?
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英会話は音楽のように歌う!

World Lifeな生活
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皆さま。
How are you doing?

いかがお過ごしでしょうか。楽しく陽気でストレスの少ない日々をお過ごしのことと思います。英語の学習もすすんでいるのではないでしょうか。

往年の大女優オードリー・ヘップバーンは,ご存じだと思います。「ローマの休日」でデビューし,いきなりアカデミー賞主演女優賞を獲得。その愛らしさから銀幕の妖精といわれていました。

オードリが主演した「My Fair Lady」も素晴らしいミュージカル映画でした。オードリの演技力と美しさに息をのむようなシーンがたくさんありました。

この「マイ フェアー レディ」,英語を学習する方には,おすすめの映画です。

なぜかというと,オードリ演じる花売り娘のイライザは,ロンドンの下町訛り(コックニー訛り)があり,その訛りを,高名な言語学者であるヒギンズ教授が訓練して美しいクィーンズ・イングリシュにするという物語なのです。

イライザは,ヒギンズ教授と出会い,教授宅で住み込みの英会話レッスンを受けます。教授の友のピカリング大佐からマナーを手ほどきされ,洗練された淑女(Lady)に成長していくという物語です。

映画の中で,美しい英語を話すためにトレーニングするシーンがたくさん見られます。イギリス人でも,訓練をしなければ美しい英語は話せない。また,教養がなければ,人は成長しないこともほのめかしています。

イライザは,クィーンズ・イングリシュを習得し,目を見張るような美しいLadyに変身し,トランシルバニア女王主催の公式舞踏会(Embassy Ball)にデビューします。

女王から王子とファーストダンスの相手をするように頼まれ,相手をします。華麗なダンスを披露し,その優雅さと美しさで招待客の注目を浴びます。

招待客(イギリス貴族)の一人がお抱えの言語学者(ヒギンズ教授の弟子)に,イライザの話す英語でその出生を明らかにしろと命令します。学者は,指示通りにイライザと言葉を交わします。

果たして,その言語学者の評定したイライザの出生とは?

話す言葉で「階級を表す」といわれているイギリスの社会を,痛烈に批判するバーナード・ショーの原作です。ドキドキしますね。

言語学者は,女主人にこう伝えます。「彼女の英語の発音は,完璧です。これはどこかの国でイギリスの英語を学んだ結果です。そのような高度な教育を受けられるのは,欧州の貴族,ハンガリーのプリンセスだと思われます。」と報告します。

イギリス人でも英語の訓練が必要

イギリスは,口を開けば,誰かから言葉の批判を受けるといわれます。どういうことかというと,言葉が階層や階級,身分を表すということから来ています。日本人が訛っているというのとは訳が違います。

イギリスは,大きく3つの階級(上級・中級・下級)があるといわれています。
上流階級 Upper Class
中流階級 Middle Class
下級階級 Working Class

階級によって,考え方,教育,職業,行動,立ち居振る舞いが違うといわれています。そして,所属する階級によって,英語の発音やイントネーションなどが明確に違い,イギリス人は,その人の発音やイントネーションで出身が分かるのだそうです。

オックスフォード大学,ケンブリッジ大学で話されている「オックスブリッジ・アクセント」,BBCのアナウンサーの話す英語などが伝統的な「標準発音」とされており,RP(Received Pronunciation)と呼ばれています。

しかし,RPを話すイギリス人は,3%に過ぎないという統計もあります。

私は,国の情報機関で,イギリスを担当していたこともあり,当時の首相であるサッチャー首相の演説などを翻訳して,レポートした経験があります。

とりわけ印象に残っているのが,フォークランド紛争の際のサッチャー首相が行った演説は,鳥肌が立つような,内容も発音も素晴らしいスピーチだったと記憶しています。

サッチャー首相の演説は,RPで,発音もイントネーションも美しく,さらに韻を踏み,リズムがあり,イギリス人としての強い意志を誇示し,士気を鼓舞する素晴らしい演説でした。

後年,サッチャー首相が上流階級の出身ではなく,下層中産階級からオックスフォード大学に進み,オックスブリッジ・アクセントを体得したことを知りました。

さらに政治家としてRPの発音の個人レッスンを受けて,素晴らしいRP(標準発音)をマスターしたことを知るにつけ,イギリスの言葉と職業の関係について,深い感慨を覚えたものです。

ここで一つ,私たちが学ぶことがあります。それは話し方の訓練をするということです。イギリス人であっても母国語の訓練が必要であり,大変な努力をして,英語の話し方を習得しているのです。

イギリス人が,生まれ育った環境で体得した英語をRPに変えていく努力は並大抵ではないと思います。日本人は,そういう努力は不必要であって,英語の学習を始めたときから,イギリス人あるいはアメリカ人の英語の特徴を身に着けていけばいいのだと思います。

日本語にない音をしっかりと認識する

例えばイギリスのRP(標準発音)では,Helloは,「ヘロー」と,Hの発音をしっかりとします。労働者階級では,Hの発音を発音せず,「アロー」と発音します。

どちらの発音を採用するか,または身に着けるかは迷うことはありません。ヘローと覚えればいいのですね。また,T,D, TH,Fといった日本語にはない発音を,大人になって再学習する時点で覚えれば良いのです。

それらの音を耳で確実に覚えた後は,口に出して言えるかどうかです。口の形,開き方,舌の位置などと,理屈ではなく似た音が発音できるように練習することです。

さらに,その美しいフレーズの発声練習をして,単語やフレーズが口からついて出るまで練習を繰り返すことが,英語を話すためには一番大事なことです。

英会話は音楽と同じように歌う

正しい音を耳で覚え,正しい音ができるまで練習をする。それは,「英語を音楽だ」と思っていただいたほうがイメージしやすいかもしれません。

歌は練習しなければ,うまく歌えませんね。理屈ではなく,美しい音楽のように,英語のフレーズを耳で覚えます。そして美しい曲を歌えることができるように,何回も何百回も音読をする。

英語会話は,音楽で話を交わすミュージカルのようなものです。時には相手の言っている英語が聞き取れなくなることもあると思います。そんな時でも,相手の奏でる音楽はあなたの耳に届いています。

もしかしたらそれは綺麗な和音ではなく,不協和音に聞こえるかもしれません。しかし,その話し方や発音が相手の個性なのです。

少し雑音があろうと,音が変化していようと,アクセントがあろうとも,相手はあなたに何かを伝えるために,懸命に音楽を奏でていてくれるのです。相手の声に耳を澄ましてみましょう。

きっと相手の言いたいことが,イメージとして伝わってきます。それでよいのです。一字一句聞き取れなくとも,相手の言いたいことが大体わかれば会話は成立します。

そして,貴方は自分の気持ちをしっかりと歌い返してあげてください。単語を相手にぶつけるのではなく,歌を歌うように話してください。必ず楽しい会話が成立すると思います。

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