人と会うのは、楽しいです。
初めての人との出会いは、新たな縁が生まれると考えると、わくわくします。
友人と会ったときに、今まで見たことのない友人の一面を知るのもドキドキします。
人と会うときに、英語ではmeetを使います。
日本では、「会う」という英単語を中学校で“meet”で最初に覚えます。(現在は小学校)
そして人と会うときは、全てmeetで表現できると思われがちです。
“Hey, Let’s meet soon!”と電話で言われたら、あなたならどう反応しますか。
Swatchは、
“OK!See you later!”
(了解。じゃあまたね)
といって電話を切ろうとしたら、
“Hey, listen!”
(待て、話があるんだ)
と返ってきました。
“え、どういうこと???????!”
確かに、meetは「人と会う」ことですが、seeとは明らかに違う意味があるのです。
<See you later!は、「後で会いましょう」ではない>
最初に、Swatchが電話でいった“OK!See you later!”について説明しましょう。若い頃、丸暗記した英語のフレーズは、大人になって使ってみると意味がずれていることがあります。
See you という挨拶も、「会いましょう」と覚えていたので、文末にlater(後で)、soon(すぐに)が付いていると、そのままの意味で、「後で会う、すぐに会う」と直訳していました。
笑い話ですがlaterって、「何分後に会うのか」をアメリカ人に聞いたこともあります。
See you soon!と言って別れても、すぐに会うっていつ?と疑問に思ったりしたものです。
英語が、TPOや文脈で考えて理解すべきだということや、overstatementといって、大げさに表現(誇張表現)して心を伝えようとする文化的背景を理解するのも大切です。
“See you later” の場合は、「後で会おう」ではなく、「じゃあまたね」と言っていたにすぎないのです。
英語は、論理的で正確な言葉であるとの思い込みや、英語崇拝的な日本人の考えが、英語習得の邪魔になっていたと痛感します。
英語の表現は、使いやすさ、伝わりやすさが、日常生活に取り入れられて進化していったものだと思います。そういった感覚を身に着けることも英語を話すうえで必要だと感じています。
<Let’s meet! は何か問題があるときに使う>
さて、“Hey, Let’s meet soon!”と電話で言われたら、あなたならどう反応しますかに戻りましょう。
アメリカ人から、“Let’s meet soon”と言われたときは、注意しないといけません。
“See you soon!”や“See you later”の「またね!」という挨拶として受け取ってはいけません。
See you に続く“soon”(すぐに)“later”(あとで)は、会話の中では、「急いで会う」とか「後であう」という意味ではなく、「そのうち、またね」という別れの挨拶になることは前述しました。
”Let’s meet soon!” は、形は似ていますが、別れの挨拶ではありません。
実は、差し迫った事情や問題が相手にある時に、使うフレーズなのです。
文字通り、「すぐに会おう!」という申し出なのです。
友人のアメリカ人は、深刻な問題で私に相談するために会いたいと言ってきたのです。
それも、今すぐ対面して話したいということだったのです。
meetは、会うことですが、何かの目的をもって会うことを意味するのです。ビジネスでmeetするのであれば、しっかりと話し合わなければならない問題や課題があるということなのです。
それを明確にするために、ビジネスで会う必要がある場合は、話し合う理由を特定して、meet for~を使います。~に理由や問題点を入れ、会う目的を明確にします。
Let’s meet for tomorrow’s event!
(明日のイベントの打ち合わせで会いたい)
となります。
ビジネス以外で、恋人にmeetを使って、会うことをお願いすれば、少し深刻なことになります。meetは、特別な目的があって恋人に会うことを意味するからです。もしかすると、別れ話かも!
“Let’s meet for dinner”
なんとなく「夕食一緒にしよう」といったつもりが、恋人には、「実は大事な話があるのだが、夕食でも食べながら話したい」というように伝わります。
“What do you want to do?”
(でも何の要件なの)
と返答がきます。
この会話、二人の関係がちぐはぐになっていませんか。
<meetは、初めて会うこと >
イベントやパーティなどで、人と会い挨拶をする。楽しいですね。
その時の決まり文句は、“Nice to meet you”「会えてうれしいです」ですね。
meetは、「何か目的をもって会うこと」と説明しました。さらに、この場合のように、初めて会うときに、meetは使われます。これポイントです。
“Nice to meet you”は、「はじめて会って嬉しい」ということになるのです。つまり、「初めまして」ということなのです。無理して、「会えてうれしいです」と訳す必要はないのです。
そういう意味で、次の会話を考えてみましょう。
“When did you meet Tom?”
(トムと初めて会ったのはいつだったの)
“We met 3 years ago! ”
(僕たちがあったのは、3年前だね)
私たち日本人が考えているmeetと少し時間間隔がずれてきましたね。
最初に会うこと、最初に会った時間が、meetの中に含まれているということです。
<When did you meet her last?>
それでは、次の会話はどうでしょうか。
“When did you meet her last?”
(最近、彼女に会ったのはいつですか)
“I met her two weeks ago”
(彼女に最後に会ったのは、2週間前だね)
直訳では、「最後に彼女とあったのはいつですか」という意味です。meetを使っているので、このフレーズにも、何かの目的があって会っているという意味が含まれます。
meetの中には、何かの「目的のために」、「初めて会う」というニュアンスがあるということです。日常会話の中で、meetはあまり使われないということが分かります。
I’ll meet you は、(大事な要件で会う予定だ)
I met her yesterday (彼女に昨日初めて会った)または、(彼女に昨日重大な要件で会った。)
日本人の考えと、微妙にずれていることが、お判りいただけたでしょうか。
基礎単語ほど、意味や使い方に注意をしなければなりません。
それでは、日常的に会う場合はどの単語を使えばいいのでしょうか。
前述した“See you later! の動詞であるseeを使えばよいのです。
seeは、もともと「観る、見る」を表す言葉です。実際に相手を見るということから、日常的に
「会う」という意味が追加されたものです。
meetの使い方、いかがでしたか。本来の意味を知って使うと効果的に表現できます。
日常会話で使う「会う」は、see以外にも表現が多くありますので、あらためて紹介します。
お楽しみに!
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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