日本人に人気の観光地、韓国。
日本からも気軽に行ける距離だし、空港や買い物では英語どころか日本語でも通じる位に便利だし。特に女子はショッピングにエステ、美味しい食べ物と好きな物がつまっている。
ただ、唯一困ったのがレストランだった。
「看板が…全然…読めない…。」
<このお店であってる??>
韓国といえば、参鶏湯にスンドゥブチゲ、カルビに牛テールスープと美味しいものがたくさん!
私たちも、食べたいものをリストアップ。ガイドブックに載っている所もいいけれど、やっぱり私は観光客向けの所より、隠れた人気店や地元の人たちがよく行くお店に行きたい。
それを知るには現地の人に聞くのが一番!ホテルのコンシェルジュでオススメのお店を教えてもらう。
紙にお店の名前を書いてくれたのだが、アルファベットと一緒にハングル文字も書き始めた。
私は「ハングル文字は読めないから書かなくてもいいですよ」と伝えると、「アルファベットが書いてない所もありますから」と言って書いてくれる。
その時は「へえ、そうなんだ。」位にしか思ってなかった。ところが、街を歩き出して気づく。
「ホントだ。看板が…全然読めない…。何て書いてあるんだ?」
ローカルなお店や飲食店の看板はハングル文字のみの所が多い。
これまで色んな国に行って、もちろん英語圏でない国にも行ったが、大抵は英語表記もあるか、現地の言語でもアルファベットに近い文字のため何となく分かった。
中国では英語表記は少なかったが、漢字の看板なので簡体字とは言え大体分かる。
ところが、韓国ではアルファベットでもなく、漢字でもない、記号のようなハングル文字だけ。
最初はそんなに気にしてなかったが、お店に近づいていても「あ!あれだね!」と見つけることができない(;^ω^)
看板は出ているのかもしれないが、ハングル文字を知らない私たちには同じような記号にしか見えない。
路地裏の小さなお店だとなおさら「この道あってるのかなぁ」と不安になる。そして、目的のお店の前まで来てもまだ「このお店だ!」と確信はもてない。
お店は目の前だというのに入れない。立ち止まって、看板の記号のような文字を一文字一文字、見比べてそれでやっと「ここで大丈夫だよね?」という状態でドアを開ける。
中に大勢の人がいたり、食べている物があっていてやっと「ここで合ってたんだね」と安心できた。いや。最終的には「お店違っててもどうせ分らないし、美味しければいいか」という境地に至る。
それと同時に思った。「日本に来ている外国人の人達も同じように感じているかも」と。
<やっと英語が通じた!>
その時私は、京都のゲストハウスで働いていた。お客様の9割以上は外国人のバックパッカー達。
そのため、フロントでも電話に出るのも最初から英語で話す。
入って来たお客様に
”Welcome to Kyoto! Would you like to check-in?”
と声をかける。
すると、日本に着いたばかりの人は大抵
”Oh! Good! You can speak English! Thank you!”
と安堵したような表情になる。
「さっき日本に着いて、ここまで誰も英語を話さなかったの。良かった~。英語が分かる人がいて。」と堰を切ったように話し出す。
「空港の駅員さんは英語話すでしょ?」と私が言うと、「ううん。No English!って首を振られたわ。ここまで本当に大変だったの」
そのゲストハウスは、京都駅から徒歩圏内とは言え細い道を入ったりして分かりにくい。
外国人観光客の多い京都でも大きな通り以外は英語の標識も少なかったり、周りの看板も日本語表記のものが多かったりする。老舗のお店や和食レストランは特にそうだ。
初めての土地で、英語も通じず、見える看板は日本語だらけではきっと心細かったに違いない。私が韓国で不安に感じたように…。
滞在中のお客様でもそうだ。バックパッカーの人たちは、普通のホテルよりも、どこで見つけてきたかというような山の中の旅館やネット予約をしていないような小さな宿、お寺の宿坊などに泊まりたがる。
日本食を食べたいと思う人も多く最初は自分で予約の電話をするが、英語が通じず私たちの所へ助けを求めてくる。
「ここの宿に泊まりたいんだけど、日本語しか通じないみたいで…。」とか「この日本食レストランに電話したけど言ってることが分からない…」とか。
不安そうな彼らの様子をみていると、添乗員をしていた時の日本のお客様みたいだなと思う。
「日本人が海外に行って不安な様子と一緒だなあ。やっぱり知らない土地では外国の人たちも不安なんだな。」そう思うと何だかかわいく見えてくる。
私たちが、初めて海外に行ったり、初めて訪れた国で不安を感じたりするのと一緒で、日本に来た外国人の人たちも同じように不安を抱えているのだ。特に日本は英語を話さない、又は話そうとしない人が多いから余計に困るのだと思う。
もちろん私たちは、困っている彼らの代わりに電話をして予約をとったり、質問を聞いたりするのだが、これって英語が聞き取れれば誰でもしてあげられる事じゃないかなぁと思う。
英語力はいらない。だって電話の相手は日本人で、普段自分もしているような事。それを代わりにしてあげるだけで相手は助かってめちゃくちゃ喜んでくれるのだ。
会話にしてもそうだ。私が言ったのは’’Welcome to Kyoto! Would you like to check-in?”だけ。その一言だけで、安心してお礼を言ってくれた。
これも誰でもできることじゃないかと思う。町で困ってそうな人を見たら ’’Welcome to Japan! Can I help you?’’ これだけで、不安を感じている外国人の人たちは安心する。
それでも「いやぁー、私にはムリムリ。その後の英語が続かないよ」って思いますか?
では、もう一つ。重要な事実を。
「日本に来ている外国人は、英語ネイティブの人たちばかりじゃない。むしろ、それ以外の人たちの方が多い」
ということ。
外国人、特に欧米諸国の人たちを見ると、なぜか「みんな英語がネイティブな人たち。」または「英語が完璧な人たちだ」と思ってしまいませんか?
もちろん英語圏の人や、ネイティブ並に英語が上手な人たちもいますが、私がゲストハウスで働いていて分かったのは「意外と英語を話せる人は多くない」ということ。
片言の人や英語が全く話せない人もたくさんいるんです。私たちも英語が話せなくても海外旅行に行きますよね?それと同じ。
ということは、お互いに英語は第二言語。相手の英語も完璧じゃないからこちらも完璧じゃなくてもOK! ゆっくりでも、片言でもOK!
第二言語として学んだ者同士、片言の英語でもなぜかよく分かり合えるという部分があります。
そして何より彼らは「現地の人たち、(つまり私たち)と話したい!」と思っている!私たちも海外に行ったら「現地の人たちと話してみたい!」と思うのと一緒。
これはおしゃべりを楽しむというより、交流を楽しむ感じなので、言葉は二の次。一緒に楽しめればそれでいい。むしろ、言葉が通じない状況の方が楽しい感じだ。
私は旅の楽しみって、「何を見た。」とか「何を食べた。」とかもあるけど、一番の楽しみは「現地の人とのふれあい」だと思うんです。
お互いに身振り手振りで会話して、笑いあう。それは、日本人であっても、外国人であっても同じこと。
ちょっとマニアックな食べ物や、自分が好きなお気に入りの場所など教えてあげるとすごく喜んでもらえます。だってそれは、ネットやガイドブックでは見つけられない、あなたに出会ったからこそ得られた彼らにとって貴重な情報、そして体験。
難しい事は何もないんです。ただちょっと声をかける勇気があれば。
’’Can I help you?’’
その一言から、あなたも、声をかけてもらった外国人も素敵な体験が始まるかもしれません。
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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