英語の授業でそのプリントを配ったら、一気にシーンと・・・。
私がまだ高校生に英語を教えていた時のこと。授業で、あるプリントを配ると、高校生30人の目がプリントに釘付けになりました。
それは・・・。
「こち亀」
マンガ好きの方なら説明は不要だと思いますが、少年ジャンプに40年連載した「こちら葛飾区亀有公園前派出所」東京の下町で、警官の両津勘吉(両さん)らが躍動するお話。
楽しい授業用にと、そんな「こち亀」の両さんのコマが入った英文集のプリントを作成してくばったんです。
何回かの授業に分けて配ったのですが、毎回生徒達の注目度は予想以上。プリントの両さんの絵に引き込まれていましたw
やっぱり漫画を使うとみんな釘付けになるんだな〜と思いながら、毎回配布していました。
今回は、そんな当時のプリントの題材となった「こち亀」から単語DNAを見ていきたいと思います。
今回選んだ単語は、両さんの職業名policeman(警察官)にあるDNAの、PELE(ペレ/砦や城塞)。
それにpolitics(政治)、polish(磨く), polite(礼儀正しい)などを見てみましょう^^
城塞から都市国家への発展が大本
PolicemanのDNA PELE(ペレ)は「砦や城塞」の意味。
9000年前に丘陵を壁で囲み皆で一緒に住み初め、それが段々都市国家の「ポリス」に成長。その警察をpoliceと呼んだのかも。DNAはpoliceのpoliに少し変化して残っています。
Policemanは両さん一人をさし、本田+中川+麗子+愛…全体が、police「警察」ですね。
◯ PELE(砦や城塞→ポリス都市国家) → police (警察)→ policeman(警察官)
また、
◯ DNA PELE(城塞→ポリス都市国家)→ politics (ポリティックス/政治)
都市国家で必要なのは当然政治の仕組み。両さんも確か「日本道楽党」から出馬しましたよね。
◯ PELE(城塞→ポリス都市国家)→ polish (ポリッシユ/磨く)
田舎より都市で暮らせば、態度なども「磨かれ」洗練されるのでしょうか?
◯ DNA PELE(ポリス都市国家)→ polite(ポライト/礼儀正しい)
都市生活からマナーや礼儀が生まれたのかもしれません。
両さんのイメージとはますます離れていきますね。DNAはpoliteのpoli(ポライ)に残っています。
枠に捉われない両さんが見本?
さて交番は英語でpolice box(直訳「警察の箱」)
英語でout of the box(直訳「箱の外」)は「予想外」とか「常識や枠組みから出る」の意味になります。
例えば
his out of the box behavior
(彼の枠に捉われない行動)
今回の両さんからの語源のお話、単語DNA PELE(ペレ/砦や城塞)から始まって、最後は「洗練」や「礼儀」へ繋がりました。両さんが毎度交番を飛び出てしまう勤務のように、文字通りout of the boxな展開。
「枠に捉われない」意外な情報から、あなたも英語を楽しく学べるといいですね。
See you soon!
Jiro
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員