1870年、アメリカではじめてのボードウォークが誕生した、アトランティック・シティ。
ボードウォークはお店やレストランなどに、砂が吹き込むのを防ぐため、というのが第一の理由だったそうですが、そんなボードウォークで有名だったところから、20世紀初頭には、合法でカジノを楽しめる場所として、年間3000万人が訪れる、ラスベガスに次ぐ、アメリカ東海岸では最大のギャンブル・リゾートとなりました。
いよいよ日本でもカジノ・リゾート合法化か、と言う話題も出ているギャンブルのお話。細かなゲームのお話は、ブラックジャック、ポーカー、ルーレット、バカラ、スロットマシン等々、それぞれの楽しみ方があるようですから、ここでは割愛いたしますね。
「勝ちたいなら、ブラックジャックだよ」などと言うことをおっしゃる方もありますが、もちろん勝つためのストラテジーは、ちゃんとあるそうですけれども、やっぱり運とかにも左右されるんじゃないかなぁとか、素人の私には思えてしまいます。
まず、それぞれのホテルでは、カジノへ行く時にメンバーズカードを作ることを勧められます。無料のドリンクをもらうにも、まずこれが必要みたいです。
専用受付で、申し込み用紙に記入すれば、それで出来上がりです。とくに入会金、発行手数料などはかかりません。それどころか、この、私が滞在していたシーザーズホテルでは、カードに入会すると、10ドルついてきます。
ギャンブルをするたびに、このカードをマシンに登録させます。
そこでゲームの様子ですね、平均のゲーム時間や、賭け金の額などが、そのプレイヤーズカードに記録され、そのゲストがこのホテルにとって、どれだけお得意様かどうか、一発でわかるようになっています。
最初はゴールド・クラスから始まり、その後、お金を使えば使うほど、プラチナムとか、いろいろクラスが上がっていくみたいです。知り合いに聞いた話では、そのクラスによって、レストランやホテルの割引券等、ご招待状が来るそうです。
そういえば、カジノを扱かった有名な映画と言えば、2002年のオーシャンズ・イレブンのシリーズを覚えておられますか?
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモンら、素晴らしい大スターが大活躍する映画。彼らプロフェッショナルの強盗集団が、綿密な計画通り、最後にごっそりとカジノから史上最高額の現金を奪っていく、見ていてハラハラしながらも、とっても面白かったですね(笑)。
実は、1960年に、フランク・シナトラが主演で大ヒットした、「オーシャンと11人の仲間たち」のリメイクなのだそうです。爆発的な人気だったので、その後2004年、2007年に、ちょっとずつメンバーが増えて、続編が作られました。普段私たち一般のお客さんが入ることのできない、カジノの裏側を見ることができる映画なので、とても興味深かったのを覚えています。
こんな記事を書いていて、いろいろリサーチしていたところ、「ギャンブル依存症」というのが出てきました。私には全く関係ない、と思って目を通したのですが、ところが、どなたも、皆さん最初はそうおっしゃるのだそうな。
自分とは全く関係ない出来事の話だと思っていると、いつの間にか、そのギャンブルのスリルとお金を使うことの楽しさが、えもいわれぬ快感となって、気がついたときには借金だらけになっているのだそうです、、、きゃあ、怖い!
いまだに、根っから、ニューヨークでの貧乏暮らしが染み付いてしまっているようで、自分はこの10ドルを稼ぐのにどれだけ苦労したか、とかいちいち思うたちなので、賭け事にお金を使うなんて、ばかばかしくて、とてもしたいとも思わないのですが、ゲームコーナーのように、例えば2000円使って楽しくちょっと遊ぼうとか、それはそれで良いと思うんです。
でも、その2000円を5000円にしたいとか、1回勝って5000円になったから、それを20,000円にしたいとか、どうしてそう思えるのかが、その思考回路が、私には分かりません、、、
最近のカジノでは、そういうギャンブル依存症の人々のために、自分で、自分をカジノに入れなく申請するシステムとかがあるんだそうです。家族が、それを決めることもできるのだそう。なんか、すごいですね。年間何億円もの金額が、このギャンブル依存症の人たちを救うために予算を取っているのだそうです。
カジノは通常24時間営業なので、シフトも三交代制となり、ディーラーなどの職業も雇用が大きいとか、インフラが整うとか、インバウンドを見込めるとか、良いこともたくさんあるようですが、なんだか一言で、リゾート&カジノが日本にできるのを喜ぶばかりでは、いけないみたいです。カジノは、諸刃の剣ということなのでしょうね。
次回はまた別の話題でお目にかかります。
それではまた来週🎵
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。