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奇跡を起こす魔法の言葉スパカリ

World Lifeな生活
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久しぶりに友人を自宅に招き、昼食を共にした。
コロナ禍で自粛、自粛の生活をしていたので、積もり積もった話で盛り上がる。

珈琲を入れたところで、お気に入りのBlue Rayの音楽をかけようとTVをスイッチオンすると、いきなり聞き慣れた英語の「魔法の言葉」が聞こえてきた。

魔法の言葉が聞こえてきたという表現も、おかしいかもしれないが、Swatchにとっては、
中学の時に同級生と必死になって覚えた英語だったので、「え?」という感じ。

なぜ英語の魔法の言葉がテレビから流れてくるのか不思議で画面を見入ると、11人ほどのスタイル抜群の男性が踊りながら、その呪文を唱えている。

韓国の芸能エージェントと日本の吉本興業がコラボしたグループ「JO1」(ジェイオーワン)という人気グループらしい。

画面に字幕がでていて、懐かしい魔法の言葉が音楽とともに流れている。
Supercalifragilisticexpialidocious! 俺を目覚めさせる自由なFeeling… ♬と歌っている。
「スパカリ」という曲らしい。

<スパカリって、何?>

この魔法の言葉、“Supercalifragilisticexpialidocious“(通称、「スパカリ」)は、1964年に公開されたディズニーのミュージカル映画「メリー・ポピンズ」の中の曲のタイトルです。

そのスパカリをJO1が「SuperCali」というタイトルでフューチャー。
世界のポップスファンは、2,000万回も動画を見ているらしい。

世代を超えて、共通な話題が増えたというのも楽しいものですね。
今回は、このスパカリをSwatchの経験を含めてお話ししたいと思います。

映画の主演は、「サウンド オブ ミュージック」などで有名なジュリー・アンドリュース。初めてハリウッド映画に主演し、メリー・ポピンズでアカデミー主演女優賞を獲得しました。

魔法の使えるメリー・ポピンズというnanny(ナニー:住み込みの家庭教師)が、黒い傘にぶら下がり空から降りてくるシーンは有名です。

Wikipediaより

さらに、メリー・ポピンズは、「チム・チム・チェリー」でアカデミー主題歌賞も受賞。作曲賞、編集賞、視覚効果賞の5部門で受賞しました。

2013年には、アメリカ議会図書館に、「文化的、歴史的、美術的に重要な作品」として、所蔵されています。つまり、アメリカの文化の古典になったのです。

1910年のロンドンに住む銀行家のバンクス家の物語。ディズニー映画で、子どもが大喜びする映画ですが、私は防衛省の英語教育で教材として使っていました。

<Supercalifragilisticexpialidociousって、どういう意味?>

この英語の魔法の言葉、34文字からなる英語の単語です。最も長い英単語の一つとして、辞書にも乗っています。「最も有名」で、長い英単語と認識してください。

読み方ですが、「スーパーカリフラジリスティックイクスピアリドウシャス」と読みます。これをよどみなく音読できれば、気分がすっきりして、急に英語が話せるように感じます。

それぞれの意味は、以下の通りです。
Super (スーパー) 凄い、すばらしい
Cali(カリ) 美しい
Fragilistic(フラジリスティック)繊細な、壊れやすい
Expiali(イクスピアリ) 贖う
Docious(ドウシャス) 洗練された、学ぶことができる

「綺麗で、繊細で、教養があって、洗練された素晴らしこと」(筆者訳)という意味。

ぜひ、WEBで探して、この映画の場面をご覧ください。楽しくてワクワクします。
さらに、あなたも声を出して練習して、暗記してください。

<困ったときに使う、魔法の言葉!>

これからこの魔法の言葉の体験をお話ししましょう。

映画の中では、メリー・ポピンズがこの言葉の効用を次のように述べています。

So, when the cat has got your tongue
だからね、言葉に詰まってしまって、何も話せなくなってしまった時でも
There’s no need for dismay
落胆することはありません
Just summon up this word
ただこの言葉をとなえるだけで
And then you’ve got a lot to say
言葉が沢山頭に浮かんで、ペラペラと話すことができます

一行目の”the cat has got your tongue”は、直訳すると「その猫があなたの舌をかんだとき」になりますが、「言葉が浮かばなくて沈黙してしまうこと」を言います。

Swatchは、実はこのセリフが大好きです。自分が英語を学習し始めた時に、なかなか自分のことを表現できない、英語が浮かばないという経験をしていました。

大人になって、メリー・ポピンズを観たときに、イギリス人が自分の気持ちを言葉にできずに困っているシーンを見つけたのです。イギリス人でも言葉が出ない時があるんだ!という感じです。

映画のシーンに感情移入し、この言葉を同じスピードで発音できるように何度も練習したものです。

防衛省の通訳官を務めていたころのお話です。アジアの6か国が集まり、災害発生時に各国の軍で協力しようという会議をしました。そこで私は、通訳団長として通訳全般を所掌していました。

会議主催国の日本の目的は、しっかりとした体制を作ることで、MEMORANDAM(メモランダム:覚書)を締結することでした。覚書の締結によって各国は迅速に協力ができることになります。

形を大事にする国策の方法です。各国の担当者は、中佐、少佐といったベテラン。日本は、メモランダム締結を主張していましたが、会議では関係の重視にとどまる方向に流れていきました。

会議の流れや雰囲気を、日本の担当者に的確に伝えるのも通訳団長の大切な仕事です。
私は、流れが日本側の意図と違う方向に行きそうなのを感じていました。

休憩時間で、通訳レポートをまとめているときに、思わず口をついてでたのが、、、、、
“Supercali!”でした。実際には、ため息っぽく、「スパカ~~」という一言だったと思います。

その瞬間、テーブルの真向いにいたアメリカ陸軍中佐が、私をみてこうつぶやいたのです。

“Spercalifragilisticexpiaridoucious !  What’s up,Chief?”
「スパカリフラジリスティックイクスピアリドウシャス。どうしたんだ、団長?」

「え?!」 と驚く私にその中佐は、“What’s up!”「どうした」と繰り返し、「スパカリ」は、なにか困ったときに言う魔法の言葉じゃなかったかと、手を差し伸べてくれたのでした。

私の考えている問題点を話し、どういう方向に会議の流れを持っていくかを議論し、休憩を終えました。会議参加者と直接話す時間が取れ、少し気分が楽になったのを覚えています。

休憩後、米陸軍中佐は、会議の冒頭で、「各国の関係を緊密にするのは究極の目的であり、メモランダムはその基礎となり重要である」と発言したのです。

会議の潮目が一気にメモランダムの締結に変わりました。私にとっては、奇跡の瞬間でした。
あなたもこのスパカリを覚えて、つぶやいてみたらどうでしょうか。奇跡が起こるかもしれません。

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