つい先日,YouTubeのオススメで昔のCMが表示されていました。
その中には,ある懐かしいコマーシャルが!
それは,
♪I feel Coke♪
というキャッチで有名なコカ・コーラのCMです。
1980年代後半〜1990年代前半によく流れていたのでしょうか。
でも,この “I feel Coke.”って
「なんとなく変な感じ。」
というネイティブのなんと多いことか。
あなたはその違和感,わかりますか?
―動詞 “feel”の後に来るのは…―
あのコマーシャルは本当に爽やかですよね。
なぜかとてもコーラが飲みたくなってしまいます。
“I feel Coke.”
というのは,おそらく当時のキャッチとしては,
「コカ・コーラを感じる」
ということを言いたかったのでしょう。
でも英語では通常,動詞 “feel”(感じる) のすぐ次には,
“I feel happy.”(私は幸せ[に感じる])
“I feel sad.”(私は悲しい[悲しく感じる])
“I feel sleepy.”(私は眠い[眠さを感じる])
“I feel pain.”(私は痛みを感じる)
のように,「感情や状態」などの場合に使います。
だから, “I feel Coke.”というと,
「コーラでいっぱいの湯船に入って,身体でコーラを感じている」
「コーラを頭からかぶって,全身でコーラを感じている」
というような印象を持ってしまいがちなのだそう。
私からすれば,商品を印象付けるためのものだからキワドイものもOKだと思うんですよね。
「コカ・コーラを感じる」いいと思うのですが,いかがでしょう。
でも,実際に会話で使う場合は,
“I feel like Coke today.”(今日はコカ・コーラ[を飲みたい]気分。)
のように “feel like”を使った方が自然なんですね。
― “feel like”と “feel like ~ing”―
“feel”の基本的な意味は,「〜を感じる」。
だから “I feel hungry.”(空腹を感じる=お腹がすいた)のように使います。
でも, “feel”の次に “like”をつけることで
「〜のように感じる=〜の[ような]気分」
「〜な気がする」
という気持ちを表すことができるようになります。
例えば,
A: What do you want to have for lunch? (ランチは何食べたい?)
B: Well, I feel like a hamburger today. (そうだな,今日はハンバーガーの気分だな。)
のように,使うことができます。
日本人の英語学習者向けに,次のようなジョークを聞いたことはありませんか?
———————————————–
[レストランで]
スタッフ:ご注文はお決まりですか?
客:私は たらこパスタ。
これを英訳すると,
“I am Tarako Pasta.”(私=たらこパスタ)
になってしまいます。
———————————————–
というようなことを。
もちろん間違ってはいません。
つい日本語でそのまま言ってしまいそうになりますが,食事を注文する場合は
“I’ll have Tarako Pasta.”(私は たらこパスタをいただきます。)
のように言うとよいですよ。
でも,
「私は たらこパスタ。」
のような表現に近い英語表現もあるんです。
それが, “feel like”。
“I feel like Tarako pasta.”(私は たらこパスタの気分)
という感じです。
一緒に覚えておくと便利かもしれませんね。
“feel like”の次には,「形容詞や名詞」のような単語だけではなく,文章を持ってくることもできます。
ちょっと熱っぽいな,という場合,
“I feel like I have a fever.”(熱があるような気がする)
アメリカンなお店にいる時などにも,
“I feel like I’m in the United States.”(アメリカにいるような気分。)
のように使うこともできますよ。
― “feel like ~ing” ―
“feel like”は,次に
「形容詞や名詞の単語」
「文章(主語・動詞のあるもの)」
を持ってきて,
「〜のように感じる=〜の[ような]気分」
「〜な気がする」
ということを表現することができます。
もう一つ,
“feel like”の次に, “~ing”が使われている表現を聞いたことはありませんか?
この “feel like”と “feel like ~ing”ってとても似ているようですが,意味がぜんぜん違ってくるんです。
“I feel like I have a fever.”(私は熱がある気がする。)
という文章を,
“I feel like having a fever.”
としてしまったら…。
「私は熱を出したい気分です。」
「私は発熱したい気がします。」
となり,
「〜したい気がする」という意味になってしまうのです。
“I feel like watching a movie at home today.”
(今日は家で映画を見たい気分だな。)
“I feel like doing nothing today.”(今日は何もしたくない気分だ。)
などのように使います。
“feel like ~ing”は,「〜したい気分」を表すので,先程のレストランでの注文は
“I feel like Tarako pasta for lunch today.”(今日のランチはたらこパスタの気分。)
でも,
“I feel like having Tarako pasta for lunch today.”(今日のランチはたらこパスタを食べたい気分。)
のどちらも使うことができますね。
― “I feel Coke.”―
“feel like” + 感情や状態の単語” または 文章
「〜の[ような]気分」「〜な気がする」
“feel like ~ing”
「〜したい気分」
のように大きく分けることができます。
なので,ネイティブの中には,
「“feel”の次に商品名が来ることに違和感を感じてしまう」
という人も多いようなのです。
余談ですが,よく “cola = Coke”と思っている人がいるようなのですが,
“Coke”は “Coca-Cola”の愛称で商品名。
“Pepsi”や他のコーラのことを “Coke”とは言えないのでお気をつけを。
今でも “I feel coke.”のCMがある女優さんをメインにあるようですが,
私は昔の方が爽やかさ満載で良かったかなぁ…。
あなたはどうですか?
当時のCMに出ていたキャストの一人に知り合いがいるのですが,歳を重ねた今でもやっぱり「爽やか」です。
私も爽やかに,
“I feel Cozy.”
と言ってもらえるように頑張ろうかな(笑)
っていうか, “I feel Cozy.”って何よ…(^_^;)
それではまた来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。