こんにちは
ニューヨークのKayoです。
前回からお話している、英語の諺(ことわざ)シリーズ。
今回も、日本語と英語の両方で似たようなものが有り、なるほどな、って興味深かったものをいくつかご紹介していきますね。
英語を読んで、日本語の諺を想像してみて下さい。
The shoemaker’s children go barefoot
まず1つ目、
The shoemaker’s children go barefoot / ザ・シューメイカーズ・チルドレン・ゴー・ベアフット
靴屋さんの息子が裸足で駆け回っている、っていう、想像しただけでもなかなか可愛らしい様子ですね。
「人様のお世話に明け暮れ、自分のことが何もできていない。」ということで、
日本語でいう、
「紺屋の白袴 / こうやのしろばかま」
染め物屋さんが自分のは染める時間がなくて、白いままで履いてると言うのも、面白いですよね。
「医者の不養生」「髪結い髪結わず」なんかもそうですね。
とにかく毎日仕事で忙しいと、仕事に明け暮れてそうなっちゃうかもしれない。たまには、自分の周りを見まわす時間があるといいですね。その時間を、作りましょう。
Fortune and misfortune are two sides of the same coin.
お次は、
Fortune and misfortune are two sides of the same coin. / フォーチュン & ミスフォーチュン・アー・トゥー・サイズ・オブ・ザ・セイム・コイン
直訳すると「幸運と不幸は、同じコインの両面にある」
これは日本語でいう、
「禍福は糾(あざな)える縄のごとし」
禍(災い)と福(幸運)は、撚り合わせた縄のように表裏一体であり、交互に訪れる、という意味。災いから幸運が生まれることも、幸運から災いが訪れることもあるため、一喜一憂せずに、物事を冷静に見るべきという教訓。
このことわざ、日本では、なんと「ドラえもん」にまで登場したそうですね。「サイオー馬」の巻だそうですが、覚えておられるでしょうか。
悪いことがあったとき、この馬に蹴られると良いことが起こり、ただその逆しかりで、良いことがあった後に蹴られると、悪いことが起こってしまうとか、人間万事塞翁が馬、ですよね。
確かに、自分がとんでもなく苦しい時に、この後に、絶対この苦しさと同じ位のハピネスが待ってるはず!って思えたら、しめたもんですよね。その苦しさを糧に、そこから何かを学んで、次のステップに進めばいいんです、少しずつ、できる範囲で。
そしたらきっと自然と運が開ける。ポジティブ(プラス)思考でいこう!
うん、そうできそうな気がしてきた。
The good die young
3つ目は、
The good die young / ザ・グッド・ダイ・ヤング
これは日本語でいう
「佳人薄命」「才子短命」ですね。
「いい人は早く死んじゃうものだ」って、英語でも、よく似たものがありました。
だんだんと人生を重ねてくると、訃報を聞くことも多くなってきます。そのたびに頭に浮かぶのが、この諺です。
Ill weeds grow apace
Ill weeds grow apace / イル・ウィーズ・グロー・アペース
イル・ウイーズで、邪魔な雑草の意味、アペースは、ぐんぐん。
「ジャマな雑草はぐんぐん育つ」
ということで、日本語で言う
「憎まれっ子世にはばかる」
っていう、同じような意味で逆の言い方をする諺もありますよね。それも、英語でもちゃんと、同じようなのがありました。まぁ同じような意味だと言うことで、よしとします。
Ignorance is bliss
本日最後は、
Ignorance is bliss / イグノアランス・イズ・ブリス
直訳すると「無知は至福」、まさによく行ったものだと思います。
日本の諺では、
「知らぬが仏」
ずいぶんと前のことになりますが、ニューヨークで、ナインイレブンの世界貿易センターテロ事件があった時、ニューヨーカーがずいぶんとうつ病になってしまったので、メンタル・クリニックのドクターが無料のセミナーを開かれたことがありました。
その時にとても印象に残ったのは、
「とにかく見ているテレビを消しなさい、ニュースを見ないこと」
とおっしゃっていました。
最近のアメリカは、とてつもないことになっていて、見れば見るほど心が萎えてしまうようなニュースが続きます。
なので、あえてここで、そのドクターのお話を改めて皆さんにも伝えたい。
情報として、いったい世界がどう動いているのか、知っておきたいとは思いますが、でも今日明日のテレビのニュースを聞いて、自分が落ち込んだからといって、世界が良くなるわけではない。世界には何の影響もないのです。
テレビを消しましょう。そして、身近な幸せを考えましょう。
今日の晩御飯は、サーモンのグリルにしよう、バターをたっぷり乗せて、レモンをぎゅっと絞って、パセリを添えて、そうすれば、今夜のディナーは、きっととっても楽しくなりそう、とか。私はそうしています。
今日も、読んで下さってありがとうございました。次回もぜひお楽しみに。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。