サンクスギビングでおよばれして、マンハッタン・トライベッカのロフト・アパートメントへ伺いました。
アメリカでサンクスギビングデーと言うと、とにかくホーム・パーティ。大きなターキーをオーブンで焼く!そして家族や友人で取り分けて食べる、と言うのは、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
結構大きなターキーを丸ごと前もって予約しておき、それをオーブンで4時間ぐらいかけて調理するわけですが、まずその七面鳥、首がない状態で来る(!)ので、お腹の方から内臓のあった部分にスタッフィング(詰め物)というのを詰めます。
後ほどいただくときには、ターキーとそのスタッフィングに甘いブルーベリーのソースなどをかけて、いただきます。と思っていたら、このスタッフィングと言うのは、現在では賛否両論いろいろあり、スタッフィング自体を別の容器で焼いて、別々に作るのが主流なのだそうです。
この理由は、オーブンで料理をすると、このでっかいターキーの奥のほうにあるスタッフィングにまでちゃんと火が通らないうちに、外側が焦げてしまう。のだそうです。
スタッフィングは、サイコロ状に切って乾燥させたパンに香味野菜などを混ぜ、それにこのターキーの肉汁、スープで調理するのですが、最近では、名前だけはスタッフィングですが、ターキーの中には入れずに、外側でもう一つ、別に調理をするものだそうです。なるほどぉ。
日本とは違って、変な話ですが、ここではサルモネラ菌があるので、肉や卵は、しっかり調理しないと食べてはいけない決まりになっています。
で、付け合わせの定番はと言えば、マッシュド・ポテト。これも、お好みで、バターや生クリームをたっぷり混ぜたり。ダイエットを気にするご家庭では、そういうものを混ぜなかったり(笑)。アンチョビを細かく刻んで混ぜるとおいしいって言うアイディアも、聞いたことがあります。
そして、アペタイザーには、サラダが2種類ぐらいあったりします。スプリングミックスのサラダ、ルッコラのサラダ、ケールのサラダなどが最近人気かしら。
お呼ばれしたお宅では、ケールのサラダに、スイートポテト、キャロットの細かく切ったのと、サンフラワーシードが混ぜ込んであって、とても美味しくいただきました。
このお宅では、ターキーの他にも、メインディッシュにプルド・ポークが振る舞われました。バーベキューのときのポークの定番とも言えるもので、お肉がホロホロになるまで長時間オーブンで焼いて、それをほぐして食べるものです。それとバーベキュー・ソースで、サンドイッチなどにするには完璧。なのですが、「ちょっと時間かけすぎちゃってジューシーじゃなくなっちゃった」、とお料理してくれたリリーはしきりに反省してましたが、でもでも、とても美味しくいただきました。
そして、いよいよクライマックスの、デザート・タイム〜。赤ワイン、白ワインのボトルも、もうすでに数本空いていて、このサンクス・ギビング・デーの宴も、だんだんと最終章が押し迫ってきました。
で、このお宅のデザートの量の多さにびっくり。まずアイスクリームが、1パイント(約500cc ) のが、スイス・アーモンド・チョコレート、ストロベリー、コーヒー、ピスタチオと4種類出てきました。そして手作りのパンプキンパイ。おまけに、キャロットケーキや、シナモンの小さなパンみたいなのとか、レモン・ケーキまで登場。
アメリカの、サンクスギビングは、1年間で1番たくさん食べる日、だそうですけれど、それにふさわしいディナーの締め、となりました。なんか一晩中お腹いっぱいだったような気がする。でも、明日からダイエットすればいいや、ってみんな言ってたし。(笑)
それで、今回呼んでくださったお友達は、コロンビア大学のファインアートの教授でもある、映画監督のゴードンさんご家族。今年のサンクス・ギビングは、アカデミー賞への投票をしながらの忙しい中、クッキングに時間を割いてくださったそう。
1985年ごろのジャン・リュック・ゴダールにとても影響を受けた、とおっしゃる。実は昔、私もフランスのヌーベルバーグ(英語で、ニューウェーブ)が大好きでした。
次回、もうちょっと詳しく、彼女との会話をお伝えできたら、と思います。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。