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バブルなクリスマス・イブで実践英語

World Lifeな生活
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Hey!guys.
Swatchです。

英語は、机に向かって学習するだけで、身に付くものではありません。

実は、英語が一番自然に身につくのは「話さざるを得ない場所」「逃げ場のない雰囲気」の中だったりします。

今から40年前、バブルが始まった頃の六本木は、日本にいながら、どこか海外のような場所で、バーに入れば外国人が当たり前のようにいて、いろいろな英語が日本語と飛び交い、そこでは正しい英語よりも、「相手に伝わるか」の世界でした。

今回は、そんなバブル時代の六本木で、英語を「学習」ではなく「体験することで」覚えていった一夜を、クリスマスイブの記憶とともに振り返ってみたいと思います。

<六本木でとりあえずビール:first beer!>

六本木の交差点の銀行の西角には交番があり、警察官が道案内に忙しくしている。

その斜め前のコーナーには、着飾った若者が待ち合わせの場所として使ったアマンドがあった。

アマンド前での待ちせが若者の定番だった。アマンドという店名は、「アマンド」と書かれておらず、“ALMOND”と英語書きされており、ローマ字読みで、アルマンドと待ち合わせ場所を携帯で告げている若者は、田舎者だとすぐに知れた。

今夜は、クリスマスイブなので、着飾った若いカップルが交差点で黒山になっている。男は貸衣裳をつけているように感じるのはなぜだろう。

六本木の交差点から、西へ一本入ったところに、アーバンビルがあった。このビルの表記もアーバンではなく「URBAN」と書かれていたので、読めない若者も多かった。

その URBAN BLDGbuilding の略語)の前の歩道の真中に、「URBAN Train / アーバントレイン]」というバーがあった。

そのバーは、2m×3mぐらいの電車の形をしたスタンドバー。歩道の真ん中に設置されていた。歩行者は、その電車型したバーを避けて、両側に分かれていく。店の中から見るのが面白い。

そのバーからは、観客が景色となって映っている。そこがSwatchの常連のバーだった。「取り敢えずビール」を ” Beer first! ”で頼み、喉を潤す。バーテンダーは日本人の時も、外国人の時もあるので、英語と日本が混ざる。

客の半分は、外国人で立ち飲みである。おつまみはあるが、頼む輩はいない。当時の港区六本木は、17人に一人は外国人という人口統計だった。

当時、流行り始めていたのが、コロナビール。小型の瓶にバーテンダーがライムを添えてくれる。

それを親指でボトルに落とし込み、ライムの味と香りを楽しむ。グラスは使わない。

Cash on delivery(カウンターの上に直接代金を置き会計する)なので、飲み物を頼めば、自由に会話が楽しめる。横で、外国人が注文を待っていれば、

“I’ll buy you a beer!”
(びーるをおごるよ)

と声をかける。実践英会話!

「今日は、あそこのバーで面白いイベントをやってるらしい」とイベント情報が入るのも便利だ。

“Why don’t you come with us?”
(一緒に行かないか)

と誘うのも楽しかった。

<天祖通りを下ると六本木の有名店>

アーバントレインを出ると、前の道は天祖神社に続く参道。周りにびっしりと有名店が並ぶ。

すぐ左横には、超有名な一軒家のラーメン店がある。

天井からゴキブリが落ちてきたなど、武勇伝はあまた。六本木の洗練された雰囲気とは相いれないが、いつも行列のできるラーメン店だった。

“Hey, you know? I call that Ramen shop Gokiburi ramen”
(この店をゴキブリラーメンと呼んでるんだ)

“Mt friend told me that a Cockroach fell down from the ceiling to Ramen bowl
(ラーメンのどんぶりにゴキブリが天井から落ちてきたらしい)

笑いは尽きない

そのラーメン店を左に回り袋小路にはいると、フレンチの店があった。フランスのコース料理ではなく、家庭料理の店なので、フレンチの料理を一品頼んで、ゆっくりとワインが楽しめる。

日本人は、フレンチというとコースを気取って食するものだと思っているが、フランス人にとっては、ワインを楽しむために食事はある。そう考えると、日本居酒屋感覚と同じだ。

 

天祖通りに戻り、降りていくと伝説のバー「六本木」がある。イギリスのパブ風の内装で、30年以上続いている老舗バー。マスターひとりで、希望通りのカクテルを作ってくれる。

マスターの蘊蓄に耳を傾けるが、酒の味は変わらない。話を聞かないと、沈黙がかえってくる。シングルバーが珍しい若者には受けるかもしれない。店にいて自分の居場所が感じられれば大人だ。

その手前に、小腹がすいたら寄る寿司屋がある。ビールと握りのシャリ抜きつまり刺身)をカウンターで頼み、腹ごしらえをする。気が向くと、店の斜め前に有名なディスコに通った。

黒服が3人、入り口で「ドレスコード」で客を選別している。ジーンズ、Tシャツでは、入場を断られる。いまで言う「映えが良くない」と入場拒否される。クリスマス・イブは、かき入れ時だ。

数軒先に、こじんまりした天ぷら屋があった。超有名な料理評論家の女性がカウンターでテンプラを楽しんでいた。なぜかタバコをくゆらしている。評論家の食リポを聞きながら、同じものを注文して楽しんだ。

天祖通りは、六本木の常連だけが知っている地名だ。そこには、六本木が凝縮された形で息づいていた。少し歩くと暗いビルが建っている。Swatchの職場では、立ち入り禁止ビルに指定されていた。裏の世界への入り口らしい。知らんけど!

いよいよ天祖神社が見えてくる。こじんまりとした神社だ。今はビルになっていて、お参りもできる。参拝をすませ、さらに六本木のクリスマスを楽しむ。

<EX is better than sex!>

“EX”は、実はレストランの名前。天祖神社の横にあるドイツ料理の店。主人は帰化したドイツ人。

“EX is better than SEX!”

は、直訳すれば「EXはセックスより気持ちいい」

何度も主人のドイツ人に聞いたが。それ以上の意味は聞けなかった。こぢんまりとした店だが、いつでも満員で外国人にあふれていた。ドイツビールとドイツ料理を楽しんだ。こういうところで、ドイツ人はドイツ語を話さない。社交として、英語を話す。

コミュニケーションの大切さを知っている。英語を学習しなければという思いが強い日本人は、そういったところがネックとなっているのかも。もっと英会話を楽しまなければと思ったものだ。

外国人のジョークは、韻を踏んだりするのが上手いが、特に意味深いということはないので、ああ、そんなものかと思っておけばよいだろう。受けなくても良いというのも文化である。

このドイツ料理店の名物は、主人のユーモア―のある日本語での会話とアイスバイン(Eisbein、写真上)だった。塩漬けにした豚のすね肉(骨付き)を、香味野菜やハーブと一緒にじっくり煮込んだドイツの伝統的な家庭料理だ。

ベルリンの名物料理で、ザワークラウト(キャベツの酢漬け)やじゃがいも、粒マスタードを添えて食べるのが定番。コラーゲン豊富で、ビールとの相性も抜群でうまい。

このドイツ料理店、店内に手動のベルが設置してある。そのベルを知らずに鳴らすと、店全員にビールをおごるという合図となる。不用意に好奇心でベルに触れると、店の客全員にビールをおごらなければならない。理由は説明してくれなかった。

米軍に留学したときに、barに同じようなベルを見つけ、バーテンダーに質問してその答えが分かった。階級が上がったり、勲章を授与されたりしたときに、barでお祝いに仲間にビールをおごるときに、そのベルを鳴らすそうだ。居合わせた客は、ビールを片手に、お祝いをしてくれる。軍隊の文化である。

間違って鳴らして、財布が空になっても、そのクレージーに盛り上がる雰囲気は、ある意味すごい陶酔感がある。機会があったらやってみるとストレスは吹き飛ぶんでしまうだろう。

<締めはモグラバーで決まり>

六本木の交差点に向けて少し戻ったところにホテルがあった。その地下に、「モグラのサルーテ」という名前のバーがあった。通称モグラバー。壁面中の酒のボトルが何百と並んでおり、ショットで飲める。

それぞれの壁面には、種類ごと、ウイスキー、テキーラ、スピリッツ、バーボンなど世界の銘酒がボトルをさかさまに設置して、」何百種類と並んでいる。酒飲みならば、見ているだけでも楽しい。

ショットでオーダーできるので、自分の体に相談して酒をオーダーできる。酒好きなら、一度は、この壁全部の酒を飲み干してみたいと考える。

六本木の店の例にもれなく、ここも外国人客が多い。酔いが回っているSwatchは、このバーがイングリシュバー(英会話バー)となる。

話題は、最初はお互いに飲んでいる酒の種類のこと。

“What are you drinking
(何飲んでるの)

が定番の質問から始まる。お決まりの

“I’ll buy you the same drink!”
(おごってやるよ)

と返事化が返ってくる。楽しい。

最近は、外国人が日本の文化に非常に興味があり、社交の場も仲間と居酒屋などに移っている。

外国人と話す機会は、増えているのだと思う。要は、話しかけてみるということか?!

スポーツバーも全国で増えている。好奇心と勇気をもってチャレンジしていただきたいと思う。実践英会話、お勧めです。

お互いにお気に入りの酒をオーダーして、相手に紹介して蘊蓄を傾ける。酔っ払い同士だから、英語でもニュアンスが伝わる。楽しい、至福な時間の流れがありました。

完璧な英語でも、きれいな発音でもなかったと思います。それでも通じるし、笑い合える。言語とは、本来そういうものかもしれません。

今の日本では、当時の六本木のような場所は減りました。けれど、「英語は、人と場があってこそ、生きた言葉になる」という本質は、今も変わっていないと思います。

学習としての英語ではなく、人と向き合う中で、自然に身についていく英語。

そんな原点を、クリスマスという静かな時間に、ふと思い出してみてもいいのかもしれません。

“Merry Christmas to you

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