Hi, Jiroです。
これまで単語のDNAということで、単語の繋がりや成り立ちを見ていくと、単語を覚えるのがちょっと楽しくなる意外な意味や語源を紹介してきました。
今日はその流れでcrescent(三日月)とcreate(創造する)という単語のDNAを中心に見ていこうと思います^^
なぜ「三日月」に「月」がないのか
crescentって「三日月」ということですよね。でもちょっと不思議に思いませんか?
「月」ならmoonなのに、なぜ「三日月」だけは moonと全く関係のなさそうな単語になっているのか。
確かに日本語の「三日月」には「月」があるのに、英語のcrescentにはmoonがない。考えてみれば不思議ですよね。
実はあったんです。昔は。
大昔はcrescent と一緒に、月を表すmoonとは別の単語が一緒に使われていたんです。
言わばcrescent “moon”とでも言っていた。
その意味は「大きくなっていく月」そこから 省エネで”moon”が省かれ、
crescentだけが普通三日月の意味で使われるようになっていったんですね。
それではなぜ、crescentが「成長して大きくなる」という意味なのか。またcreateが「創造する」という意味なのか、語源的な所から広がりをさらに一緒に見ていきましょう。
なぜcrescentは「大きくなっていく月」なのか
実はDNAで言うと、crescentにはcre-というようなDNAがあってこれが「大きく成長する」と言う意味なのです。そこからcrescentができているんですね。
crescentは真っ暗闇から、細い月が大きくなってできた「三日月」なんです。
大昔の人は「やっと三日月になった」というような喜びをこの語にこめているのかも。
と言うのは、この私も似たような喜びをよく味わうことがあるからなんです。
このメルマガのアイディアを練るのは、歩きながらが一番多いんですが、
それがたまたま夜で月が出てないととても暗い。
皆さんの所は、夜は街灯とかたくさんあるかもしれませんが、
私の住んでいる田舎は、それほど街灯はない。
だから月が出ているかどうかで夜の暗さに大きな違いがあるんです。
三日月でも結構明るいし、満月だとスポットライトみたいなんですね。
夜道を歩くと、月の光の中で、いい気分でいいアイディアも浮かびやすいw。
さて話をcrescentに戻すと、
このcrescentをフランス語で言うとcroissant。
そうです、あの「クロワッサン」。そう言えば三日月の形してますよね。
「大きく成長する」が「創造する」?
このcrescentと繋がりがあるのが、冒頭で挙げたcreate「創造する」です。
「大きく成長する」と「創造する」と繋がりがあるわけです。
でもここでまた、ちょっと不思議じゃないですかね。
「大きく成長する」と「創造する」ってつながっているのかなあと。
「大きく成長する」ではただ大きさが増えるという分かり易いイメージなのに、「創造する」だと全く新しいことを生み出すようなちょっと飛躍したイメージですよね。
もとはと言えばcreateが「大きく成長する」という意味のDNAを持ってるからなのです。
ではどうして「大きく成長する」と「創造する」という意味が結びついたのでしょう。
実はこういうちょっとした意味の飛躍は、英語ではごく普通に起きているのですね。
分かり易い例はいろいろな「熟語」です。
例えばput onという有名な熟語があります。「着る」とか「(明かり)をつける」とか言う意味。
これみなput on 「上に(ぴったり)置く」という元の意味が少し飛躍してできているんですね。
まず「着る」なら、「体の上に置く」からすっと飛躍して所謂「着る」とか「はめる」になる。
put (置く)+on(体にぴったり上に)→ 「着る、(手袋を)はめる、(パンツ等を)はく」
「明かり等をつける」という意味もありますが、これは「電線がくっつくように置く」から。
put (置く)+on(電線をぴったり上に)→ 「明かりや電気をつける」
こういう風に具体的な一つの意味が、すっと飛んで別の意味に広がるっていうのは他にもいろいろある。createの場合も同じように意味が広がったと考えてよさそうです。
この様に<大きく成長する>と<創造する>との結びつきが、英語に見られるのですが、
これってちょっと意味深ですよね。
なぜって「毎日の生活」と「創造」とが結びついているとも(強引に?)言えるわけですから。
こんなことも語源を辿ると分かる面白い副産物の一つです。
楽しんで単語を!
最近知った数字なのですが、英語の勉強で何かを教材として読む場合、
「嫌なもの」を読むのに比べ
「面白いなと感じるもの」を読むのとでは、
その効果の差は…
「20倍」
だそうです!
これってすごすぎますよね。
3週間いやいややるのと、ワクワク一日やるのが同じということなのですから。
英語の単語もたくさんだな~と思うかもしれませんが、
みな言葉を話す人間がだんだんに生み出してきたもの。
単語帳で、ぽつぽつ無理に頭に叩き込もうとするのもいいけれど、
今回のように繋がりや広がりを辿っておもしろさを感じていければ、
学習の効率も、きっとうんとupなのかもしれませんね!
See you soon!
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員