朝晩はちょっと寒さを感じるようになった東京ですが,
皆様の地域ではいかがでしょうか。
なんだか,今年はいきなり「夏→冬」になったような気温で,
「秋はどこ行った?」
って感じがしませんか?
ついこの間まで,あんなに「猛暑」「猛暑」と言っていたテレビも
「この冬のマストアイテム!」
なんてことを言っていたり。
ん?
でもこの「マストアイテム」って言葉に
「ちょー,待てよぉ!」
と,キムタクばりのセリフが出てしまいそうになる私。
さて,あなたはそれがなぜだかわかりますか?
― “must”って―
ご存知の通り, “must”とは
「〜しなければならない」
「〜にちがいない」
という意味で使われますよね。
特に
「〜しなければならない」という義務的なイメージが強いと思います。
そこに,「品目」などを表す「アイテム」という言葉を付けて
「絶対に持っておかなくてはならないアイテム」
という意味で,
“must item”としているのだと思うのです。
でも,でもですよ!
“must”って助動詞なんですよね。
「助動詞」とは読んで字の如し,
「動詞を助ける役割」をする品詞。
“must go”「行く」「しなければならない」=「行かなければならない」
“must study”「勉強する」「しなければならない」=「勉強しなければならない」
のように,動詞の原形である “go”や “study”などを補助して,
「◯◯しなければならない」
と表現を広げているのが “must”という助動詞。
だから “must+動詞” となるんですよね。
でも “item”は名詞。
“must item”は,ただの英単語を並べただけで,「英語表現」としては成立しないのです。
ではどう言えば良いか。
簡単に言えば,「 “must” の次に動詞の原形を持ってくれば良い」のです。
「必ず持っておかなければならない(持っておくべき)アイテム」
であれば,動詞の原形の “have”を使って
“must have item”。
・
・
・
・・・としたいところです…
が!!
〚[持っておくべき]…アイテム〛
の“item”(アイテム)は,名詞です。
その前に「持っておかなければならない(もの)」という形容詞(または名詞)の役割をもたせるためには
“must-have”のように間に「 “ – “ ハイフン」を入れて1つの単語のようにする必要があるのです。
なので,
“must-have item”
とすることで, “must-have”が後の “item”を説明する形容詞の役割になり,
「持っておかなければならない(持っておくべき)アイテム」
と表現することができるんですね。
―他にもあるある “must-◯◯”―
日本で言う「マストアイテム」のことを英語では,
“must-have”
“must-have item”
と言い,
“This MacBook Pro is a must-have for me.”
(私にとって,このマックブックプロはマストアイテムです。)
にように言うことができます。
でも,それだけではないんです。
「絶対に持っておかなければならないもの」が
“must-have”
で,「持つ」= “have”が使われていますよね。
では,
「絶対に食べておかなければならないもの」はどうでしょうか。
そうです!
“must-eat”
です。
“Kawara-soba is a must-eat dish when you visit Yamaguchi prefecture.”
(山口県に行ったら,瓦そばは食べなきゃだよ。)
そうとなれば,いろんな動詞で言えますよね。
“English is a must-learn language.”
(英語は絶対に学んでおくべき言語だよ。)
“Have you finished making your must-do list?”
(やらなきゃいけないことリストは作り終わった?)
“Craig David’s new album “22” is a must-listen album for me.”
(クレイグ・デイヴィッドの新アルバム22は,私にとって聞かなきゃいけないアルバムだ。)
“Kobe is a must-visit place in Japan.”
(神戸は日本で訪れるべき場所だよ。)
のように, “must-◯◯(動詞)”を入れるだけで,いろいろな表現ができちゃうんですね。
これだけでも,グッと英語の表現力が広がる気がしてきませんか?
日本でよく聞く,「マストアイテム」という言葉ですが,英語で言う場合は
“must-have”
“must-have item”
私たちがよく使うカタカナ英語って,実は「伝わらない」「伝わりにくい」ものも多くあるんですよね。
だからこそ,違いを知って「使う」という知識も大切になってくるのだと思います。
ちょっとした「ウンチク」もドヤ顔で言えますしね(笑)
(あれ?私だけ?っw)
さあ,次回は
“must” と “have to”ってどう違うの?を書いていきたいと思います。
お楽しみに〜!
それではまた来週〜♫
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。