突然ですが、「イタリア人男性」って聞くと、どんなイメージですか?
オシャレ、情熱的、よくしゃべり、よく食べるなど良い印象もあれば、女性好きとかプレイボーイ的なイメージもありませんか?
知らない女性でもすぐに声をかける、情熱的に口説くなどなど思い浮かびますよね。
ところが、私は彼らのちょっとチャラくも見えるこれらの行動が、実は、社会貢献なんじゃないかと発見したんです!
え?どういう事?!
Ciao, bella!
イタリアに行くと、きっと女性はいい気分になるでしょう。
ホテルやレストラン、お店に入ると、スタッフが男性なら“Hello, beautiful!”とか、“Ciao, bella!”とよく声をかけてくれるからです。
bellaは女性に使うbeautiful、つまり「美しい人」。「こんにちは、美しい人」という事。挨拶で「こんにちは、美しい人」なんて、日本では言われた事がありません。海外でも、挨拶の時に言われた事は、私はイタリア以外にありません。
最初の頃は、言葉を真に受けて、「私、褒められてる~♪」と有頂天になっていたものです。
でも、何度もイタリアに行くうちに、彼らにとって“Ciao, bella!”は、「こんにちは」と何ら変わらない、単なる挨拶のバリエーションの一つなんだという事が分かりました (;^ω^)
でも、それが分かったとしても、やっぱり「美しい」と言われて女性は悪い気はしませんよね。そして、彼らのこの “Ciao, bella!”こそが、社会を明るくする社会貢献だと気づいたのです!
「おばあちゃん、素敵ですね☆」
ミラノの街の中を歩いていると、オシャレな女性に目を奪われる事がよくあります。それは、若くて綺麗な人ばかりでなく、時には70代、80代くらいのおばあちゃんにでも。
おばあちゃんのオシャレな着こなしに「カッコいい~!」と目がくぎ付けになる事があるのです。
真っ赤なタイトのミニスカートに、ハイヒール、黒皮のコートを羽織って、目には大きめのサングラス。小さなプードルをつれてお散歩する白髪のおばあちゃん。もちろん背中もシャンとして、ハイヒールでもさっさと歩きます。
そんな時、「うわー!カッコいい!あんなおばあちゃんになりたい!」と思って眺めてしまうのです。
そして、そんなおばあちゃんに、すれ違うイタリア人男性はすかさず声をかけます。
若い男性でも必ずと言っていい程、“Buon giorno, bella!” または“Buon giorno, bellissima!” (bellissimaはbellaの最上級形)、つまり「おはようございます、最も美しい人」と声をかけてるんです!
私は最初にそれを見た時、(失礼ですが…。)「あんなおばあちゃんにでも、bellaとかbellissimaって付けるんだ!」とちょっと驚きました。
若い女性や好みの女性にだけ声をかけているわけではないんです! 若い青年も見知らぬおばあちゃんにそうやって声をかけるのです。
もちろん、それはナンパなどではなく、挨拶、もしくは礼儀みたいな物かもしれません。私達に使うCiao!と軽い表現ではなくBuon giorno.ときちんと挨拶している事からも相手への敬意が伺えます。
そして、さらに彼らがすごいなぁと思うのは、その挨拶の後に「そのスカート素敵ですね」とか、知っている人なら「今日のその髪型いいですね」など、ちゃんと良い所を見つけて褒めるんです。しかも褒め方も自然でわざとらしくない! さすが日々、たくさんの女性に声をかけているだけの事はある!
これって、おばあちゃんにとったらすごく嬉しい事だと思いませんか?オシャレをして街を歩くだけで、みんなが「きれいですね」「素敵ですね」と声をかけてくれて、話しをしてくれる。
だから、ますますオシャレが楽しくなって、オシャレをしたくなるし、外に出かけたくなる。すると、さらに褒められるから、もっとおしゃれして出かけたくなって…。
て、おばあちゃんにとってすごくプラス効果!
そして、そんなおしゃれで元気なおばあちゃん達を見て、私達も笑顔になるし、元気をもらえる。
これはもう、一種の社会貢献ではないでしょうか?
それまで、イタリア人男性には誰でも声をかけて、チャラいイメージがあったのですが、彼らはああやってみんなに声をかけて、社会を明るくしてるんだなと思うと、彼らの声かけも素敵だなと思えるようになったんです。
ファッションは自己表現
海外に行くと、おばあちゃんやおじいちゃんであってもみんな自由なファッションをしています。年齢に左右されず、華やかな色や柄物を着たり、逆にシャツにパンツスタイルというシンプルな服装の人もいます。
最新の流行の物をというよりそれぞれが自分のスタイルを持っていて、それを表現している感じ。
そう。彼らにとってファッションは正に自分を表現するツールなのです。
以前にも海外では「自分の意見を持つことが大事」という事をお伝えしましたが、ファッションでもやっぱり同じで、「自分のスタイルを持っていること」が大事なんだと感じます。
自分をどういう風に見せたいかをちゃんと知っていて、それを服を通して、スタイルや色、柄で表現している。だからシンプルな服装でもどこかこだわりがあったり、他の人とは違う所があったりするんです。
それは、時にはみんながみんな「いいね!」というようなファッションではないかもしれない。けれど、それがまた個性が光っていて街が楽しくなる気がします。
ミラノやパリなどおしゃれな街に行くと、私はカフェでお茶をしながら街行く人たちを観察するのが好きです。それが本当に楽しい(^^♪
それぞれに自分のこだわりがあって、服だけでなく、小物使いや帽子、マフラーの使い方まで色んなスタイルがあって本当に面白いし、ファッションの勉強になるんです。
ところで、あなたは
服を選ぶとき、何を基準に選んでいますか?
自分のスタイルを持っていますか?
私=どうでもいい人?!
私は、海外だと自由に自分の好きな服を着ていたのですが、日本ではずっと周りを気にして服を選んでいました。
こういう仕事だから、とか、これが今流行っているからとか、または自分の年齢だとこれくらい落ち着いてるのを着た方が無難かなとか、そういう意識。
周りの人と同じだったり、周りから浮いてなければ安心。流行の服を着てたら安心…。
それは周りに気を使い、尊重して良い事のようにも見えますが、「私」という「個人」は失われた状態だったんです。
海外の人たちのように、ファッションを「自分がどんな人間かを表現するツール」だという事を完全に忘れてしまっていました。
そして、それに気づいて「自分が好きなスタイルの服を着よう!」と思った時にはもう、どれが自分が好きなファッションなのか、分からなくなっていたのです!
他人から見た「良い」とか「好き」なのか、自分が見ての「良い」「好き」なのかが、区別できなくなってました。
ファッションでも意見でも、周りに合わせるのは楽だけど、それは自分の意見や考えがないのと同じこと。自分では何も考えていない、何も感じていない状態。
そしてだんだん、自分の考えなのか、他者や周りから与えられた考えなのかが、分からなくなってしまう。それが長くなると、いつの間にか周りから与えられた考えが、自分の意見や考えのようにさえ思えてしまう。
これって、ちょっと怖い事です。
だから、着る物一つとっても、自分の感覚や意見を持って選ぶ事、それを意識する事が大事なんだと思います。
「着る物なんて何でもいい。どうでもいい。」という人もいるかもしれませんが、「ファッション=自分」と思うとどうでしょう?
自分が着る物一つ一つが自分を表現している物。そう考えると「自分=何でもいい人・どうでもいい人」となってしまいます。そうなると、「どうでもよくない!」ですよね?
私も少しずつ自分自身の感覚を取り戻していきました。
直感で「これ、素敵!」と思った物は、その後に出てくる「でもこれ、派手すぎじゃない?学校には着ていけないんじゃない?」という常識的な考えと葛藤しながら買い、そしてドキドキしながら着てみる。を繰り返していきました。
そして今では年齢や流行に囚われず、そして講師という職業にも囚われず、大好きな花柄や派手な色のワンピースや洋服、そして時には着物も着ています♪
“Ciao Bella!”と声をかけてくれるイタリア人男性はいませんが、時々女性から「そのワンピース素敵。」とか生徒から「先生、かわいい。」と声をかけてもらえる時がありますよ。
ミラノのおばあちゃんを見て、私が憧れたり、元気をもらったりしたのと同じように、ファッションは自分の為だけでなく、周りの人たちを元気にしたり、明るくする物でもあると思います。
今、あなたが着ているその服は、あなたが本当に好きなスタイルですか?
「あなた」という個人を表現してくれる服ですか?
一度、「自分はどんな服が好きなのか」、「自分をどんな風に服で表現しようか」という視点で服を選んでみてください。
きっとそのファッションはBellissima!! / Bellissimo!!(男性)
周りの人も笑顔に明るくするファッションに違いありません♪
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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