私,
自分は結構ストレスには強い方だと思っていたんです。
当たり前のことですが,仕事をしていると,色々ありますよね。
もう随分と長いこと社会人をやっているのに,今回ばかりは,初めての経験。
そんなある日,突然呼吸困難になり汗がぐっしょり…でも数十秒で元に戻る,を繰り返していました。
原因はまさかのストレス。
職場にそれとなく伝えると,
すぐに,
“Please get some rest now!”
との反応。
「あー,ありがたいな。」と思うと同時に,“rest”と “break”の違いってまだ書いてないな,と思ったんです。
あなたはこの違い,わかりますか?
―あの有名なフレーズで考えよう!―
いやー,自分はストレスに強いって思い込みだったのかもしれません。
かなり力を入れて取り組んだんですけどね,
「燃え尽きた…真っ白は灰に…」というあの名シーンが頭によぎったワタクシ。
と同時に,「休むって大事だなぁ。」と思う今日この頃です。
さて,この「休む」ですが,あなたはどんな英単語を思い浮かべますか?
“rest”? それとも “break”?
どちらも「休む」という意味で使われる語ですよね。
昔,テレビCMで
“Have A Break! Have A Kit◯◯◯!”
と言っていたのを覚えていらっしゃいますか?(今でもあのセリフ,CMで言ってるのかなぁ。)とオフィシャル動画サイトで見てみたら,音声でのセリフはないけれど,隅っこに
“Have A Break. Have A Kit◯◯◯!”
って書いてありました。
さて,ここでは “break”が使われていますよね。
まさにこのフレーズが,“break” のニュアンスを掴むのにとってもわかりやすいんです。
というのも,このCMは受験生など頑張っている人に対して
“Have a break! Have a Kit◯◯◯!”
と言っています。
受験生をはじめ,勉強や仕事など根を詰めて頑張っているその時に,
“Have a break.”(休憩して!)
と言っているんですね。
“Have a break.”の “break”は名詞ですが,動詞では「破る」という意味も。
勉強や作業など,「集中してやっていること」,そして「これからも続けるであろうこの動作」を途中で「破る」ということをイメージしてみてください。
こんな感じのイメージ。
「作業の流れを破る」ことで「休憩」してますよね。
このようなイメージで,息抜きのような短時間の「休み」が “break”なんです。
だから,あのチョコレートは
“Have A Break! Have a Kit◯◯◯!”
(休憩しよう!そしてキット◯◯◯を食べよう!)
と言って,「ちょっと休んで,チョコでも食べたら?」と言っているんですね。
ほら,私たちもよく使うじゃないですか!
「コーヒーブレイクしよう!」って。
英語で言えば,
“Let’s have a coffee break!”
“Let’s take a coffee break!”
(コーヒー休憩をしよう!)
のように “have”や“take”を使って表現することができます。
ですので, “break”って「ちょっと一休み」というイメージです。
あ,CM前の一休さんですよ。(古っ!←わかった人います?)
―じゃあ “rest”は?―
調子が悪いと言った私に対して私の職場からは,
“Please get some rest now!”
(今すぐ休んでください!)
との返答がありました。
この状況は,「私=体調がすぐれない」ですよね。
ということは, “break”のように何かを中断して「ちょっと休む」というわけにはいきません。
職場からの意味は,「しっかりと休んでください」
ということ。
なので,”rest”とは「仕事など,していたことをすべて止めてしっかりと休むこと」なんです。
“break”が「休憩」
のようなニュアンスだとすると,
“rest”は「休息」
という感じでしょうか。
“break”よりもしっかりと心身を回復させる,そんな「休む」が “rest”なんですね。
“I think I have a cold. I should rest this weekend.”
(風邪をひいたみたい。週末は休んだ方がいいと思う。)
などのように使います。
― じゃあ「トイレ」もそうなの?―
“rest”が「しっかりと休むこと」であれば,主にアメリカでトイレを表す“restroom” って「休む部屋って意味?」と思われた方,
するどいっ!
調べたところ,1880年代頃,職場や公共施設などには「静かに休息するための部屋」があり,それを “restroom”と呼んでいたそう。
最初の頃はトイレはついていなかったそうなのですが,その後は
「トイレ付の “restroom”」
が増えていったのだとか。
そして1930年代には,「トイレ」を遠回しに言うために “restroom”という言葉が使われるようになり,だんだんと「トイレ」という意味として使われるようになったのだそう。
あー,日本で言えば
「お手洗い」や「化粧室」のように遠回しに「トイレ」というような感じだったのですかね。
いやー,私はアメリカで何も考えずに
“Can I ask you where the restroom is?”
(トイレはどこですか?)
なんて言っておりましたが,そういうことだったのですね。
といことで,次回はトイレのお話でございます。
お楽しみに。
また来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。