1974年アメリカ留学で入った大学には、年中利用可の温水室内プールがありました。
そんな温水室内プールに、初めて泳ぎにでかけた時のこと。
準備体操の後、シーズンオフでコースロープなしの広い水面に浸った途端、あれっと思いました。水面下が何だか変。どうも一方の端がすごい深さのようなのです。2メートル以上は絶対ありそう。(最初飛び込み専用プール?と思ったくらい)
深い方へゆっくり歩いてみました。身体全体を浸して見通すと、底へ暗~く落ち込んでいく感じ。
段々深みへ傾いている水底を見るのは初めての私。留学の心細さと水の恐怖感が一度に湧いてくるような身震いが少~し。
プールサイドの人に聞くと、学校のプールならどれも似てる。 shallow end(浅い端)とdeep end(深い端) があったと言うのでさらに驚
(どこでも足がつくのが学校のプールのはず…)深すぎて危険では?と尋ねれば、自分で無理しなければいいと、あっさり。自分で考えろと教えられてきたし普通救助員がいたとも。
<泳きは誰の責任?>
思い出したのは、大学の近所の川べりで見かけた一つの掲示板。
Swim at your own risk.
(泳ぐリスクは自分で)
(川もプールも泳ぐ責任は自分にある、なのかな。日本ならどうだろう。「この川遊泳禁止」と掲示したかも。プールだって、アメリカみたいな構造は学校に作らないだろう…そうか日本では危ないことは最初からできないようになっている?) いろいろな考えがめぐりました。
危ない物は最初から作らない日本。リスク対応は個人のアメリカ。はっきり違うなあと思いました。
<水を舐めてないか、日本人?>
違いの印象が強烈だったプールから上がった後、気になりだした一つのこと。それは日本の学校プールが安全過ぎて、逆効果ではということ。日本人は水を舐めてるところはないでしょうか?
例えば毎年夏になると報じられる数々の水の事故。(日本の溺死者は世界有数らしい。浴室溺死が大
多数にしても、怖~い学校プールにして危機感を育て、広く水の事故対策をするべき) なんて思う
の私だけ?
留学時のプール体験は、自国の文化や考え方を見直す良い機会でした。
他国の文化に直接どっぷり浸るのは当面無理かも。でも今も英語は学べます。
英語の学びを通し、日本の文化や価値観を見直し深められると良いですね。
See you soon!
Jiro
追伸:2011年に溺死者は日本で約9000人。第一位(11,981人)のロシアに次ぐ。(人口はロシアが150万ほど多い。)溺死の多い国、日本 水難学に関する国際会議で何がわかったかより。
https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20191124-00152140
アメリカの方は、年間約3400人。人口は約2倍半。
USA Drowning Statistics – The Facts And Statistics
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員